情報工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 情報工学Ⅰ
科目番号 12126 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「新編 マイクロコンピュータ技術入門」松田忠重 著(コロナ社)/自作プリント
担当教員 佐郷 幸法

到達目標

(ア)ディジタルの概念が,アナログと対比させて理解できる。コード化とは何かを知り,アスキーコード表が解読できる。
(イ)ビットを理解し,16ビットでコード化されている日本語に必要なデータ量等が具体的に計算できる。
(ウ)数字を2進数,16進数で表現できる。2の補数バイナリーが理解できる。進数変換ができる。
(エ)量子化,量子化誤差,サンプリング定理が理解できる。
(オ)電気信号の伝達,記録において,ディジタルとアナログによる方法の特徴を対比して説明できる。
(カ)論理演算の基礎を学び,論理的AND,論理的OR,真理値表等の概念が理解し、論理演算ができる。
(キ)正論理AND,正論理OR,排他的OR等の基本論理演算回路を書き表すことができる。
(ク)加算器をAND,OR,EXOR等を用いて構成することができる。カルノー図を用いて論理式が簡単化できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)ディジタルの概念が,アナログと対比させて理解できる。数値の羅列から文字列に変換することができる。ディジタルの概念が,アナログと対比させて理解できる。コード化とは何かを知り,アスキーコード表が解読できる。ディジタルの概念が,アナログと対比させて理解できない。コード化とは何かを知らず,アスキーコード表が解読できない。
評価項目(イ)ビットを理解し,文字データや画像データを保存する際に必要なデータ量等が具体的に計算できる。ビットを理解し,16ビットでコード化されている日本語に必要なデータ量等が具体的に計算できる。ビットを理解できず,16ビットでコード化されている日本語に必要なデータ量等が具体的に計算できない。
評価項目(ウ)数字を2進数,16進数で表現できる。2の補数バイナリーが理解できる。各種進数への相互変換ができる。数字を2進数,16進数で表現できる。2の補数バイナリーが理解できる。基本的な進数変換ができる。数字を2進数,16進数で表現できない。2の補数バイナリーが理解できない。進数変換ができない。
評価項目(エ)量子化,量子化誤差,サンプリング定理を用いて,誤差の計算ができる。量子化,量子化誤差,サンプリング定理が理解できる。量子化,量子化誤差,サンプリング定理が理解できない。
評価項目(オ)電気信号の伝達,記録において,ディジタルとアナログによる方法の特徴を図を用いて分かり易く説明できる。電気信号の伝達,記録において,ディジタルとアナログによる方法の特徴を対比して説明できる。電気信号の伝達,記録において,ディジタルとアナログによる方法の特徴を対比して説明できない。
評価項目(カ)ブール代数の基礎を学び,論理的AND,論理的OR,真理値表等の概念が説明でき、応用的な論理演算ができる。ブール代数の基礎を学び,論理的AND,論理的OR,真理値表等の概念が理解し、基本論理演算ができる。論理的AND,論理的OR,真理値表等の概念が理解し、基本論理演算ができない。
評価項目(キ)正論理AND,正論理OR,排他的OR等の基本論理演算回路を用いてディジタル回路を書き表すことができる。正論理AND,正論理OR,排他的OR等の基本論理演算回路を書き表すことができる。正論理AND,正論理OR,排他的OR等の基本論理演算回路を書き表すことができない。
評価項目(ク)加算器をAND,OR,EXOR等を用いて構成することができ、真理値表からベン図を用いて論理式が簡単化できる。加算器をAND,OR,EXOR等を用いて構成することができる。ベン図を用いて論理式が簡単化できる。加算器をAND,OR,EXOR等を用いて構成することができない。ベン図を用いて論理式が簡単化できない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ① ものづくり能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
コンピュータの知識やその考え方の基礎となるディジタルに関する知識は,今や機械工学を学ぶ学生にとっても必要不可欠である。本講義では,前半ではディジタルの考え方,アナログとの比較,データ量の考え方と計算,数値の2進数や16進数による表現などを学習する。さらに後半では,ブール代数,ANDやORの論理回路を学習し,数値計算が回路を用いてできることを知るなど,コンピュータ技術の基本的知識を習得する。この科目は企業でコンピュータを用いたロボットの制御系の構築を担当していた教員が,その経験を活かし,マイクロコンピュータ技術の基礎について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
教科書と授業資料に基づいて授業を進める。
注意点:

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタルとアナログの概念,電気信号の伝達,記録におけるディジタルとアナログの比較,コード化,基数の概念 ディジタルの概念が,アナログと対比させて理解できる。コード化,基数が何かを知る。
2週 ビット,2進数による数値表現:2進数,16進数,2進数⇔10進数⇔16進数の相互進数変換 ビットを理解し,数字を2進数,16進数で表現できる.各基数の進数に相互変換できる。
3週 ビット,バイト,ワード:データ量の計算 ビットを理解し,16ビットでコード化されている日本語に必要なデータ量等が具体的に計算できる。
4週 アスキーコード,画像,データ量の計算 コード化とは何かを知り,アスキーコード表が解読できる。また、必要なデータ量が具体的に計算できる。
5週 2進数による数値表現:2の補数バイナリー、オフセットバイナリー 2の補数バイナリーとオフセットバイナリーが理解できる。2進数⇔2の補数バイナリー⇔オフセットバイナリーの変換ができる。
6週 2進数による数値表現:固定小数点数,浮動小数点数,2進化10進数 各種2進数表現を理解し、固定小数点数と2進化10進数で数値を表現できる。固定小数点数⇔10進数の変換できる。
7週 2進数による数値表現:浮動小数点数
丸め誤差,絶対誤差,相対誤差,情報落ち
浮動小数点数⇔10進数の変換ができ、丸め誤差,絶対誤差,相対誤差,情報落ちが説明できる。
8週 AD変換,量子化,量子化誤差,符号化 量子化,量子化誤差,符号化を理解し、分解能とビット数,アナログ値からディジタル値への変換ができる。
2ndQ
9週 AD変換,SN比,ダイナミックレンジ AD変換について理解し,AD変換の関わる性能指標を説明できる。
10週 サンプリング定理,ディジタルとアナログの対比 サンプリング定理を説明できる。電気信号の伝達,記録において,ディジタルとアナログの特徴を対比して説明できる。
11週 論理演算:論理的AND,論理的OR,論理的否定NOT,真理値表,基本論理演算,ベン図とその正論理回路記号 論理演算の基礎を学び,論理的AND,論理的OR,論理的NOT,真理値表,基本論理演算、正論理回路記号が理解できる。
12週 論理演算:NAND,NOR,排他的ORと加算回路 NAND,NOR,排他的OR等の基本論理演算回路を書き表すことができ,加算回路を論理演算回路で表すことができる。
13週 論理式の簡単化と標準化:ベン図,カルノー図,加法標準形,乗法標準形 真理値表から加法標準形,乗法標準形に変形できる。カルノー図を用いて論理式が簡単化できる。
14週 論理式⇔論理回路の変換,論理式の変形 論理式から論理回路,論理回路から論理式への変換ができる。また,論理式を簡単な論理式に変換できる。
15週 情報工学Ⅰ総まとめ 答案返却及び理解度を確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動の法則について説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力のモーメントを求めることができる。4
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4
重心に関する計算ができる。4
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100