マイクロコンピュータ工学A

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 マイクロコンピュータ工学A
科目番号 72143 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「なっとくするディジタル電子回路」藤井信生 著 (講談社),ISBN978-4-06-154511-3/自作プリント
担当教員 杉浦 藤虎

到達目標

(ア)2進法について理解し,10進数から2進数,8進数,16進数への変換およびその逆の変換ができる。
(イ)2進数や16進数での四則演算ができる。
(ウ)負の表現を補数という概念を用いて表現できることを理解し,補数表現を記述できる。
(エ)ブール代数を理解し,論理式の変形や簡単化などができる。またドモルガンの定理の意味を理解できる。
(オ)真理値表から論理式を導出できる。またその逆もできる。
(カ)フェン図あるいはカルノー図を使って論理式の簡単化ができる。
(キ)加法および乗法標準形の意味を理解し,真理値表から各標準形のかたちで表現することができる。
(ク)論理式の標準形から論理回路を設計できる。またその逆もできる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基数変換を理解し,10進数から2進数他への変換および四則演算ができる。基数変換を理解している。基数変換を理解できない。
評価項目2ブール代数を理解し,論理式の変形や簡単化などができる。ブール代数を理解している。ブール代数を理解できない。
評価項目3加法および乗法標準形の意味を理解し,真理値表から各標準形に対応した論理回路を設計できる。加法および乗法標準形の意味を理解している。加法および乗法標準形の意味を理解できず,論理回路を設計できない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
マイクロコンピュータ(マイコン)による機械制御やマイコンを組み込んだ製品開発などを行うための基礎知識と技術を習得する。まず,マイコンを学ぶ上で基礎となる離散数学の初歩について学ぶ。次いで,論理回路と論理式との対応を学び,簡単な論理回路の設計を行う。
授業の進め方・方法:
講義ではできるだけたくさんの演習を行い,演習を通して理解を深めることとする。この講義で学んだ離散数学と基礎的な電子回路の設計手法は,高学年次のプログラミングや電子回路の講義での基礎となる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子計算機の開発の歴史とマイクロコンピュータ,データの処理単位と表現(ビット,2進法) マイコンの仕組みとビット表現について理解できる
2週 基数変換:10進数から2進数,8進数,16進数への変換とその逆変換 2進法について理解し,10進数から2進数,8進数,16進数への変換およびその逆の変換ができる。
3週 2進数の演算:2進数,8進数,16進数の加算と減算,キャリーとオーバフロー 2進数や8進数,16進数での加減算演算ができる。
4週 補数とは:1の補数と2の補数,補数を用いた加減算 負の表現を補数という概念を用いて表現できることを理解し,補数表現を記述できる。
5週 2進数の演算:乗算と除算,シフト演算 2進数での四則,シフト演算ができる。
6週 2進数の演算:乗算と除算,シフト演算に関する小テスト 2進数や16進数での四則,シフト演算ができる。
7週 論理回路と論理式:AND,OR,NOT演算,論理式と真理値表 ブール代数を理解し,論理式の変形や簡単化などができる。
8週 ブール代数の基礎:排他的論理和とドモルガンの定理 ブール代数を理解し,論理式の変形や簡単化などができる。またドモルガンの定理の意味を理解できる。
2ndQ
9週 ブール代数の基礎:排他的論理和とドモルガンの定理 排他的論理和の意味を理解できる。真理値表から論理式を導出できる。またその逆もできる。
10週 論理式の簡単化:フェン図およびカルノー図法 フェン図あるいはカルノー図を使って論理式の簡単化ができる。
11週 論理式の簡単化:フェン図およびカルノー図法とこれまでの内容に関する小テスト フェン図あるいはカルノー図を使って論理式の簡単化ができる。
12週 論理式の標準形:加法標準形と乗法標準形 加法および乗法標準形の意味を理解し,真理値表から各標準形のかたちで表現することができる。
13週 論理回路の設計と真理値表との関係 論理式の標準形から基礎的な論理回路を設計できる。またその逆もできる。
14週 論理回路の設計:一致回路,多数決回路,加算回路 論理式の標準形から各種論理回路を設計できる。またその逆もできる。
15週 総まとめ:定期試験と応用問題の解説 講義で学んだ内容に関する問題を解くことができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3前2,前3,前4,前5,前6
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。2前1

評価割合

定期試験小テスト合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100