ディジタル回路

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ディジタル回路
科目番号 75146 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「なっとくするディジタル電子回路」藤井信生著(講談社) ISBN4-06-154511-6/補足資料を配布する。
担当教員 泉 順

到達目標

(ア)アナログ-ディジタル変換について説明できる。
(イ)上記の基本論理ゲートがICチップ内でどのように実現されているか、また、実用上の注意点を説明できる。
(ウ)4変数以上の論理式の簡単化ができ、4変数以上の真理値表より論理回路を設計できる。
(エ)20ゲート程度の複雑な組合せ論理回路を仕様に基づいて設計できる。
(オ)基本のフリップフロップの動作を回路図、状態遷移図、タイムチャートを示して説明できる。
(カ)自動販売機制御回路や同期式カウンタなど、フリップ・フロップ4個ぶん程度の順序回路を設計できる。
(キ)状態遷移図、状態遷移表、タイムチャートを用いて、自動販売機やカウンタなどの順序回路の動作の説明ができる。
(ク)以上の知識より組合せ論理回路と順序回路を持ったシステムを仕様に基づいて設計でき、その動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目(ア)仕様にもとづいて4変数以上の論理式の簡単化ができ、20ゲート程度の複雑な組合せ論理回路を仕様に基づいて設計できる。真理値表から4変数の論理式の簡単化ができ、20ゲート程度の組合せ論理回路を仕様に基づいて設計できる。論理式の簡単化と組合せ論理回路の設計ができない。
評価項目(イ)仕様にもとづいて基本のフリップフロップの回路を導きだすことができ、状態遷移図やタイムチャートを用いて動作を説明できる。基本のフリップフロップの動作を回路図、状態遷移図、タイムチャートを用いて説明できる。基本のフリップフロップの動作を説明できない。状態遷移図やタイムチャートを使うことができない。
評価項目(ウ)仕様にもとづいてフリップ・フロップ4個ぶん程度の順序回路を設計し、タイムチャートなどを用いて、動作を説明できる。状態遷移図と表から、フリップ・フロップ2~3個ぶん程度の順序回路を設計し、タイムチャートなどを用いて、動作を説明できる。状態遷移図や表があっても順序回路を設計できない。状態遷移図やタイムチャートを使うことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-3 エレクトロニクスに関する知識,特にICを構成している電子素子の動作原理を理解し,それを応用した電子デバイスの利用技術や計測技術を身につけている.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
今日では、大規模集積回路LSIが電子回路の主役であるが、回路設計においてはブラックボックスでなく、内部を理解することが重要となる。そこで広く応用されているディジタルシステムを設計する際に必要となる、ディジタル回路について実際の回路に基づいて基礎から学び、組合せ論理回路と順序回路を持ったシステムをディジタルICにより実際に設計できることを目標とする。
授業の進め方・方法:
説明と演習、最後に課題または小テスト。
演習の時間内に指名することがあるので、いつ指名されてもよいように、出された演習問題を自力で確実に解くこと。
注意点:
マイクロコンピュータ工学Aの単位を修得していることが望ましい。_x000D_ (自主学習内容)継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。これを確認するために、小テストの実施または課題の提出を求める。枚数が多いので、採点後の答案は各自で責任を持って管理すること。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修5

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタルの特徴、アナログ-ディジタル変換(逐次比較方式、加算回路)(予習:OPアンプによる加算回路) 逐次比較方式のアナログ-ディジタル変換回路を理解し、具体的なビット数や抵抗値を求めることができる。
2週 基本論理回路の復習(基本論理回路と論理式、真理値表、加法標準形、乗法標準形) (予習:基本論理回路の動作と真理値表)  真理値表から論理式を導き出し、回路図を書くことができる。
3週 論理式の性質、論理式の簡単化
(予習:論理式の基本的な性質)
論理式の性質を用いて与えられた式を簡単化できる。
4週 カルノー図、クワイン‐マクラスキーの方法
(予習:カルノー図)
カルノー図やクワイン‐マクラスキーの方法を用いて与えられた式を簡単化できる。
5週 7セグメントデコーダの設計
(予習:2週から4週の内容の確認)
仕様にもとづいて20ゲート程度の回路を設計できる。
6週 ICを用いた組み合わせ回路の実現、布線表の書き方、ディジタル回路のスイッチング特性 (予習:基本論理ゲートのピン配置) 基本論理ゲートがICチップ内でどのように実現されているかを理解し、実用上の注意点を説明できる。
7週 RSフリップ・フロップ1(基本の回路、基本の動作、状態遷移表、状態遷移図、特性表、特性方程式、タイミングチャート、禁止入力) (予習:マスタースレーブRS-FF回路図) RSフリップ・フロップの動作を理解し、順序回路に慣れる。順序回路の動作を表す方法を理解する。
8週 RSフリップ・フロップ2(クロックの導入、禁止入力の改善(セット優先、リセット優先)、マスタースレーブRS-FF) (予習:マスタースレーブRS-FF回路図) 基本のRSフリップ・フロップがどのように改善されているのかを理解する。
2ndQ
9週 RSフリップ・フロップ3(エッジトリガ型RS-FF、ポジティブエッジ、ネガティブエッジ、シフトレジスタへの応用) (予習:エッジトリガ型RS-FF回路図) RSフリップ・フロップが最終的にどのように改善されたのかを理解し、どのように応用されているかを知る。
10週 JKフリップ・フロップ(状態遷移表、状態遷移図、特性表、タイミングチャートによる動作確認、分周回路への応用) (予習:JK-FF回路図) JKフリップ・フロップによってRSフリップフロップの欠点がどのように改善され、どのように動作するのかを理解する。
11週 同期式回路と非同期式回路、JK-フリップ・フロップを用いた4進カウンタの動作解析(状態遷移表、状態遷移図、状態遷移関数、出力方程式、入力方程式、タイミングチャート)、3進カウンタの設計と動作確認 (予習:カウンタの動作) JKフリップ・フロップを用いて、仕様にもとづいてカウンタ回路を設計でき、動作を説明できる。
12週 Dフリップ・フロップ(状態遷移表、状態遷移図、特性表、タイミングチャート) (予習:Dフリップ・フロップ回路図) Dフリップ・フロップの動作を理解し、説明できる。
13週 Dフリップ・フロップによる3進カウンタの設計と動作確認
(予習:Dフリップ・フロップ特性方程式)
Dフリップ・フロップを用いて、仕様にもとづいてカウンタ回路を設計できる。
14週 各種順序回路の設計1(より複雑なカウンタ回路)
(予習:各種カウンタの動作)
仕様にもとづいて各種順序回路を設計し、動作を説明できる。
15週 各種順序回路の設計2(自動販売機制御回路、各種信号検出回路、ストップウォッチ回路など) (予習:各種順序回路の動作) 仕様にもとづいて各種順序回路を設計し、動作を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合404020100
専門的能力404020100