到達目標
(ア)文学理論の用語を正しく理解し、文学理論を使ってテクスト分析ができる
(イ)文学テクストをメディアや経済、国民国家形成との関わりから分析できる。
(ウ)印刷物やインターネットから、報告・論文の目的にふさわしい情報を収集できる。
(エ)収集した情報を分析して取捨選択し、報告・論文の目的に応じて整理できる。
(オ)整理した情報をもとに、主張が効果的に伝わるように論理構成や展開を工夫して、報告・論文を作成できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目(ア) | 文学理論の理解に基づき、考察を深める論文作成にふさわしい情報を収集ができる。 | 文学理論の基本的な用語や批評理論が理解できる。 | 文学理論の基本的な用語や批評理論が理解できない。 |
評価項目(イ) | 文学環境論の理解に基づき、考察を深める論文作成にふさわしい情報を収集ができる。 | 文学環境論の基本的な考え方や分析方法が理解できる。 | 文学環境論の基本的な考え方や分析方法が理解できない。 |
評価項目(ウ) | 収集した情報を分析・整理して、主張が効果的に伝わるよう工夫して論文を作成できる。 | 収集した情報を論文の目的に応じて分析・整理できる。 | 収集した情報を論文の目的に応じて分析・整理できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 E1 自らのものの見方の背景に日本の文化があることを認識できる。
JABEE a 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
JABEE f 論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
本校教育目標 ⑤ 技術者倫理
教育方法等
概要:
本講義では、明治から大正にかけての日本近代文学の小説を「文学理論」(内在的アプローチ)と「文学環境論」(外在的アプローチ)の二方面から分析していく。小説の内部を分析する「文学理論」では、虚構世界構築のために使われている技法など、批評理論を用いてテクストを検証する。また、小説の外部に注目する「文学環境論」では、文学を社会的な文学現象として捉え、メディアと読者のあり方を検証する。これらの考察により、我々を取り巻く言説内部のメカニズムを客観的に分析する力を獲得するだけでなく、言説を様々な領域との相互作用の中で理解し、広く世界を概観できる力を身に付けることを目標とする。
授業の進め方・方法:
注意点:
小説を鑑賞するのではなく、小説の構造や受容の諸相を「分析」することが目的であることを理解した上で受講すること。毎時間、その回の到達目標の達成度を評価するための課題テストを実施する。初回の講義において、講義全体の概要、課題などの詳細を説明するので、受講希望者は必ず出席すること。公的な理由なく初回の講義に欠席した者の履修登録は認めない。自学自習内容:指示したテキストは通読した上で受講すること。授業後は必ず復習し、学習内容の理解を深めること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
イントロダクション ― 文学理論・文学環境論とは何か |
文学理論・文学環境論について、その概要を理解できる。
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2週 |
文学理論1 コード ― 小説の枠組みと読みの指標 |
小説の枠組みと読みの指標(コード)について理解できる。
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3週 |
文学理論2 ストーリー ― 小説の時間と物語言説 |
小説の物語時間と物語言説の関係について理解できる。
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4週 |
文学理論3 物語論 ― 語り手の役割とは何か |
物語論の種類と物語における語り手の役割について理解できる。
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5週 |
文学理論4 間テクスト性 ― オリジナルとパロディ |
テクスト概念と間テクスト性について理解できる。
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6週 |
文学理論5 テクスト生成論 ― 精神分析と草稿研究 |
草稿研究と精神分析の関係性について理解できる。
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7週 |
文学理論6 ジェンダー理論 ― 女性はどう描かれているか |
小説世界の女性の描かれ方をジェンダー的視点から理解できる。
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8週 |
文学環境論1 文学者のイメージ形成 ― 肖像写真と文学 |
文学者のイメージ形成と肖像写真の関係を理解できる。
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2ndQ |
9週 |
文学環境論2 神話化する作家像 ― 夏目漱石と宮沢賢治 |
神話化する作家像の形成とテクストの関係について理解できる。
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10週 |
文学環境論3 国民国家形成と文学 ― 立身出世の系譜 |
国民国家形成と文学の関係を立身出世の系譜から理解できる。
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11週 |
文学環境論4 「日本」の再発見 ― 国民表象としての文学 |
国民国家形成期の国民表象としての文学のあり方を理解できる。
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12週 |
文学環境論5 「声」が創る心的共同体 ― 大衆の求める物語 |
近代日本における国民国家形成と大衆芸能の関係を理解できる。
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13週 |
文学環境論6 経済活動としての文学 ― 明治の出版事情 |
明治の出版事情に注目し、経済と文学の関係を理解できる。
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14週 |
文学環境論7 大正文学市場と芥川龍之介の戦略 |
大正文学市場と芥川龍之介のイメージ戦略について理解できる。
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15週 |
まとめ(学習内容・学習成果を振り返り、整理する) |
文学理論・文学環境論を学ぶことの意味を理解できる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 40 | 100 |