電子回路A

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子回路A
科目番号 74143 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「本質を学ぶためのアナログ電子回路入門」阿部克也著(共立出版) ISBN 978-4-320-08630-2
担当教員 犬塚 勝美,及川 大

到達目標

(ア)電流源を含む回路の解析ができる。
(イ)ダイオードの原理と整流特性を説明できる。
(ウ)トランジスタ・FETの基本動作を説明でき等価回路を書くことができる。
(エ)トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。
(オ)トランジスタによる増幅の原理を理解し特性図を用いて説明できる。
(カ)エミッタ接地増幅回路のバイアス方法を理解し各定数の値を仕様に基づいて決定できる。
(キ)各増幅回路(特にエミッタ接地)の等価回路を示して、入出力インピーダンスを算出できる。
(ク)各増幅回路(特にエミッタ接地)の周波数特性(利得、位相差、帯域)を理解し、算出できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目(ア)電子回路の基礎となる電気回路の解析ができ、さらにその応用問題が解答できる。電子回路の基礎となる電気回路の解析ができる。電子回路の基礎となる電気回路の解析ができない。
評価項目(イ)ダイオード及びトランジスタの動作原理及び静特性が理解でき、定性的に説明することができる。トランジスタの静特性が理解できる。トランジスタの静特性が理解できない。
評価項目(ウ)トランジスタを用いた各種接地増幅回路の解析ができ、設計できる。トランジスタを用いた各種接地増幅回路の解析ができる。トランジスタを用いた各種接地増幅回路の解析ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 電気・電子回路の基礎的内容である交流の定常現象について,物理的概念を理解し,電圧・電流値等を導出できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
今日では、大規模集積回路LSIが電子回路の主役であるが、回路設計においてはブラックボックスでなく、内部を理解することが重要となる。そこでこの講義では、集積回路における電子回路の基礎となる、トランジスタ等の個別素子を用いたアナログ電子回路について学ぶ。特に電子回路Aではトランジスタを用いた増幅器の基礎について学ぶ。電気電子工学実験IIとの連携を密にしながら進める。
授業の進め方・方法:
主にパワーポイントを用いて授業を進める。スライドのプリントを配付するので、そこに書き込む形式の講義とする。
注意点:
(自学自習内容)継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。
(※1)教科書各章の章末問題を解いておくこと。
(※2)課題の復習を行うこと。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修1

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子回路で使用する電気回路の復習(復習:キルヒホッフの法則、テブナンの定理) 電圧源、電流源、キルヒホッフの法則、重ねの理、テブナンの定理を理解する。
2週 ダイオードの原理と整流特性(予習:真性、P型、N型各半導体、復習:各半導体、PN接合) ダイオードの原理と整流特性を理解する。
3週 バイポーラトランジスタの動作原理と静特性(予習:PNP、NPN、トランジスタ作用、復習:トランジスタの動作原理と特性) バイポーラトランジスタの動作原理と静特性を理解する。
4週 FETの動作原理と静特性(予習:接合形FET、MOSFET エンハンスメント形、ディプリーション形、復習:MOSFETの動作原理と特性) FETの動作原理と静特性を理解する。
5週 バイアスと信号増幅(復習:ダイオード、バイポーラトランジスタの交流特性とT型等価回路) ダイオード、バイポーラトランジスタの交流特性と等価回路を理解する。
6週 バイアスと信号増幅(復習:hパラメータと小信号等価回路) バイポーラトランジスタのhパラメータと小信号等価回路を理解する。
7週 バイアスと信号増幅(復習:FETの交流特性と等価回路) FETの交流特性と等価回路を理解する。
8週 トランジスタ基本増幅回路(エミッタ接地)(復習:バイポーラトランジスタエミッタ接地小信号増幅回路) エミッタ接地の小信号増幅回路を理解する。
2ndQ
9週 トランジスタ基本増幅回路(エミッタ接地)(復習:エミッタ接地増幅回路の入出力インピーダンス、バイアス回路) エミッタ接地の入出力インピーダンス、バイアスの設定を理解する。
10週 トランジスタ基本増幅回路(復習:FET増幅回路の原理(ソース接地、ドレイン接地、ゲート接地)) FET増幅回路の各接地基本回路を理解する。
11週 トランジスタ増幅回路の周波数特性(復習:利得の対数表現、バイポーラトランジスタ増幅回路の周波数特性) 利得の対数表現、バイポーラトランジスタの周波数特性を理解する。
12週 エミッタ接地増幅回路の周波数特性の解析(復習:エミッタ接地増幅回路の低周波、高周波特性の解析) エミッタ増幅回路の周波数特性(利得)を理解する。
13週 エミッタ接地増幅回路の周波数特性の解析(復習:回路内のコンデンサの影響) エミッタ増幅回路のコンデンサの影響を理解する。
14週 FETの小信号等価回路(復習:ソース接地、ドレイン接地、FET増幅回路の原理) FETの小信号等価回路の解析ができる。
15週 前期の総まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4
FETの特徴と等価回路を説明できる。4
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4
電子工学エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4

評価割合

中間試験定期試験合計
総合評価割合4060100
専門的能力4060100