電気数学B

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気数学B
科目番号 72241 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 オリジナルプリント/「新編高専の数学2」田代嘉宏著 (森北出版),ISBN:978-4-627-04823-2,「工科系の数学2」(サイエンス社),ISBN:978-4781908168
担当教員 小松 弘和

到達目標

(ア)不定積分の概念を理解し、基本的な問題を解くことができる。
(イ)部分積分法や置換積分法を用いて、不定積分の様々な問題を解くことができる。
(ウ)部分分数分解の概念を理解し、関連した不定積分の問題を解くことができる。
(エ)無理関数における置換積分の技法を理解し、関連した不定積分の問題を解くことができる。
(オ)三角関数における置換積分の技法を理解し、関連した不定積分の問題を解くことができる。
(カ)定積分の概念を理解し、様々な問題を解くことができる。
(キ)定積分を用いて,面積や回転体の体積を求めることができる。
(ク)定積分を用いて、絶対平均値や実効値を計算することができる。
(ケ)単独一階微分方程式の簡単な問題を解くことができ、物理・工学現象を解析できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(可)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)不定積分の基本的な問題を解くことができる。不定積分の概念を理解し、基本的な関数の不定積分を定義から求めることができる。不定積分の概念を理解することができない。
評価項目(イ)部分積分法や置換積分法を用いて、不定積分の様々な問題を解くことができる。不定積分の基本的な問題に部分積分法や置換積分法をどのように用いるか理解できる。不定積分の部分積分法や置換積分法の概念を理解することができない。
評価項目(ウ)部分分数分解に関連した不定積分の問題を解くことができる。部分分数分解の概念を理解できる。部分分数分解の概念を理解できない。
評価項目(エ)無理関数・三角関数に関連した不定積分の問題を解くことができる。無理関数や三角関数に関連した不定積分の置換積分による技法を理解できる。無理関数や三角関数に関連した不定積分の置換積分による技法を理解できない。
評価項目(オ)定積分の様々な問題を解くことができる。定積分の概念を理解し,基本的な問題を解くことができる。定積分の概念を理解することができない。
評価項目(カ)定積分を用いて、面積や回転体の体積、および、絶対平均値や実効値が計算できる。定積分による、面積や回転体の体積、および、絶対平均値や実効値の計算法が理解できる。定積分による、面積や回転体の体積、および、絶対平均値や実効値の計算法が理解できない。
評価項目(キ)単独一階微分方程式の問題を解くことができ、物理・工学現象を解析できる。単独一階微分方程式を理解し、解法を理解できる。単独一階微分方程式を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
電気電子工学の専門科目を履修するに際し不可欠な積分法を解説し、豊富な演習を通して定着させる。また、物理学や工学に関連した様々な応用例を積極的に紹介し、専門科目における数学の重要性を意識させる。
授業の進め方・方法:
基礎数学は、道具のように使いこなせるまで習熟することが大切であるので、「電気基礎数学A, B,電気数学A」、および、数学系科目で履修した分野も含めて、豊富な演習を行う。授業の性質上、数学系科目で未学習の内容を取り上げる場合もある。
注意点:
原則として、毎回、幅広い数学の範囲で演習を行い、演習課題が完答していない学生には、課外に課題の完答に取り組んでもらう。また、小テストについても基準点を満たしていない学生には、課外に不正解だった問題の完答に取り組んでもらう。演習課題や小テストの完答は、単位取得の必須条件とする。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電気数学Aの復習
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
2年前期までで学習した数学の問題を解くことができる。
2週 不定積分の定義
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
不定積分の概念を理解し、基本的な問題を解くことができる。
3週 置換積分法
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
置換積分の技法を理解するとともに、基本的な問題を解くことができる。
4週 部分積分法
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
部分積分の技法を理解するとともに、基本的な問題を解くことができる。
5週 部分分数分解による積分法
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
部分分数分解の手法を理解し、関連した問題を解くことができる。
6週 無理関数に対する発展的な置換積分法
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
ルートの中身が1次の場合、2次の場合の無理関数に対する置換積分の技法を理解できる。
7週 三角関数に対する発展的な置換積分法
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
t=tan(x/2)を利用した三角関数に対する置換積分の技法を理解できる。
8週 2~7回の総合演習
(自学自習内容:授業内容に関する予習・復習をすること)
2~7回に関連した演習問題を解くことができる。
4thQ
9週 定積分の定義
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
定積分の概念を理解し,不定積分で学んだことを応用して様々な問題を解くことができる。
10週 定積分の応用1:面積、および、回転体の体積
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
定積分による、関数に囲まれた面積、および、x軸周りの回転体の体積を求めることができる。
11週 定積分の応用2:絶対平均値、および、実効値
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
交流電圧・電流の絶対平均値、および、実効値の概念を理解し、計算できる。
12週 定積分の応用3:単独一階常微分方程式の初期値問題の解法(変数分離法)
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
単独一階常微分方程式の初期値問題を変数分離法によって解くことができる。
13週 定積分の応用4:フーリエ級数展開
(自学自習内容:授業内容に関する課題を提出すること)
フーリエ級数展開の概念を理解できる。
14週 2~13回の総合演習1
(自学自習内容:授業内容に関する予習・復習をすること)
2~13回に関連した演習問題を解くことができる。
15週 2~13回の総合演習2
(自学自習内容:授業内容に関する予習・復習をすること)
2~13回に関連した演習問題を解くことができる。
微分積分法のより発展的な内容を紹介することもある。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3

評価割合

定期試験小テスト課題合計
総合評価割合503020100
基礎的能力503020100