制御工学B

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学B
科目番号 15203 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 専門基礎ライブラリー制御工学,豊橋技術科学大学・高等専門学校 制御工学教育連携プロジェクトISBN:978-4-407-32575-1/必要に応じて資料を配付する,学習理解確認のため小テストを実施する.
担当教員 兼重 明宏

到達目標

(ア)制御工学の位置づけ、制御系の構成、制御系設計の目的を理解し説明できる。
(イ)過渡特性や周波数特性を理解し、基本制御要素の制御性能が理解し説明できる。
(ウ)ベクトル軌跡、ボード線図やゲイン-位相線図が読める。
(エ)制御系の安定性について理解し、安定判別、安定度(ゲイン余裕や位相余裕)を求めることができる。
(オ)フィードバック制御系の定常特性、過渡特性、ニコルス線図を理解し、制御性能の評価ができる。
(カ)制御性能を決定する根配置を理解し、根軌跡法による制御系設計ができる。
(キ)位相進み補償、位相遅れ補償、PID制御系を理解し制御系設計ができる。
(ク)制御系の状態空間表現と制御系の解析、可制御・可観測性を確認することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)制御工学の位置づけ、制御系の構成、制御系設計の目的を理解し、的確に説明できる。制御工学の位置づけ、制御系の構成、制御系設計の目的を理解し説明できる。制御工学の位置づけ、制御系の構成、制御系設計の目的の理解が不十分で説明できない。
評価項目(イ)過渡特性や周波数特性を理解し、制御要素の制御性能が導出できる。過渡特性や周波数特性を理解し、基本制御要素の制御性能が導出できる。過渡特性や周波数特性の理解が不十分で、基本制御要素の制御性能が導出できない。
評価項目(ウ)ベクトル軌跡、ボード線図やゲイン-位相線図が読め,特性を把握できる。ベクトル軌跡、ボード線図やゲイン-位相線図が読める。ベクトル軌跡、ボード線図やゲイン-位相線図が読めない。
評価項目(エ)制御系の安定性について理解し、安定判別、安定度(ゲイン余裕や位相余裕)を求め,制御系を設計することができる。 制御系の安定性について理解し、安定判別、安定度(ゲイン余裕や位相余裕)を求めることができる。 制御系の安定性についての理解が不十分で、安定判別、安定度(ゲイン余裕や位相余裕)を求めることができない。
評価項目(オ)フィードバック制御系の定常特性、過渡特性、ニコルス線図を理解し、制御性能の評価した上で制御系設計ができる。 フィードバック制御系の定常特性、過渡特性、ニコルス線図を理解し、制御性能の評価ができる。 フィードバック制御系の定常特性、過渡特性、ニコルス線図の理解が不十分で制御性能の評価ができない。
評価項目(カ)制御性能を決定する根配置を理解し、根軌跡法による制御系設計ができる。制御性能を決定する根配置を理解し、根軌跡法による制御系設計について説明できる。制御性能を決定する根配置の理解が不十分で根軌跡法による制御系設計を理解できない。
評価項目(キ)位相進み補償、位相遅れ補償、PID制御系を理解し、制御仕様を満たす制御系設計ができる。位相進み補償、位相遅れ補償、PID制御系を理解し、制御系設計について説明できる。位相進み補償、位相遅れ補償、PID制御系による制御系設計の理解が不十分で説明できない。
評価項目(ク)制御系の状態空間表現と制御系の解析、可制御・可観測性を理解し、導出できる。 制御系の状態空間表現と制御系の解析、可制御・可観測性を理解し説明できる。 制御系の状態空間表現と制御系の解析、可制御・可観測性の理解が不十分で説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C2-4 「情報と計測・制御」に関する専門知識の修得
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
制御工学Aで学習した内容に引き続き、古典制御理論に基づく制御系設計の基礎について学ぶ。制御工学Aで学んだ過渡特性や周波数特性に基づき、制御系の安定性や過渡特性などの制御性能について学ぶ。また、これらのもと制御性能を満たす制御系設計手法について、根軌跡法や補償器による制御系設計について学ぶ。最後に、現代制御理論における制御系解析・設計論の足掛かりとして、状態空間表現、可制御・可観測性についても学ぶ。
授業の進め方・方法:
注意点:
事前に履修・修得しておくことが望ましい科目:制御工学A.継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。授業内容に関する課題(レポート)を課すので、決められた期日までに提出すること。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修4

