電気数理演習B

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気数理演習B
科目番号 73242 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教材用プリント
担当教員 熊谷 勇喜

到達目標

(ア) 等加速度運動や運動量保存の法則を説明できる。
(イ) 力学の知識を使って諸量を算出できる。
(ウ) クーロン力の合成と分解からつりあいの条件を導出できる。
(エ) ベクトルの内積やエネルギー保存則から仕事量や物体の速度を導出できる。
(オ) 電界中の電荷の運動を説明できる。
(カ) 波動,円運動および単振動の基礎的内容を概説できる。
(キ) キルヒホッフの法則,重ねの理を,基本的な直流回路計算に用いることができる。
(ク) テブナンの定理を用いて,やや複雑な直流回路または交流回路の等価回路を導くことができる。
(ケ) 数式またはグラフで表現された正弦波交流の周波数,位相を特定することができる。
(コ) 時間関数としての正弦波交流とフェーザ表示との関係,正弦波交流の計算公式や周波数特性を理解している。
(サ) 瞬時電力と平均電力の関係を理解し,与えられた瞬時電力から平均電力を計算することができる。
(シ) ガウスの定理の持つ意味を理解し,同定理を基本的な電界計算に用いることができる。
(ス) クーロンの法則を用いて,点電荷が作る電界の強度と電位を計算することができる。
(セ) コンデンサの静電容量の持つ意味を理解し,簡単な形状のコンデンサについて静電容量を計算することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)力学と電磁気学の各種法則を説明できる。力学と電磁気学の各種法則を理解できる。力学と電磁気学の各種法則を説明できない。
評価項目(イ)力学の知識を使って諸量を算出できる。力学の知識を使って諸量を理解できる。力学の知識を使って諸量を算出できない。
評価項目(ウ)電磁気学の知識を使って諸量を算出できる。電磁気学の知識を使って諸量を理解できる。電磁気学の知識を使って諸量を算出できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 電気・電子回路の基礎的内容である交流の定常現象について,物理的概念を理解し,電圧・電流値等を導出できる.
学習・教育到達度目標 B-4 電気磁気学の基礎的内容である静電界,静磁界の事象を理解し,それらに関する必要な諸量を,理論に基づいて計算できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
JABEE g 自主的、継続的に学習する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
工学の基本的な学問分野であり,特に電気・電子工学の基幹科目である電磁気学と電気回路の内容を扱う。本講義では,主に電磁気学に含まれている力学現象(電気力学)の定量化,数式化を行い,その物理的意味の把握を通して抽象的な概念の理解を目指す。運動の基礎や力とつりあいから出発して,エネルギー保存の法則に至り,電荷に働くクーロン力を中心にクーロンの法則,ガウスの法則,電界と電位,コンデンサと静電エネルギーなどについて取り上げる。 さらに、電気回路(直流回路,交流回路)のうち,特に重要で基本的な手法を復習し,確実な修得を目指す。電気回路においては,インピーダンス,アドミタンス,正弦波交流回路,などを取り上げる。
授業の進め方・方法:
注意点:
基礎電気磁気学及び基礎交流回路Aの単位修得を前提として授業を進める。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 運動の基礎:等加速度運動,加速度-速度-距離の関係 、運動量保存の法則 運動の基礎:等加速度運動,加速度-速度-距離の関係 、運動量保存が理解できる
2週 力とつりあい:クーロン力の合成と分解、振り子のつりあい,トルク、分布状電荷によるクーロン力 力とつりあい:クーロン力の合成と分解、振り子のつりあい,トルク、分布状電荷によるクーロン力が理解できる
3週 仕事と力学的エネルギー:ベクトルの内積,エネルギー保存則、電荷を動かす仕事(クーロン力の積分) 仕事と力学的エネルギー:ベクトルの内積,エネルギー保存則、電荷を動かす仕事(クーロン力の積分)が理解できる
4週 電界中の電荷の運動 電界中の電荷の運動 が理解できる
5週 波動(光波と音波を含む)・正弦波の基礎 波動(光波と音波を含む)・正弦波の基礎 が理解できる
6週 等速円運動と単振動 等速円運動と単振動が理解できる
7週 電気回路の構成要素:直流と交流,電源と回路素子 電気回路の構成要素:直流と交流,電源と回路素子が理解できる
8週 回路の基本的な考え方:キルヒホッフの法則 回路の基本的な考え方:キルヒホッフの法則が理解できる
4thQ
9週 回路の基本的な考え方:回路方程式,抵抗の直列接続と並列接続 回路の基本的な考え方:回路方程式,抵抗の直列接続と並列接続が理解できる
10週 正弦波交流回路の計算法:正弦波交流のフェーザ表示,計算公式 正弦波交流回路の計算法:正弦波交流のフェーザ表示,計算公式が理解できる
11週 正弦波交流回路の計算法:周波数特性,インピーダンスとアドミタンス 正弦波交流回路の計算法:周波数特性,インピーダンスとアドミタンス が理解できる
12週 点電荷とクーロンの法則,電界の強さと電位の関係 点電荷とクーロンの法則,電界の強さと電位の関係が理解できる
13週 ガウスの定理を用いた電界強度計算 ガウスの定理を用いた電界強度計算が理解できる
14週 ガウスの定理を用いた電界強度計算 ガウスの定理を用いた電界強度計算が理解できる
15週 コンデンサの静電容量と充電現象 コンデンサの静電容量と充電現象が理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4
電場・電位について説明できる。4
クーロンの法則が説明できる。4
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。4
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。4
ジュール熱や電力を求めることができる。4
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4後12
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4後12
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4後13,後14,後15
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合501040100
専門的能力501040100