コンピュータ工学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 コンピュータ工学
科目番号 75201 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気・電子システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 「電気・電子系教科書シリーズ 22 情報理論」 三木、吉川著 (コロナ社) ISBN4-339-01202-5
担当教員 泉 順

到達目標

(ア)自己情報量,エントロピー,相互情報量,平均相互情報量の意味が理解でき,計算ができる.
(イ)マルコフ情報源の意味が理解でき,Shannon線図を書くことができる.
(ウ)情報源符号化の意味が理解でき,情報源符号化定理を証明できる.
(エ)ハフマン符号を含む具体的な情報源符号化を行うことができる.
(オ)通信路符号化と通信路符号化定理の意味が理解できる.
(カ)簡単な離散的通信路について通信路容量の計算ができる.
(キ)巡回符号を含む具体的な通信路符号化を行うことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目(ア)自己情報量,エントロピー,相互情報量,平均相互情報量の意味が理解でき,計算ができる.自己情報量,エントロピー,相互情報量,平均相互情報量の計算ができる.自己情報量,エントロピー,相互情報量,平均相互情報量の計算ができない.
評価項目(イ)情報源符号化の意味を理解し,情報源符号化定理の証明と具体的な情報源符号化を行うことができる.具体的な情報源符号化を行うことができる.具体的な情報源符号化を行うことができない.
評価項目(ウ)通信路のモデルを理解し、離散的通信路の通信路容量の計算と具体的な通信路符号化ができる.離散的通信路の通信路容量の計算と具体的な通信路符号化ができる.離散的通信路の通信路容量の計算と具体的な通信路符号化ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
デジタル情報伝送システム(通信システム)の理論的な基礎となっている,Shannonによって確立された情報理論の基礎を理解することを目的とする.通信システムにおける情報の定量的な扱い方,情報の効率的表現方法・圧縮方式を習得し,雑音のある通信路における情報の伝送方式の考え方を理解できることを目標とする. 
授業の進め方・方法:
説明と演習、最後に課題または小テスト。
演習の時間内に指名することがあるので、いつ指名されてもよいように、出された演習問題を自力で確実に解くこと。
注意点:
関数電卓を持参すること。毎回の授業内容が確実に定着するように、ほぼ毎回小テストまたは課題の提出を義務付ける。提出物は次回までに採点して返却するので、各自で責任をもって管理し、いつでも参照できるように整理しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 情報理論とは、通信路のモデル、情報とは、情報量の定義と算出 情報量関数がなぜ対数関数で定義されているのかを理解し、具体的な情報量を求めることができる。
2週 情報源の定義、エントロピーの概念と性質、エントロピーの最大値、冗長度、シャノンの補助定理 エントロピーの意味と性質を理解し、シャノンの補助定理を用いてエントロピーの最大値を証明できる。
3週 マルコフ情報源のエントロピー マルコフ情報源を理解し、エントロピーを算出できる。
4週 情報源符号化1(符号の分類と種類、符号の木、平均符号長、符号の効率と冗長度) 情報源符号の種類、表し方を理解し、平均符号長と符号の効率を求めることができる。
5週 情報源符号化2(クラフトの不等式、平均符号長の限界) クラフトの不等式を証明できる。一位復号可能な符号の平均符号長には限界があることを理解する。
6週 情報源符号化3(シャノンの符号化法、ハフマンの符号化法) 基本的な情報源符号を生成できる。
7週 情報源符号化4(拡大情報源、情報源符号化定理) 情報源符号化定理を理解し、証明できる。
8週 データ圧縮(RL法、MH法、算術符号、スライド辞書法、動的辞書法) 実用的な情報源符号を生成できる。
4thQ
9週 雑音のある通信路において伝達される情報量、通信路容量、通信路符号化定理 通信路符号化定理を理解し、雑音のある通信路における通信路容量を求めることができる。
10週 通信路符号化1(パリティ検査符号、検査方程式、シンドローム、符号の効率) 最も基本的な通信路符号を作成し、受信符号を検査できる。また、符号の効率を求めることができる。
11週 通信路符号化2(検査行列、生成行列) 行列を用いて通信路符号の生成と検査を行うことができる。
12週 通信路符号化2(ハミング符号) ハミング符号を理解し、生成と検査を行うことができる。
13週 通信路符号化3(線形符号、ハミング距離、誤り訂正能力、限界距離復号法) 誤りを訂正するうえで重要なハミング距離を理解し、具体的な誤り訂正能力を求めることができる。
14週 通信路符号化4(巡回符号1) 符号を多項式で表したり、多項式のかけ算により符号を生成したりることができる。
15週 通信路符号化5(巡回符号2) 適切な生成多項式を用いて巡回符号を生成し、受信符号を検査することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合404020100
専門的能力404020100