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 制御系の構成、制御系の設計(授業内容の予習、過渡応答や周波数応答導出復習(予習)と周波数応答の導出課題) 制御工学の位置づけ、制御系の構成、制御系の設計を理解する
2週 過渡特性および周波数特性に基づく制御系の特性:過渡応答と周波数応答について前期制御工学Aの復習、小テスト実施(ボード線図から伝達関するを導出する課題) ベクトル軌跡やボード線図から読み取れる制御系の特性を理解する
3週 制御系の安定性:ラウス・フルビッツによる安定判別、ナイキストによる安定判別(過渡応答とベクトル奇跡の復習(予習)、安定判別の課題) 制御系の安定性:ラウス・フルビッツによる安定判別、ナイキストによる安定判別を理解する
4週 制御系の安定性:ラウス・フルビッツによる安定判別、ナイキストによる安定判別(安定判別法による安定判別予習と安定判別の課題) 制御系の安定性:ラウス・フルビッツによる安定判別、ナイキストによる安定判別を理解する
5週 制御系の安定度:位相余裕,ゲイン余裕とナイキスト線図およびボード線図による安定度(ベクトル軌跡とボード線図の予習、安定余裕を有する制御系設計課題) 制御系の安定度をベクトル軌跡やボード線図から読み取り、制御系設計を理解する
6週 フィードバック制御系の特性:過渡特性、定常特性、(過渡特性、定常特性を満たす制御系設計の予習、定常偏差の課題) フィードバック制御系の特性:過渡特性、定常特性を理解する
7週 フィードバック制御系の特性:過渡特性、定常特性、(安定性や定常特性を満たす制御系設計の復習、定常偏差の課題) フィードバック制御系の特性:過渡特性、定常特性を理解する
8週 学習の確認:制御系の安定性、安定度、過渡特性、周波数特性に基づいた制御系設計(安定性や定常特性を満たす制御系設計の復習) 制御系の安定性、安定度、過渡特性、周波数特性に基づいた制御系設計を理解する
4thQ
9週 フィードバック制御系の特性:ニコルス線図(過渡特性、定常特性を満たす制御系設計、ニコルス線図を描く、ゲイン-位相線図の予習、ニコルス線図課題 フィードバック制御系の特性:過渡特性、定常特性、ニコルス線図を理解し、共振値を満たす制御系の設計を理解する
10週 制御系の設計(1):根軌跡法(根配置による制御系設計課題、安定性を満たす条件の復習(予習)、根軌跡法課題) 制御系の設計(1):根軌跡法を理解する
11週 制御系の設計(2):特性補償器による制御系設計、位相進み補償、位相遅れ補償、PID制御系(制御系の過渡特性、周波数特性、安定性(予習)、位相進み補償器周波数特性課題) 制御系設計、位相進み補償、位相遅れ補償、PID制御系を理解する
12週 制御系の設計(3):特性補償器による制御系設計、位相進み補償、位相遅れ補償、PID制御系(制御系の過渡特性、周波数特性、安定性(予習)、位相遅れ補償器設計課題) 制御系設計、位相進み補償、位相遅れ補償、PID制御系を理解する
13週 現代制御理論への足掛かり:制御系の状態空間表現と制御系の解析、可制御・可観測性(制御システムの動的モデルの予習、状態空間表現の課題) 現代制御理論への足掛かり:制御系の状態空間表現を理解する
14週 現代制御理論への足掛かり:制御系の状態空間表現と制御系の解析、可制御・可観測性(可制御、可観測の課題) 現代制御理論への足掛かり:制御系の可制御・可観測性を理解する
15週 現代制御理論への足掛かり:制御系の状態空間表現と制御系の解析、可制御・可観測性(状態空間表現、その解析、状態量の導出課題) 現代制御理論への足掛かり:制御系の状態空間表現と制御系の解析と状態遷移を理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
制御系の周波数特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12

評価割合

中間試験定期試験課題小テスト合計
総合評価割合30451510100
専門的能力30451510100