化学ⅡA

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 化学ⅡA
科目番号 02126 科目区分 一般 / 選択必修(理)
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般教育 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「化学基礎」  辰巳敬ら (数研出版) ISBN:978-4-410-81107-4                                  「化学」 辰巳敬ら (数件出版) ISBN:978-4-41-81137-1/「改訂版リードα化学基礎+化学」 数研出版編集部 (数研出版) ISBN:978-4-410-27050-5 「フォトサイエンス化学図録」 数研出版編集部 (数研出版) ISBN: 978-4-410-27315-5
担当教員 三浦 大和,今 徳義

到達目標

(ア)ヘスの法則を適用し,未知熱量が計算できる。
(イ)反応速度に変化を与える要因を現象をまじえ説明できる。
(ウ)ル・シャトリエの法則を理解し,平衡反応の進行方向を推定できる。
(エ)水溶液中の水素イオン濃度およびpHを算出することができる。
(オ)中和反応の化学反応式が表記でき,定量計算ができる。
(カ)酸化数を求めることができ,酸化剤と還元剤の判別ができる。
(キ)イオン化傾向から析出・発生する物質を類推できる。
(ク)電池の原理を理解し,電池の構造・電極反応を正しく表記できる
(ケ)電気分解で発生する物質の質量を計算することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学反応に関して,熱(エネルギー),速度,可逆性についての基本概念を理解できる化学反応に関して,熱(エネルギー),速度,可逆性についての基本的な概念が理解できる化学反応に関して,熱(エネルギー),速度,可逆性についての基本的な概念が理解できない
評価項目2酸・塩基や中和反応に関する概念が理解でき,日常生活や社会との事例,複合的な事例に活用できる酸・塩基や中和反応に関する基本的な概念が理解できる酸・塩基や中和反応に関する基本的な概念が理解できない
評価項目3酸化・還元に関する概念が理解でき,日常生活や社会との事例,複合的な事例に活用できる酸化・還元に関する基本的な概念が理解できる酸化・還元に関する基本的な概念が理解できない

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
この講義は1学年で履修した化学的基礎事項をふまえ,実際にこの世の中でおこる化学的事象を反応論的に扱う。多くの反応が存在する中で,身の回りに見ることができる金属がさびるときに起こる酸化還元反応や酸塩基による中和反応を取り上げ,反応の際に派生する熱の取り扱いや化学反応の平衡系における法則を取り扱うことで,現在行われている工業生産プロセスの初歩的理解を行う。そして,化学反応の応用で使われている技術,電気分解による金属精錬・電池といったものの機構や原理についての理解を行う。
授業の進め方・方法:
注意点:
電卓を使用する。課題の提出期限を厳守すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱化学方程式 変化には熱エネルギーが伴うことが認識でき,熱化学方程式で表すことができる。
2週 ヘスの法則 ヘスの法則を理解し,未知熱量の算出ができる。
3週 結合エネルギー 結合エネルギーを理解し,それを用いて反応熱を算出できる。
4週 反応速度 化学平衡を説明することができ,ルシャトリエの法則をつかって平衡移動の方向を推定できる。
5週 化学平衡とル・シャトリエの法則 反応速度を決める要因としくみが理解でき,説明することができる。
6週 酸と塩基 酸と塩基およびその強弱の定義を理解し,説明できる。
7週 水素イオン濃度とpH pHの定義を理解し,水溶液中の水素イオン濃度とpHが算出できる。
8週 中和反応と塩 中和反応が説明でき,化学反応式で表すことができる。また,塩を分類し,液性を推測することができる。
2ndQ
9週 中和反応の量的関係 必要な酸や塩基の質量を算出することができる。また,中和滴定に関する濃度推定,必要な溶液量が算出でき,適切な指示薬を選択できる。
10週 酸化還元と酸化数 酸化と還元の定義を理解し,酸化数の変化から酸化や還元の判断ができる。
11週 酸化剤と還元剤と酸化還元反応 酸化剤や還元剤の定義を理解し,反応におけるはたらきを判別できる。
12週 酸化剤と還元剤と酸化還元反応 イオン反応式を立てることができ,モル濃度や質量の算出ができる。
13週 金属のイオン化傾向 イオン化傾向を説明でき,反応性と関連付けることができる。また,電池の原理を理解し,電極での反応を表記できる。また,電池の分類ができる。
14週 電気分解とファラデーの法則 電気分解の原理を理解し,ファラデーの法則を用いた生成物の質量や体積を算出することができる。
15週 前期のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合502030100
基礎的能力502030100