到達目標
(ア)正弦波交流の諸量(周期,位相,実効値など)や交流電力を計算できる。 (d), (g)
(イ)単エネルギー回路や複エネルギー回路の過渡現象が計算できる。また,共振回路の諸量を計算できる。 (d), (g)
(ウ)回路のインピーダンス・アドミタンスと,それらを利用した回路計算(位相条件,電力最大条件ほか)ができる。 (d), (g)
(エ)誘導電圧の方向・極性について理解でき,相互誘導回路の解析ができる。ブリッジの平衡条件が計算できる。 (d), (g)
(オ)フェーザ軌跡の作図とそれを利用した回路解析(電力最大ほか)ができる。また,簡単なRC,RLフィルターの伝達特性が計算できる。(d), (g)
(カ)エミッタ接地増幅回路や差動増幅回路の特性(増幅率やCMRRなど)が計算できる。 (d), (g)
(キ)OPアンプを用いた積分,微分回路などの特性が計算できる。 (d),(g)
(ク)電荷に働く力や電界の大きさ,電位を計算できる。また,コンデンサの静電容量やエネルギーを計算できる。 (d),(g)
(ケ)アンペアの周回積分の法則やビオ・サバールの法則に関する基本的な問題を解くことができる。また,磁界が電流に及ぼす作用や電磁誘導について計算できる。 (d),(g)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目(ア) | LCR回路に関する基礎的な法則を説明でき,応用問題を解くことが出来る。 | LCR回路に関する基礎的な法則を説明でき,演習問題を解くことが出来る。 | LCR回路に関する基礎的な法則を説明できず,演習問題を解くことが出来ない。 |
評価項目(イ) | エミッタ接地増幅回路や差動増幅回路の特性,OPアンプを用いた積分,微分回路などの特性が計算でき,複合的な演習問題を解くことが出来る。 | エミッタ接地増幅回路や差動増幅回路の特性,OPアンプを用いた積分,微分回路などの特性が計算できる。 | エミッタ接地増幅回路や差動増幅回路の特性,OPアンプを用いた積分,微分回路などの特性が計算できない。 |
評価項目(ウ) | 電荷に働く力や電界の大きさ,電位,コンデンサの静電容量やエネルギー,アンペアの周回積分の法則やビオ・サバールの法則に関する基本的な問題,磁界が電流に及ぼす作用や電磁誘導についての応用問題を計算できる。 | 電荷に働く力や電界の大きさ,電位,コンデンサの静電容量やエネルギー,アンペアの周回積分の法則やビオ・サバールの法則に関する基本的な問題,磁界が電流に及ぼす作用や電磁誘導について計算できる。 | 電荷に働く力や電界の大きさ,電位,コンデンサの静電容量やエネルギー,アンペアの周回積分の法則やビオ・サバールの法則に関する基本的な問題,磁界が電流に及ぼす作用や電磁誘導について計算できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 B-3 電気・電子回路の基礎的内容である交流の定常現象について,物理的概念を理解し,電圧・電流値等を導出できる.
