到達目標
(ア)剛体の平面運動は並進運動と回転運動を合成して得られることが理解できる。
(イ)剛体の回転運動の運動方程式を理解し、慣性モーメント、トルクから回転体の運動方程式を解くことができる。
(ウ)平行軸の定理および直交軸の定理を用いて、簡単な形状を持つ物体の慣性モーメントが計算できる。
(エ)剛体の平面運動を重心の並進運動と重心まわりの回転運動に分け、両者を連立させて問題を解くことができる。
(オ)摩擦に関するクーロンの法則が理解でき、摩擦係数、摩擦角、摩擦が存在する場合の物体と斜面に働く力が計算できる。
(カ)仕事、エネルギとはどのような物理量であるのかが理解でき、種々の場合について値を求めることができる。
(キ)エネルギ保存の法則が理解でき、それを利用していくつかの場合について物体の運動を説明することができる。
(ク)動力、回転機械の動力の概念が理解でき、具体的に計算できる。てこ、滑車が理解でき、問題を解くことができる。
(ケ)運動量と力積の関係から衝撃力が計算できる。運動量保存の法則から2つの物体の衝突問題を解くことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 剛体の平面運動、回転運動が理解できる。 | 剛体の平面運動、回転運動の基礎が理解できる。 | 剛体の平面運動、回転運動の基礎が理解できない。 |
評価項目2 | 摩擦、仕事、エネルギーの概念が理解できる。 | 摩擦、仕事、エネルギーの基礎的な概念が理解できる。 | 剛体の平面運動、回転運動の基礎が理解できない。 |
評価項目3 | エネルギー保存、動力、運動量の概念が理解できる。 | エネルギー保存、動力、運動量の基本的概念が理解できる。 | エネルギー保存、動力、運動量の基本的概念が理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
本校教育目標 ① ものづくり能力
本校教育目標 ② 基礎学力
教育方法等
概要:
工業力学は、物理、応用物理で学ぶ力学系の問題の中で、特に工学に関心のある者に興味を持って取り組めるように、日常身近に経験する実際的例題を数多くとりあげた力学系基礎専門科目である。「工業力学Ⅰ」に引き続き、ここでは剛体の運動、摩擦、仕事とエネルギ、動力、運動量と力積、衝突などの項目について学ぶ。なるべく多くの演習問題を解き、実際に計算することによって、理解が深まるように努める。
授業の進め方・方法:
注意点:
工業力学Ⅰを修得していることを前提として授業を進める。関数電卓を毎授業持参すること。
選択必修の種別・旧カリ科目名
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
剛体の平面運動:並進運動、回転運動 |
剛体の平面運動は並進運動と回転運動を合成して得られることが理解できる。
|
2週 |
剛体の固定軸まわりの回転運動:慣性モーメント、角速度、角加速度 |
剛体の回転運動の運動方程式を理解し、慣性モーメント、トルクから回転体の運動方程式を解くことができる。
|
3週 |
剛体の固定軸まわりの回転運動:慣性モーメント、角速度、角加速度 |
剛体の回転運動の運動方程式を理解し、慣性モーメント、トルクから回転体の運動方程式を解くことができる。
|
4週 |
慣性モーメントに関する定理:平行軸の定理、直交軸の定理 |
平行軸の定理および直交軸の定理を用いて、簡単な形状を持つ物体の慣性モーメントが計算できる。
|
5週 |
剛体の平面運動の方程式:重心の並進運動、重心まわりの回転運動 |
剛体の平面運動を重心の並進運動と重心まわりの回転運動に分け、両者を連立させて問題を解くことができる。
|
6週 |
剛体の平面運動の方程式:重心の並進運動、重心まわりの回転運動 |
剛体の平面運動を重心の並進運動と重心まわりの回転運動に分け、両者を連立させて問題を解くことができる。
|
7週 |
摩擦の法則:クーロンの法則、摩擦係数、摩擦角 |
摩擦に関するクーロンの法則が理解でき、摩擦係数、摩擦角が計算できる。
|
8週 |
斜面の摩擦と応用:斜面上の物体に働く力 |
摩擦に関するクーロンの法則が理解でき、摩擦が存在する場合の物体と斜面に働く力が計算できる。
|
2ndQ |
9週 |
仕事とエネルギ:仕事の定義、回転体の仕事 |
仕事、エネルギとはどのような物理量であるのかが理解でき、種々の場合について値を求めることができる。
|
10週 |
エネルギ保存の法則:力学エネルギ、運動エネルギ、位置エネルギ |
エネルギ保存の法則が理解でき、それを利用していくつかの場合について物体の運動を説明することができる。
|
11週 |
エネルギ保存の法則:力学エネルギ、運動エネルギ、位置エネルギ |
エネルギ保存の法則が理解でき、それを利用していくつかの場合について物体の運動を説明することができる。
|
12週 |
動力:回転機械の動力、てこ、滑車 |
動力、回転機械の動力の概念が理解でき、具体的に計算できる。てこ、滑車が理解でき、問題を解くことができる。
|
13週 |
運動量と力積:運動量保存の法則、衝突 |
動力、回転機械の動力の概念が理解でき、具体的に計算できる。てこ、滑車が理解でき、問題を解くことができる。
|
14週 |
運動量と力積:運動量保存の法則、衝突 |
運動量と力積の関係から衝撃力が計算できる。運動量保存の法則から2つの物体の衝突問題を解くことができる。
|
15週 |
まとめ |
学習した内容に関する問題を解くことができる。
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 4 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 4 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 4 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 4 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 4 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 4 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 4 | |
角運動量を求めることができる。 | 4 | |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 4 | |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 4 | |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 4 | |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 4 | |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 4 | |
評価割合
| 中間試験 | 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 45 | 25 | 100 |
専門的能力 | 30 | 45 | 25 | 100 |