材料学Ⅱ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料学Ⅱ
科目番号 13123 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「若い技術者のための機械・金属材料」,矢島悦次郎,市川理衛,古沢浩一著(丸善)/必要に応じて資料を配付する
担当教員 清水 利弘

到達目標

(ア)金属の加工,回復,再結晶時の組織の変化について理解する。
(イ)応力ひずみ曲線および金属の各試験法について理解する。
(ウ)鉄および炭素鋼の基本的な性質および鉄-炭素系平衡状態図について理解する。
(エ)鋼の製造法,鋼塊の種類および鋼材の性質について理解する。
(オ)鋼の冷間加工、熱間加工および、焼なまし、焼ならし、焼入れ、焼もどしを中心とした熱処理について理解する。
(カ)鋼の恒温変態および恒温変態曲線について理解し、その応用例についても理解する。
(キ)鋼の連続冷却変態曲線および鋼の焼入れ性の表し方について理解する。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(1)金属の加工,回復,再結晶時の組織の変化について理解する。金属の加工,回復,再結晶時の組織の変化について理解している。金属の加工,回復,再結晶時の組織の変化について理解していない。
評価項目(2)鉄および炭素鋼の基本的な性質および鉄-炭素系平衡状態図について理解する。鉄および炭素鋼の基本的な性質および鉄-炭素系平衡状態図について理解する。鉄および炭素鋼の基本的な性質および鉄-炭素系平衡状態図について理解していない。
評価項目(3)鋼の製造法,加工,熱処理および,恒温変態について理解している。鋼の製造法,加工,熱処理および,恒温変態について理解している。鋼の製造法,加工,熱処理および,恒温変態について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
材料学ⅠA、ⅠBで学んだ材料学の基礎事項を理解していることを前提に講義を進める。本講義では、機械材料の基礎になる金属材料特に鉄鋼材料の基礎的事項について学ぶ。まず、炭素鋼についてその基本的な性質、平衡状態図と変態点、組織との関連などについて学び、ついで鋼の製造法の概略、鋼塊、鋼材の性質および塑性加工による鋼の諸性質の変化について学ぶ。また、鋼の各種熱処理による性質の改善、恒温変態曲線、連続冷却変態曲線についても学ぶ。さらに鋼の表面処理による性質の改善法についても学ぶ。
授業の進め方・方法:
注意点:
材料学ⅠAおよびⅠBを履修していることを前提に授業を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 金属の加工硬化と回復・再結晶・結晶粒の成長 金属の加工硬化と回復・再結晶・結晶粒の成長について理解している。
2週 金属の加工硬化と回復・再結晶・結晶粒の成長 金属の加工硬化と回復・再結晶・結晶粒の成長について理解している。
3週 金属のクリープ,疲れおよび破壊現象 金属のクリープ,疲れおよび破壊現象について理解している。
4週 金属のクリープ,疲れおよび破壊現象 金属のクリープ,疲れおよび破壊現象について理解している。
5週 金属の強化機構概説 金属の強化機構についてその概略を理解している。
6週 金属材料の試験方法(引張り試験,硬さ試験,衝撃試験) 金属材料の試験方法について理解している。
7週 鉄および炭素鋼の基本的な性質および鉄-炭素系平衡状態図 鉄および炭素鋼の基本的な性質および鉄-炭素系平衡状態図について理解している。
8週 鉄および炭素鋼の基本的な性質および鉄-炭素系平衡状態図 鉄および炭素鋼の基本的な性質および鉄-炭素系平衡状態図について理解している。
2ndQ
9週 鉄-炭素系平衡状態図の各種変態点,状態図と顕微鏡組織との関係 鉄-炭素系平衡状態図の各種変態点,状態図と顕微鏡組織との関係について理解している。
10週 鋼を高温状態から冷却するときの冷却速度と鋼の組織との関係 鋼を高温状態から冷却するときの冷却速度と鋼の組織との関係を理解している。
11週 鋼塊の種類・鋼材の性質 鋼塊の種類・鋼材の性質について理解している。
12週 鋼の塑性加工および鋼の各種もろさ 鋼の塑性加工および鋼の各種もろさについて理解している。
13週 炭素鋼の熱処理(焼なまし,焼ならし,焼入れ,焼きもどし) 炭素鋼の熱処理(焼なまし,焼ならし,焼入れ,焼きもどし)について理解している。
14週 鋼の恒温変態,鋼の表面処理 鋼の恒温変態,鋼の表面処理について理解している。
15週 内容の総まとめ 材料学Ⅱの内容を理解できている。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3前6
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3前5
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3前6
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3前3,前4
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3前3,前4
塑性変形の起り方を説明できる。3前1
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3前1,前2
鉄鋼の製法を説明できる。3前11
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3前7,前8
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3前7,前8
焼きなましの目的と操作を説明できる。3前10,前13
焼きならしの目的と操作を説明できる。3前10,前13
焼入れの目的と操作を説明できる。3前10,前13
焼戻しの目的と操作を説明できる。3前10,前13

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合304525100
専門的能力304525100