学習・教育到達度目標 B-4 電気磁気学の基礎的内容である静電界,静磁界の事象を理解し,それらに関する必要な諸量を,理論に基づいて計算できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
JABEE g 自主的、継続的に学習する能力
本校教育目標 ② 基礎学力
教育方法等
概要:
本学科で学んだ電気回路(直流回路,交流回路,過渡現象),電子回路および電磁気学のうち,特に重要で基本的な手法を復習し,確実な修得を目指す。
授業の進め方・方法:
電気回路においては,インピーダンス,アドミタンス,交流電力,相互誘導,フェーザ軌跡,単エネルギー回路や複エネルギー回路の過渡現象などを取り上げる。電子回路においては,エミッタ接地増幅器,差動増幅器およびOPアンプの回路解析を取り上げる。電磁気学においては,電界および磁界における各種法則(クーロンの法則,ガウスの法則,アンペアの周回積分の法則,ビオ・サバールの法則,電磁誘導の法則など)について取り上げる。
注意点:
関数電卓を毎授業持参すること。事前の予告なしに小テストを実施するので,日頃から予習・復習に努めること。 (g)
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
正弦波交流の波形:正弦波交流の周期,位相および各種交流電圧の実効値 |
正弦波交流の周期,位相および各種交流電圧の実効値が導出できる。
|
2週 |
過渡現象:単エネルギー回路や複エネルギー回路での過渡現象の計算 |
単エネルギー回路や複エネルギー回路での過渡現象の計算ができる。
|
3週 |
インピーダンス・アドミタンス:各種LCR回路のインピーダンス・アドミタンスの計算とその応用 |
各種LCR回路のインピーダンス・アドミタンスを計算し,その知見を複合問題に応用が出来る。
|
4週 |
共振条件:LCR回路の共振の定義と共振条件の計算 |
LCR回路の共振の定義が説明でき,共振条件の計算が出来る。
|
5週 |
交流電力:有効電力,無効電力,皮相電力,複素電力,力率改善の定義と電力計算および電力最大の条件 |
有効電力,無効電力,皮相電力,複素電力,力率改善の定義と電力計算および電力最大の条件を導出できる。
|
6週 |
相互誘導回路,ブリッジ回路:誘導電圧および等価回路を用いた回路計算,相互誘導を含むブリッジ回路の平衡条件 |
誘導電圧および等価回路を用いた回路計算,相互誘導を含むブリッジ回路の平衡条件を導出できる。
|
7週 |
方程式あるいは図形によるフェーザ軌跡の求め方と回路解析への応用,RC,RLフィルターの伝達特性 |
方程式あるいは図形によるフェーザ軌跡の求め方と回路解析への応用,RC,RLフィルターの伝達特性の計算ができる。
|
8週 |
エミッタ接地増幅回路:等価回路による表し方と,その特性の求め方 |
エミッタ接地増幅回路について,等価回路による表し方と,その特性の求め方について説明できる。
|
2ndQ |
9週 |
差動増幅回路:等価回路による表し方と,その特性の求め方 |
差動増幅回路について,等価回路による表し方と,その特性の求め方が説明できる。
|
10週 |
OPアンプ:OPアンプを用いた基本演算回路 |
OPアンプを用いた基本演算回路が計算できる。
|
11週 |
電荷に働く力,電界と電位 |
電荷に働く力,電界と電位が導出できる。
|
12週 |
分布状電荷の作る電界,コンデンサ,誘電体中の電界のエネルギー |
分布状電荷の作る電界,コンデンサ,誘電体中の電界のエネルギーを導出できる。
|
13週 |
アンペアの周回積分の法則 |
アンペアの周回積分の法則を用いて磁界分布を導出できる。
|
14週 |
ビオ・サバールの法則 |
ビオ・サバールの法則を用いて磁界分布を導出できる。
|
15週 |
電磁力と電磁誘導の法則 |
電磁力と電磁誘導の法則に関連する練習問題を導出できる。
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 4 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 4 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 4 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 4 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 4 | |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 4 | |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 4 | |
理想変成器を説明できる。 | 4 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 4 | |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 4 | |
電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 4 | |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 4 | |
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。 | 4 | |
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 4 | |
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 4 | |
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 4 | |
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。 | 4 | |
静電エネルギーを説明できる。 | 4 | |
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。 | 4 | |
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。 | 4 | |
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。 | 4 | |
磁界中の電流に作用する力を説明できる。 | 4 | |
ローレンツ力を説明できる。 | 4 | |
磁気エネルギーを説明できる。 | 4 | |
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。 | 4 | |
自己誘導と相互誘導を説明できる。 | 4 | |
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。 | 4 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 4 | |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 4 | |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 4 | |
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 4 | |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。 | 4 | |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 4 | |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。 | 4 | |
発振回路の特性、動作原理を説明できる。 | 4 | |
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 定期試験 | 小テスト | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 40 | 10 | 100 |
専門的能力 | 50 | 40 | 10 | 100 |