材料学ⅠA

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料学ⅠA
科目番号 12121 科目区分 専門 / 必履修,選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「若い技術者のための機械・金属材料」,矢島悦次郎,市川理衛,古沢浩一著(丸善)/必要に応じて資料を配布
担当教員 清水 利弘

到達目標

(ア)原子構造および原子数の意味を理解している。
(イ)原子の結合の種類や各結合の特徴について知悉している。
(ウ)結晶構造を立体的に捉えることができる。
(エ)結晶面や方向をミラー指数を用いて表示できる。
(オ)結晶構造から理論物理量を計算できる。
(カ)2つ以上の元素からなる金属の相の種類および、相の構造を理解している。
(キ)二次元平衡状態図を用いて合金の状態を説明できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(1)原子構造,原子数,原子の結合の種類や各結合の特徴について理解している。原子構造,原子数,原子の結合の種類や各結合の特徴について理解している。原子構造,原子数,原子の結合の種類や各結合の特徴について理解していない。
評価項目(2)結晶構造を立体的にとらえることができ,ミラー指数について理解しており,理論密度を計算できる。結晶構造を立体的にとらえることができ,ミラー指数について理解しており,理論密度を計算できる。結晶構造を立体的にとらえることができ,ミラー指数について理解しており,理論密度を計算できない。
評価項目(3)2つ以上の元素からなる金属の相および,2次元平衡状態図を理解している。2つ以上の元素からなる金属の相および,2次元平衡状態図を理解している。2つ以上の元素からなる金属の相および,2次元平衡状態図を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
機械部品には多種多様な材料が用いられており、機械技術者としてこうした材料の特性を熟知していることは設計のためのみならず、安全性の確保のためにも重要なことである。本科目では、化学の基礎を参照しながら材料の原子レベルでの構造を解説し、続いて結晶構造について、幾何学的な知識を参照しながら解説する。本科目の最終では、状態図の概念と、熱平衡のことについても触れる予定である。
授業の進め方・方法:
本来であれば、化学のみならず、熱力学や統計数学の知識も必要な現象であるが、2学年ということもあってできるだけ平易を旨に説明する。授業では意見シートを用いて、授業の学生からの授業へのフィードバックを行う。また,専用のノートを購入して用いる.
注意点:
受講にあたって電卓を準備すること。化学の基礎を復習しておくことが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 金属材料の基礎[化学の基礎原子番号の意味,原子の結合の種類と特徴] 化学の基礎原子番号の意味,原子の結合の種類と特徴を理解している。
2週 金属材料の基礎[化学の基礎原子番号の意味,原子の結合の種類と特徴] 化学の基礎原子番号の意味,原子の結合の種類と特徴を理解している。
3週 金属の結晶構造[面心立方格子,体心立方格子,稠密六方格子のなりたち] 面心立方格子,体心立方格子,稠密六方格子のなりたちを理解している。
4週 金属の結晶構造[面心立方格子,体心立方格子,稠密六方格子のなりたち] 面心立方格子,体心立方格子,稠密六方格子のなりたちを理解している。
5週 金属の結晶構造と特性[それぞれの結晶構造を持つ金属と特徴] 金属の結晶構造と特性を理解している。
6週 結晶面と方向の表示法[ミラー指数の表示法] ミラー指数の表示法を理解している。
7週 結晶面と方向の表示法[ミラー指数の表示法] ミラー指数の表示法を理解している。
8週 金属の変態[単一金属の状態の変化についてエネルギーの観点も交えて解説] 単一金属の状態の変化について理解している。
2ndQ
9週 金属の変態[単一金属の状態の変化についてエネルギーの観点も交えて解説] 単一金属の状態の変化について理解している。
10週 固溶体の構造[固溶体と金属間化合物の違い,侵入系と置換系について] 固溶体と金属間化合物の違い,侵入系と置換系について理解している。
11週 金属間化合物[金属間化合物の構造] 金属間化合物の構造を理解している。
12週 相率および状態図の構成[相率の考え方,自由度の捉え方] 相率の考え方,自由度の捉え方を理解している。
13週 二次元平衡状態図[溶解度の表示法,溶解度型状態図] 溶解度の表示法,溶解度型状態図を理解している。
14週 その他の二次元状態図[全律可溶固溶型状態図] 全律可溶固溶型状態図を理解している。
15週 内容の総まとめ 材料学ⅠAの概要を理解している。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4前1
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4前1
金属と合金の結晶構造を説明できる。4前3,前4,前5
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。2前8,前9
合金の状態図の見方を説明できる。2前12,前13,前14

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合304525100
基礎的能力304525100