システム制御工学A

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 システム制御工学A
科目番号 75144 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「自動制御理論(新装版)」樋口龍雄著(森北出版)ISBN978-4-627-72642-0/配付プリント
担当教員 熊谷 勇喜

到達目標

(ア)システムに関する事項(意味,表現方法,制御的性質)を理解する。 (d)
(イ)フィードバック制御系の表現方法(ブロック線図)や簡単化の方法を理解する。(d)
(ウ)制御に必要なたたみ込み積分,ラプラス変換の制御工学的に重要な部分を理解する。(d)
(エ)システムの記述方法やその特性の表現方法を理解する。(d)
(オ)基本伝達要素の型,特性(ステップ応答,周波数応答),表現方法(ボード線図)などが理解できる。(d)
(カ)フィードバック制御系の安定の考え方,判断方法,安定度合が理解できる。(d)
(キ)制御特性の考え方(ステップ応答による過渡特性,定常偏差による定常特性)が理解できる。(d)
(ク)制御系の設計仕様や設計方法が理解できる。(d)

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)システムに関する事項を理解でき,その応用問題を解くことができる。システムに関する事項を理解できる。システムに関する事項を理解できない。
評価項目(イ)フィードバック制御系の表現方法や簡単化の方法を理解でき,応用問題を解くことができる。フィードバック制御系の表現方法や簡単化の方法を理解できる。フィードバック制御系の表現方法や簡単化の方法を理解できない。
評価項目(ウ)制御に必要なたたみ込み積分,ラプラス変換の制御工学的に重要な部分を理解でき,応用問題を解くことができる。制御に必要なたたみ込み積分,ラプラス変換の制御工学的に重要な部分を理解できる。制御に必要なたたみ込み積分,ラプラス変換の制御工学的に重要な部分を理解できない。
評価項目(エ)システムの記述方法やその特性の表現方法を理解でき,その表現式を導出できる。システムの記述方法やその特性の表現方法を理解できる。システムの記述方法やその特性の表現方法を理解できない。
評価項目(オ)基本伝達要素の型,特性(ステップ応答,周波数応答),表現方法(ボード線図)などが理解でき,それらを作図できる。基本伝達要素の型,特性(ステップ応答,周波数応答),表現方法(ボード線図)などが理解できる。基本伝達要素の型,特性(ステップ応答,周波数応答),表現方法(ボード線図)などが理解できない。
評価項目(カ)フィードバック制御系の安定の考え方,判断方法,安定度合が理解でき,応用問題を解くことができる。フィードバック制御系の安定の考え方,判断方法,安定度合が理解できる。フィードバック制御系の安定の考え方,判断方法,安定度合が理解できない。
評価項目(キ)制御特性の考え方(ステップ応答による過渡特性,定常偏差による定常特性)が理解でき,応用問題を解くことができる。制御特性の考え方(ステップ応答による過渡特性,定常偏差による定常特性)が理解できる。制御特性の考え方(ステップ応答による過渡特性,定常偏差による定常特性)が理解できない。
評価項目(ク)制御系の設計仕様や設計方法が理解でき,自ら設計できる。制御系の設計仕様や設計方法が理解できる。制御系の設計仕様や設計方法が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 制御対象の特性を表現した数式や図を用いて,安定性を考慮した制御システムを設計できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
日本工業規格(JIS Z8116)では,制御を「ある目的に適合するように,対象となっているものに所要の操作を加えること」と定義している。身の回りにあるもので制御を考えてみると,エアコンや冷蔵庫では温度を制御し,掃除ロボットでは動きを制御する。あらゆる工学にとって制御は不可欠なものであり,制御工学の知識を修得することは,エンジニアとしての可能性を広げることにもつながる。本講義では,制御工学の中でも古典制御理論を取り上げ,伝達関数の役割から制御系の安定性解析,フィードバック制御系の設計について教授する。※実務との関係 この科目は企業でプロセス制御を担当していた教員が、その経験を活かし、制御系の特性、設計手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
注意点:
第四学年前期の「回路理論」を修得しておくことが望ましい。
(自学自習内容) 授業内容に関連する課題を提出すること。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修4

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論(システムと制御,システムの本質)(復習:制御の意味)
システムに関する事項(意味,表現方法,制御的性質)を理解する。 (d)
2週 フィードバック制御系(構成,ブロック線図,フィードバックの効果,性能)(復習:フィードバックの例示) フィードバック制御系の表現方法(ブロック線図)や簡単化の方法を理解する。(d)
3週 基礎数学(線形微分方程式,たたみ込み積分,ラプラス変換)(復習:ラプラス変換公式) 制御に必要なたたみ込み積分,ラプラス変換の制御工学的に重要な部分を理解する。(d)
4週 伝達関数(周波数伝達関数,伝達関数,周波数応答の表示)(復習:伝達関数の例題) システムの記述方法やその特性の表現方法を理解する。(d)
5週 基本伝達関数の特性(比例,微分,積分)(復習:ボード線図の描き方) 基本伝達要素の型,特性(ステップ応答,周波数応答),表現方法(ボード線図)などが理解できる。(d)
6週 基本伝達関数の特性(一次遅れ,一次進み,むだ時間)(復習:ボード線図の描き方) 基本伝達要素の型,特性(ステップ応答,周波数応答),表現方法(ボード線図)などが理解できる。(d)
7週 基本伝達関数の特性(二次遅れ)(復習:ボード線図の描き方) 基本伝達要素の型,特性(ステップ応答,周波数応答),表現方法(ボード線図)などが理解できる。(d)
8週 安定性(安定条件,ラウス・フルビッツ安定判別法)(復習:安定判別の計算方法) フィードバック制御系の安定の考え方,判断方法,安定度合が理解できる。(d)
2ndQ
9週 安定性(ナイキストの安定判別法,安定度)(復習:安定判別の定理の証明) フィードバック制御系の安定の考え方,判断方法,安定度合が理解できる。(d)
10週 安定性(ナイキストの安定判別法,安定度)(復習:安定判別の例題) フィードバック制御系の安定の考え方,判断方法,安定度合が理解できる。(d)
11週 速応性(時間特性と速応性)(復習:時間応答と周波数応答の関係) 制御特性の考え方(ステップ応答による過渡特性,定常偏差による定常特性)が理解できる。(d)
12週 定常特性(定常偏差)(復習:定常偏差の例題) 制御特性の考え方(ステップ応答による過渡特性,定常偏差による定常特性)が理解できる。(d)
13週 フィードバック制御系の設計(設計仕様,ゲイン調整)(復習:設計法の例題) 制御系の設計仕様や設計方法が理解できる。(d)
14週 フィードバック制御系の設計(直列補償,フィードバック補償,PID調節計)(復習:設計法の例題) 制御系の設計仕様や設計方法が理解できる。(d)
15週 前期の総まとめ(主に周波数整形法について復習)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合256015100
専門的能力256015100