回路理論

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 回路理論
科目番号 74242 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「応用電気回路ノート」小関修、光本真一、伊藤和晃、室谷英彰(電気書院)ISBN978-4-485-30113-5、「基礎電気回路ノートⅢ」小関修、光本真一(電気書院) ISBN978-4-485-30232-3(交流回路で使用)
担当教員 光本 真一

到達目標

(ア)対称三相交流の電圧、電流、電力、位相の関係を説明できる。
(イ)電源側、負荷側の結線のY-Δ、Δ―Y変換および回路計算ができる。
(ウ)コンデンサやコイルにおける電流と電荷、電圧との関係を、定性的に説明できる。
(エ)簡単な電気回路の回路方程式(微分方程式)を立式できる。
(オ)簡単な電気回路の初期値、および、定常値を、回路方程式を解くことなく推定できる。
(カ)簡単な電気回路の過渡現象を示す電圧・電流関数の妥当性を吟味できる。
(キ)簡単な微分方程式(定数係数二階微分方程式)を解くことができる。
(ク)定義に従って、基本的な関数のラプラス変換を計算することができる。
(ケ)基本的な回路例について、ラプラス変換を用いた過渡現象解析を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)対称三相交流の電圧、電流、電力、位相の関係を説明できる。 さらに、電源側、負荷側の結線のY-Δ、Δ―Y変換および回路計算ができる対称三相交流の電圧、電流、電力、位相の関係を説明できる。対称三相交流の電圧、電流、電力、位相の関係を説明できない。
評価項目(イ)RLCを用いた回路例について,微分方程式を用いた過渡現象解析を行うことができる。RLあるいはLRを用いた回路例について,微分方程式を用いた過渡現象解析を行うことが理解できる。RLあるいはLRを用いた回路例について,微分方程式を用いた過渡現象解析を行うことが理解できない。
評価項目(ウ)RLCを用いた回路例について,ラプラス変換を用いた過渡現象解析を行うことができる。RLあるいはLRを用いた回路例について,ラプラス変換を用いた過渡現象解析を理解できる。基本的な回路例について,ラプラス変換を用いた過渡現象解析を行うことが理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 電気・電子回路の基礎的内容である交流の定常現象について,物理的概念を理解し,電圧・電流値等を導出できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
電気回路は,電気・電子工学の基幹科目の一つである。本講義では、三相交流回路、微分方程式を用いた過渡現象解析、ラプラス変換を用いた過渡現象解析について扱う。
授業の進め方・方法:
前半は、電力発生、輸送、配電および応用で活用される三相交流回路の基礎を学ぶ。後半は、「交流回路」で学んだ定常状態の電気回路解析から一旦離れ、時間の関数としての回路に生ずる現象として、基本的な過渡現象を学ぶ。コンデンサ、コイルという回路素子における物理現象を定性的にも説明でき、ラプラス変換を用いた簡単な回路の定量解析もできることを目標に講義を進める。
注意点:
交流回路、電気電子工学演習Iを修得していることを前提として授業を進める。(自学自習内容)授業内容に該当する項目について予め調べてくること。特に予習が必要な項目は授業内容に記載してある。また,授業内容に関連する課題を毎回提出すること。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修1

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 対称三相交流電圧・電流・インピーダンスのY-Δ変換 (予習:Y-Δ変換) 対称三相交流電圧・電流・インピーダンスのY-Δ変換について計算ができる。
2週 対称三相Y接続、Δ接続交流回路、対称三相交流の電力 (予習:交流電力) 対称三相Y接続、Δ接続交流回路、対称三相交流の電力について計算ができる。
3週 過渡現象とは? キャパシタとコイルの物理的性質、微分方程式のたて方(予習:微分方程式) キャパシタとコイルの物理的性質、微分方程式のたて方を説明できる。
4週 直流RC回路における過渡現象(1)、充電電流と電荷の関係 (予習:RC交流回路) 直流RC回路における過渡現象を説明できる。
5週 直流RC回路における過渡現象(2)、テブナンの定理(予習:テブナンの定理) テブナンの定理を用いて回路変形できる。
6週 直流LC回路における過渡現象、振動の発生理由、共振周波数の求め方 (予習:LC交流回路) 直流LC回路における過渡現象、振動の発生理由、共振周波数の求め方を説明できる。
7週 交流RC回路、RL回路における過渡現象 (予習:RL交流回路) 交流RC回路、RL回路における過渡現象を説明できる。
8週 直流LCR回路における過渡現象(1)、振動しない場合 (予習:LCR交流回路) 制動条件下の直流LCR回路の計算ができる。
4thQ
9週 直流LCR回路における過渡現象(2)、振動する場合(予習:LCR交流回路の微分方程式) 振動条件の直流LCR回路の計算ができる。
10週 ラプラス変換の考え方・方法(1) (予習:ラプラス変換) ラプラス変換の考え方・方法を説明できる。
11週 ラプラス変換の考え方・方法(2) CR直列回路の解析を例に(予習:ステップ電圧のラプラス変換) ラプラス変換の考え方・方法をCR直列回路の解析に適用できる。
12週 ラプラス変換による過渡現象の解析(1)(予習:サイン波形のラプラス変換) ラプラス変換による過渡現象の解析を説明できる。
13週 ラプラス変換による過渡現象の解析(2)(予習:コサイン波形のラプラス変換) ラプラス変換を用いて過渡現象の計算ができる。
14週 ラプラス変換による過渡現象の解析(3)(予習:微分方程式からS関数への変換) ラプラス変換を用いて過渡現象の計算ができる。
15週 総合演習(予習:微分方程式からS関数への変換) 上記到達目標を達成できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合501040100
専門的能力501040100