電気電子工学実験ⅡB

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子工学実験ⅡB
科目番号 74249 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 オリジナルテキスト/プリント
担当教員 犬塚 勝美,熊谷 勇喜

到達目標

(ア)電気・電子システム工学の理論で表現しようとする現象をよく観察・体験している。 (c)(d)
(イ)講義中に学んだ電気・電子システム工学の理論に関する知識に基づいて実験結果を理解し、説明できる。 (c)(d)
(ウ)電子回路の設計・製作や、電子回路の諸特性測定のために必要な実践的知識とスキルを習得する。 (c)(d)
(エ)決められた制約の中で与えられた目標に対して必要となる機能を創造し、それらを実現するものを設計・開発できる。 (d)(e)
(オ)チーム内で協力し、問題を解決し目標を達成することができる。 (d)(e)(i)
(カ)安全に配慮した実験方法の知識を習得し、実際に安全に実験を実施できる。 (d)
(キ)実験データを理論と関連付けて比較・科学的に分析し、グラフなど適切な表現方法により視覚的に表すことができる。 (d)(f)
(ク)実施した実験の要旨、目的、方法、結果、考察などを理論的かつ明快な文章を記述し、期日までに報告できる。 (d)(f)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目(ア)講義中に学んだ電気・電子システム工学の理論に関する知識に基づいて実験結果を理解し、説明できる。講義中に学んだ電気・電子システム工学の理論に関する知識に基づいて実験結果を理解する。講義中に学んだ電気・電子システム工学の理論に関する知識に基づいて実験結果を理解できない。
評価項目(イ)電子回路の設計・製作や、電子回路の諸特性測定のために必要な実践的知識とスキルを習得する。電子回路の設計・製作や、電子回路の諸特性測定のために必要な基礎知識を習得する。電子回路の設計・製作や、電子回路の諸特性測定のために必要な基礎知識を習得できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-5 電気・電子システム工学の基礎知識・技術が,ものづくりの現場や実験実習の中でどのように生かされているかを認識し,理論学習の出発点としている.
学習・教育到達度目標 A-6 電気・電子回路の設計および実験実習を通してものづくりに必要な実践的知識とスキルを身に付けるとともに,安全意識を身につけている.
学習・教育到達度目標 C-5 複数の解決案を比較検討する等により,解決策を選択できる.
学習・教育到達度目標 D-1 実験・研究内容を整った章立てに従い,分りやすい日本語で記述できる.
学習・教育到達度目標 D-2 研究内容を聴衆に合わせて分かりやすい日本語で発表できる.
学習・教育到達度目標 D-3 他者の発表内容を理解し,的確に質問できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
JABEE e 種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE f 論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
JABEE i チームで仕事をするための能力
本校教育目標 ② 基礎学力
本校教育目標 ③ 問題解決能力
本校教育目標 ④ コミュニケーション能力

教育方法等

概要:
電子回路、電気機器に関するテーマについて実験を行い,レポートにて結果と考察を報告する。実験項目は電子回路の分野における主要項目を一斉実験5テーマで行い、主としてバイポーラトランジスタを用いたアナログ増幅回路製作の実験であり、電子回路A、Bで学習する内容と連携する。他のローテーション実験では、電子回路、直流電動機や変圧器などの電気機器に関する内容である。
授業の進め方・方法:
基本的に学生自ら問題提議と解決を目標とし、教員は補助的な立場とする。
注意点:
1年生の時に作製したディジタルマルチメータを必要に応じて持参すること。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 一斉実験テーマ AB級プッシュプル増幅回路を基板上に構築することができる。
2週 一斉実験テーマ AB級プッシュプル増幅回路の増幅率を測定し、結果に対して考察することができる。
3週 一斉実験テーマ AB級プッシュプル増幅回路の周波数特性を測定し、結果に対して考察することができる。
4週 ローテーション実験ガイダンスおよびレポート作成演習 レポートの作成方法について確認し,卒業論文作成に繋げるための,報告要旨の演習を行う
5週 ローテーション実験テーマ1 ラッチ、フリップフロップを用いた論理回路について実験を行い、結果と考察を報告できる。
6週 ローテーション実験テーマ2 スペクトラムアナライザを用いて回路特性測定の実験を行い、結果と考察を報告できる。
7週 ローテーション実験テーマ3 ディジタルメモリによる過渡現象の観測について実験を行い、結果と考察を報告できる。
8週 ローテーション実験テーマ4 トランジスタの温度特性と安定化回路について実験を行い、結果と考察を報告できる。
4thQ
9週 ローテーション実験テーマ5 高電圧による絶縁破壊において、破壊電圧の電極形状の影響について実験を行い、結果と考察を報告できる。
10週 ローテーション実験テーマ6 単相変圧器の特性測定の実験を行い、結果と考察を報告できる。
11週 ローテーション実験テーマ7 直流分巻電動機の特性測定の実験を行い、結果と考察を報告できる。
12週 ローテーション実験テーマ8 三相誘導電動機の特性測定の実験を行い、結果と考察を報告できる。
13週 ローテーション実験テーマ9 光通信について実験を行い、結果と考察を報告できる。
14週 ローテーション実験テーマ10 差動増幅回路を構築して実験を行い、結果と考察を報告できる。
15週 工場見学 これまでに学習した内容と関連させ工場や施設見学を行うことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4
共振について、実験結果を考察できる。4
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
ディジタルICの使用方法を習得する。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
専門的能力100100