社会科学特論Ⅱ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 社会科学特論Ⅱ
科目番号 05208 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 レジュメ・法令のコピーなどの資料を配布する。/『行政法Visual Materials』高橋滋 編著(有斐閣)ISBN 978-4641131712、『はじめての行政法 第3版補訂版』石川敏行ほか(有斐閣)ISBN 978-4641220553、『行政法〔第5版〕』櫻井敬子・橋本博之(弘文堂)ISBN 978-4335356605
担当教員 見崎 史拓

到達目標

(ア)法学全体における行政法の位置づけを理解し、電気事業法・都市計画法・建築基準法などが行政法に属することを理解する。
(イ)権力分立原理を踏まえ、国家権力行使の基本的な考え方となる「法律による行政の原理」を理解する。
(ウ)建築基準法・都市計画法の定めから、伝統的な行政法学の考え方(3段階構造モデル)を理解する。
(エ)電気事業法や建築基準法がその内容の一部を政省令に委任している意味を、「法律による行政の原理」を踏まえて理解する。
(オ)法命題(法律要件と法律効果の組合せ)という観点から、行政行為の意味を理解する。
(カ)行政行為の内容を建築基準法などから拾い出し、法律行為(契約など)と比較して、理解する。
(キ)個人情報保護のあり方を、関係データベースの考え方と関連させて、理解する。
(ク)国・公務員の賠償責任(たとえば河川の管理の瑕疵)について、民法の不法行為責任・製造物責任と関連させて、理解する。
(ケ)日本の裁判制度・違憲審査制の特質を理解し、訴訟要件(訴訟を提起するための前提条件)を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目(ア)法学全体における行政法の位置づけ、行政法に属する法律(都市計画法など)を理解している。法学全体における行政法の位置づけを理解している。法学全体における行政法の位置づけを理解していない。
評価項目(イ)権力分立原理を踏まえて、「法律による行政の原理」を理解している。国家権力行使の基本的な考え方となる「法律による行政の原理」を、表面的に理解している。「法律による行政の原理」が指し示す内容を知らない。
評価項目(ウ)建築基準法・都市計画法の定めから、行政法の考え方(3段階構造モデル)を理解している。行政法の考え方(3段階構造モデル)を、表面的に理解している。伝統的な行政法学の考え方(3段階構造モデル)を知らない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ①

教育方法等

概要:
 この科目では、行政法を中心に、工学と関連する法学の分野を扱っていく。電気事業法・都市計画法・建築基準法などの行政法を、専門科目として学修してきた学生もいるであろう。その学修のなかで、疑問に感じることがあろう。その疑問の多くは、法学特有の事情が理由であり、法学の観点から見れば理解しやすい。それを教えるのが、この科目の狙いである。
 この科目は、行政法というフィルターを通じて、これら個別行政法が「なぜそのように定められているのか?」などの疑問に答えていくことを目標としている。この目標を達成するため、行政法の授業の流れに従い、法学Ⅰおよび法学Ⅱの授業内容を再確認しつつ、毎回の授業内容と工学分野との関連性(各授業内容に関連する主な達成度目標を示す)を述べていく予定である。
授業の進め方と授業内容・方法:
授業内容を理解しているを確認するために、毎回、小テストを実施する。難易度の高い問題は、レポートとして出題する。
注意点:
授業内容の[No.??]は、上記『行政法Visual Materials』の該当箇所を示している。予習・復習のために、図書館で、その箇所に目を通しておくことが望ましい。

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
後期
1週 行政法序論―公法と私法の違い[No.1]、行政法と憲法・民法との関係 法学全体における行政法の位置づけを理解し、都市計画法などが行政法に属することを理解する。
2週 行政法の基本原理―法律による行政の原理[No.5]、3段階構造モデル(法律→行政行為→強制行為) 権力分立、国家権力行使の基本的な考え方となる「法律による行政の原理」を理解する。
3週 行政主体(国)―憲法の定める国会と内閣の関係、国の行政組織[No.6]、行政機関・行政庁[No.10] 誰が行政権を行使できるのかを説明するために、「行政庁」などの専門用語を理解する。
4週 行政主体(地方公共団体)―憲法・地方自治法の定める地方自治制度[No.7]、国と地方公共団体の関係[No.8] 地方自治に関するルールと国と地方公共団体の関係について理解する。
5週 行政立法―法規命令(政令・省令)[No.24]、行政規則(訓令・通達など)[No.25] 電気事業法や建築基準法がその内容の一部を政省令に委任している意味を理解する。
6週 行政計画―都市計画(用途地域制度など)、用途地域内の建築物の用途制限[No.26] 建築基準法・都市計画法の定めから、伝統的な行政法学の考え方を理解する。
7週 行政行為の定義―行政行為の定義[No.12]、行政行為の分類[No.13] 法命題(法律要件と法律効果の組合せ)という観点から、行政行為の意味を理解する。
8週 行政行為の効力―効力の内容(公定力、不可争力など)[No.14]、無効な行政行為、行政行為の取消し・撤回[No.15] 法命題(法律要件と法律効果の組合せ)という観点から、行政行為の意味を理解する。
9週 実効性の確保―代執行・強制徴収[No.28]、即時強制(破壊消防など)[No.29]、行政罰(行政刑罰・秩序罰など)[No.30] 行政法に定められたルールに従わない場合の制裁として、どのようなものがあるかを理解する。
10週 行政処分の手続き―行政手続法の制定経緯とその内容[No.19]、行政裁量[No.16] 行政法のルールを実際に読み解き、その事前手続きを理解する。
11週 行政の非権力的活動形式―行政指導[No.23]、行政契約(建築協定など)[No.27] 行政の非権力的活動形式(行政指導・行政契約)を窓口行政を事例に理解する。
12週 情報法―情報公開[No.32]、個人情報保護[No.33]、個人情報にかかわる近時の問題 個人情報保護のあり方を、関係データベースの考え方と関連させて、理解する。
13週 国家賠償―不法行為制度との関連[No.43]、公権力行使に基づく責任[No.44]、営造物の設置管理にかかる責任[No.45] 国・公務員の賠償責任(たとえば河川の管理の瑕疵)について理解する。
14週 行政訴訟―憲法の定める裁判制度、行政訴訟の種類[No.34]、行政訴訟(取消訴訟)の訴訟要件[No.38] 日本の裁判制度・違憲審査制の特質を理解し、訴訟を提起するための前提条件を理解する。
15週 総合問題―憲法・民法・行政法に関わる近時の問題を扱う 憲法・民法・行政法に関わる近時の問題を知る。
16週

評価割合

定期試験小テストレポート合計
総合評価割合651520100
基礎的能力651520100