到達目標
(ア)原子構造および原子数の意味を理解している。
(イ)原子の結合の種類や各結合の特徴について知悉している。
(ウ)結晶構造を立体的に捉えることができる。
(エ)結晶面や方向をミラー指数を用いて表示できる。
(オ)結晶構造から理論物理量を計算できる。
(カ)2つ以上の元素からなる金属の相の種類および、相の構造を理解している。
(キ)二次元平衡状態図を用いて合金の状態を説明できる。
ルーブリック
| 最低限の到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目(1) | 原子構造,原子数,原子の結合の種類や各結合の特徴について理解している。 | 原子構造,原子数,原子の結合の種類や各結合の特徴について理解している。 | 原子構造,原子数,原子の結合の種類や各結合の特徴について理解していない。 |
評価項目(2) | 結晶構造を立体的にとらえることができ,ミラー指数について理解しており,理論密度を計算できる。 | 結晶構造を立体的にとらえることができ,ミラー指数について理解しており,理論密度を計算できる。 | 結晶構造を立体的にとらえることができ,ミラー指数について理解しており,理論密度を計算できない。 |
評価項目(3) | 2つ以上の元素からなる金属の相および,2次元平衡状態図を理解している。 | 2つ以上の元素からなる金属の相および,2次元平衡状態図を理解している。 | 2つ以上の元素からなる金属の相および,2次元平衡状態図を理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機械部品には多種多様な材料が用いられており、機械技術者としてこうした材料の特性を熟知していることは設計のためのみならず、安全性の確保のためにも重要なことである。本科目では、化学の基礎を参照しながら材料の原子レベルでの構造を解説し、続いて結晶構造について、幾何学的な知識を参照しながら解説する。本科目の最終では、状態図の概念と、熱平衡のことについても触れる予定である。本来であれば、化学のみならず、熱力学や統計数学の知識も必要な現象であるが、2学年ということもあってできるだけ平易を旨に説明する。
授業の進め方・方法:
授業では専用のノートを購入して用いる.
注意点:
受講にあたって電卓を準備すること。化学の基礎を復習しておくことが望ましい。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
金属材料の基礎[化学の基礎原子番号の意味,原子の結合の種類と特徴] |
化学の基礎原子番号の意味,原子の結合の種類と特徴を理解している。
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2週 |
金属材料の基礎[化学の基礎原子番号の意味,原子の結合の種類と特徴] |
化学の基礎原子番号の意味,原子の結合の種類と特徴を理解している。
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3週 |
金属の結晶構造[面心立方格子,体心立方格子,稠密六方格子のなりたち] |
面心立方格子,体心立方格子,稠密六方格子のなりたちを理解している。
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4週 |
金属の結晶構造[面心立方格子,体心立方格子,稠密六方格子のなりたち] |
面心立方格子,体心立方格子,稠密六方格子のなりたちを理解している。
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5週 |
金属の結晶構造と特性[それぞれの結晶構造を持つ金属と特徴] |
金属の結晶構造と特性を理解している。
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6週 |
結晶面と方向の表示法[ミラー指数の表示法] |
ミラー指数の表示法を理解している。
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7週 |
結晶面と方向の表示法[ミラー指数の表示法] |
ミラー指数の表示法を理解している。
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8週 |
金属の変態[単一金属の状態の変化についてエネルギーの観点も交えて解説] |
単一金属の状態の変化について理解している。
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2ndQ |
9週 |
金属の変態[単一金属の状態の変化についてエネルギーの観点も交えて解説] |
単一金属の状態の変化について理解している。
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10週 |
固溶体の構造[固溶体と金属間化合物の違い,侵入系と置換系について] |
固溶体と金属間化合物の違い,侵入系と置換系について理解している。
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11週 |
金属間化合物[金属間化合物の構造] |
金属間化合物の構造を理解している。
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12週 |
相率および状態図の構成[相率の考え方,自由度の捉え方] |
相率の考え方,自由度の捉え方を理解している。
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13週 |
二次元平衡状態図[溶解度の表示法,溶解度型状態図] |
溶解度の表示法,溶解度型状態図を理解している。
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14週 |
その他の二次元状態図[全律可溶固溶型状態図] |
全律可溶固溶型状態図を理解している。
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15週 |
内容の総まとめ |
材料学ⅠAの概要を理解している。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | 前2 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | 前1 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前1,前11 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前2 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | 前2,前10,前11 |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | 前12 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前2 |
同位体について説明できる。 | 3 | 前2 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前1 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前1 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前1 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前1 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前2 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 前2 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前2 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前2 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前2 |
金属の性質を説明できる。 | 3 | 前2 |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | 前1 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | 前1 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 前1 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 材料 | 機械材料に求められる性質を説明できる。 | 3 | 前1 |
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。 | 3 | 前1 |
金属と合金の結晶構造を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前5 |
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。 | 2 | 前8,前9 |
合金の状態図の見方を説明できる。 | 2 | 前12,前13,前14 |
評価割合
| 中間試験 | 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 45 | 25 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 45 | 25 | 100 |