工業力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 工業力学Ⅰ
科目番号 12223 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「詳解 工業力学(第2版)」 入江敏博 著(オーム社)
担当教員 兼重 明宏

到達目標

(ア)力の合成と分解ができ、力のつりあいの条件を理解し求めることができる。
(イ)剛体に働く二つ以上の力の合成とモーメントの合成を理解し計算できる。
(ウ)支点の種類と反力を理解し、剛体に働く力のつりあいの条件を求めることができる。
(エ)重心の定義を理解し、物体の重心を求めることができる。また、重心の測定法を説明できる。
(オ)物体のつりあいを理解し、つりあい条件を求めることができる。
(カ)分布力と浮力を理解し、計算できる。
(キ)直線運動と曲線運動における速度と加速度を理解し、運動について計算できる。
(ク)ニュートンの運動法則を理解し、運動方程式の導出と解析ができる。
(ケ)ダランベールの原理を理解し、力のつりあいの式の導出と解析ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)種々に働く力の合成と分解ができ、力のつりあいの条件を理解し求めることができる。種々に働く力の合成と分解ができ、力のつりあいの条件を理解し求めることができる。種々に働く力の合成と分解、力のつりあいの条件の理解が不十分で、合成、分解、求めることができない。
評価項目(イ)さまざまな剛体に働く二つ以上の力の合成とモーメントの合成を理解し計算できる。剛体に働く二つ以上の力の合成とモーメントの合成を理解し計算できる。剛体に働く二つ以上の力の合成とモーメントの合成の理解が不十分で計算できない。
評価項目(ウ)支点の種類と反力を理解し、さまざまな剛体に働く力のつりあいの条件を求めることができる。支点の種類と反力を理解し、剛体に働く力のつりあいの条件を求めることができる。支点の種類と反力の理解が不十分で剛体に働く力のつりあいの条件を求めることができない。
評価項目(エ)重心の定義を理解し、さまざまな形をした物体の重心を求めることができる。また、重心の測定法により重心を求めることができる。重心の定義を理解し、物体の重心を求めることができる。また、重心の測定法を説明できる。重心の定義の理解が不十分で、簡単な形をした物体の重心を求めることができない。また、重心の測定法を説明できない。
評価項目(オ)さまざまな物体のつりあいを理解し、求めることができる。物体のつりあいを理解し、求めることができる。物体のつりあいの理解が不十分で、物体のつりあいを求めることができない。
評価項目(カ)分布力と浮力を理解し、種々の条件の分布力を計算することができる。分布力と浮力を理解し、計算することができる。分布力と浮力の理解が不十分で、計算することができない。
評価項目(キ)直線運動と曲線運動における速度と加速度を理解し、各種の運動について計算ができる。 直線運動と曲線運動における速度と加速度を理解し、基本的な運動について計算ができる。 直線運動と曲線運動における速度と加速度の理解が不十分で、基本的な運動について計算ができない。
評価項目(ク)ニュートンの運動法則を理解し、種々の運動方程式の導出と解析ができる。 ニュートンの運動法則を理解し、基本的な運動方程式の導出と解析ができる。 ニュートンの運動法則の理解が不十分で、基本的な運動方程式の導出と解析ができない。
評価項目(ケ)ダランベールの原理を理解し、種々の力のつりあいの式の導出と解析ができる。 ダランベールの原理を理解し、基本的な力のつりあいの式の導出と解析ができる。 ダランベールの原理の理解が不十分で、基本的な力のつりあいの式の導出と解析ができない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ① ものづくり能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
工業力学は物理、応用物理で学ぶ力学系部分を工業的に扱い、材料力学、水力学、熱力学、機械力学などへの橋渡し役をする力学系基礎専門科目である。力学の主要をなす、力のつりあい、運動法則などの問題を工業的な具体例に当てはめて説明する。ここでは例題演習を数多くあげて、われわれが日常身近に経験する実際の現象を理論に当てはめて計算式を導き、実際に計算することにより理解を深める。
授業の進め方・方法:
課題、例題問題の学習と説明により授業を進める。例題問題の回答は自学自習で行い、復習課題を課題点とする。
注意点:
講義及び試験には、関数付き電卓を持参のこと。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 力と力学、力のあらわし方、力学の単位(国際単位) 力と力学、力のあらわし方、力学の単位(国際単位)を理解する
2週 力の合成と分解(1):二つの力の合成、分解、一点に働く多くの力の合成、力のつりあい 力の合成と分解、力のつりあいを理解し、導出する
3週 力の合成と分解(2):二つの力の合成、分解、一点に働く多くの力の合成、力のつりあい 力の合成と分解、力のつりあいを理解し、導出する
4週 剛体に働く力(1):二つの力の合成、力のモーメント、偶力 剛体に働く力(1):二つの力の合成、力のモーメント、偶力を理解し、導出する
5週 剛体に働く力(2):合成とつりあい、支点と反力 剛体に働く力(2):合成とつりあい、支点と反力を理解し、導出する
6週 剛体に働く力(3):剛体のつりあい、はりやトラスに働く力 剛体に働く力(3):剛体のつりあい、はりやトラスに働く力を理解し、導出する
7週 重心(1):重心の計算例、簡単な形をした物体の重心 重心(1):重心の計算例、簡単な形をした物体の重心を理解し、導出する
8週 力の合成と分解、剛体に働く力、モーメント、つりあい、重心に関する理解の確認 力の合成と分解、剛体に働く力、モーメント、つりあい、重心について学習の到達目標の確認
4thQ
9週 重心(2):重心位置の測定法、物体のつりあい 重心(2):重心位置の測定法、物体のつりあいを理解し、導出する
10週 分布力と浮力 分布力と浮力を理解し、求める
11週 速度と加速度(1):直線運動、曲線運動 速度と加速度(1):直線運動、曲線運動を理解し、運動を解析する
12週 速度と加速度(2):放物運動、円運動、相対運動 速度と加速度(3):放物運動、円運動、相対運動を理解し、導出する
13週 力と運動法則(1):ニュートンの運動法則、ダランベールの原理 力と運動法則(1):ニュートンの運動法則、ダランベールの原理を理解し、運動を解析する
14週 力と運動法則(2):求心力と遠心力、天体の運動 力と運動法則(2):求心力と遠心力、天体の運動を理解し、運動を解析する
15週 剛体の重心とその運動 剛体の重心とその運動について理解し、運動方程式を導出し、運動を解析する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4後11,後12
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4後12
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4後11,後12
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4後11,後12
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。4後11,後12
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4後11,後12
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4後11,後12
物体に作用する力を図示することができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6
力の合成と分解をすることができる。4後2,後3,後4,後5,後6
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4後5,後6,後10
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4後2,後3,後4,後5,後6
慣性の法則について説明できる。4後13,後14
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4後2,後3,後13
運動方程式を用いた計算ができる。3後13,後14
運動の法則について説明できる。4後13,後14
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4後13
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4後14
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4後14
力のモーメントを求めることができる。4後6,後8,後9
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4後4,後5,後6,後8,後9,後10,後15
重心に関する計算ができる。4後7,後8,後9,後10,後15
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4後1,後2,後3,後4,後6
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4後2,後3,後4,後6
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4後2,後3,後4,後6
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4後4,後5,後6,後8,後9
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4後4,後5,後6,後8,後9
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4後7,後8,後9,後15
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4後11,後12,後15
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4後11,後12,後15
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4後13,後14,後15
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4後13,後14,後15
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4後13,後14,後15
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4後12,後14
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4後12,後14

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
基礎的能力305020100