電磁気学ⅡA

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電磁気学ⅡA
科目番号 74102 科目区分 専門 / 選択必修2
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「やくにたつ電磁気学(第3版)」 平井紀光 著(ムイスリ出版)ISBN:978-4-89641-193-5/「演習電気磁気学(新装版)」 大貫繁雄・安達三郎 著(森北出版)ISBN:978-4-627-71132-7,教材用プリント
担当教員 塚本 武彦

到達目標

(ア)帯電導体間の電荷量と電位差の関係から電位係数および容量係数・誘導係数を導出できる。
(イ)2つの導体間の静電容量と合成抵抗の関係を理解する。
(ウ)磁界・磁束・磁束密度・磁性体・磁化などの用語の意味を概説できる。
(エ)電流と磁界の関係を概説できる。
(オ)円電流が作る磁束密度を導出できる。
(カ)有限長直線電流が作る磁界の強さを導出できる。
(キ)無限長直線電流と磁界の強さの関係を理解する。
(ク)各種ソレノイドが作る磁界の強さを導出できる。
(ケ)電磁力の方向と大きさを理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目(ア)帯電導体間の電位係数,容量係数・誘導係数,静電容量,合成抵抗を導出できる。帯電導体間の電位係数,静電容量,合成抵抗を導出できる。帯電導体間の電位係数,静電容量,合成抵抗を導出できない。
評価項目(イ)円電流,有限長直線電流,無限長直線電流,各種ソレノイドが作る磁界の強さを導出できる。円電流,有限長直線電流,無限長直線電流が作る磁界の強さを導出できる。円電流,有限長直線電流,無限長直線電流が作る磁界の強さを導出できない。
評価項目(ウ)電流に働く電磁力の方向と大きさおよび磁界中で運動する荷電粒子に作用する力を導出できる。電流に働く電磁力の方向と大きさを導出できる。電流に働く電磁力の方向と大きさを導出できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-4 電気磁気学の基礎的内容である静電界,静磁界の事象を理解し,それらに関する必要な諸量を,理論に基づいて計算できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
電磁気学は,力学と並んで工学・物理学の基本的な学問分野であり,電気・電子工学の基幹科目の一つである。本講義では,複数の導体間の電荷と電位の関係,電流から生じる磁気現象,ビオ・サバール法則,アンペアの周回積分の法則および電磁力を扱う。
授業の進め方・方法:
まず複数の導体間の電荷と電位の関係を解説する。次に,電流から生じる磁気現象の具体例から入り,磁気現象の定量化,数式化を行い,その物理的意味の把握を通して抽象的な概念の理解を目指す。ビオ・サバール法則およびアンペアの周回積分の法則を用いて,電流が作る磁界の強さの導出方法を教授する。最後に,電磁力を解説する。
注意点:
基礎電磁気学,電磁気学Ⅰおよび電気・電子工学演習Ⅰの単位修得を前提として授業を進める。
(自学自習内容)授業内容に該当する項目について,参考文献「演習電気磁気学」で予め調べてくること。特に予習が必要な項目は授業内容に記載してある。また,授業内容に関連する課題を毎回提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複数の導体間の電荷と電位の関係(1):電位係数,キャパシタンス(予習:ガウスの法則と電位の求め方) 帯電導体間の電荷量と電位差の関係から電位係数および容量係数・誘導係数を導出できる。
2週 複数の導体間の電荷と電位の関係(2):容量係数(予習:逆行列) 帯電導体間の電荷量と電位差の関係から電位係数および容量係数・誘導係数を導出できる。
3週 静電容量と合成抵抗,電流と電界(予習:キャパシタンスと抵抗の導出法) 2つの導体間の静電容量と合成抵抗の関係を理解する。
4週 磁気:磁気の性質,磁界の強さ,磁束,磁束密度,磁性体と磁化 磁界・磁束・磁束密度・磁性体・磁化などの用語の意味を概説できる。
5週 電流と磁界の関係(予習:右ねじの法則) 電流と磁界の関係を概説できる。
6週 ビオ・サバールの法則(1):円電流による磁束密度 円電流が作る磁束密度を導出できる。
7週 ビオ・サバールの法則(1):円電流による磁束密度 円電流が作る磁束密度を導出できる。
8週 ビオ・サバールの法則(2):有限長直線電流による磁界 有限長直線電流が作る磁界の強さを導出できる。
2ndQ
9週 ビオ・サバールの法則(2):有限長直線電流による磁界 有限長直線電流が作る磁界の強さを導出できる。
10週 アンペアの周回積分の法則(1):無限長直線電流による磁界 無限長直線電流と磁界の強さの関係を理解する。
11週 アンペアの周回積分の法則(1):無限長直線電流による磁界 無限長直線電流と磁界の強さの関係を理解する。
12週 アンペアの周回積分の法則(2):ソレノイドによる磁界 各種ソレノイドが作る磁界の強さを導出できる。
13週 アンペアの周回積分の法則(2):ソレノイドによる磁界 各種ソレノイドが作る磁界の強さを導出できる。
14週 電磁力:電流間に働く力,磁界中の運動電荷に働く力(ローレンツ力)(予習:フレミングの左手の法則) 電磁力の方向と大きさを理解する。
15週 電磁力:電流間に働く力,磁界中の運動電荷に働く力(ローレンツ力)(予習:フレミングの左手の法則) 電磁力の方向と大きさを理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3前4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。3前5,前6,前7,前8,前9
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3前10,前11,前12,前13
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3前14,前15
ローレンツ力を説明できる。3前14,前15

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合502030100
専門的能力502030100