回路理論Ⅰ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 回路理論Ⅰ
科目番号 32115 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 エッセンシャル電気回路(第2版) 工学のための基礎演習 安居院 猛 (共著) ISBN978-4-627-73562-0/教材用プリント(講義ノート)配布
担当教員 都築 啓太

到達目標

(ア)抵抗にかかる電圧、抵抗を流れる電流、抵抗での消費電力やジュール熱を求めることができる。合成抵抗を求めることができる。
(イ)オームの法則やキルヒホッフの法則を利用して直流回路の計算ができる。
(ウ)オームの法則を説明し、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。
(エ)閉路方程式や節点方程式を利用して問題を解くことができる。
(オ)重ね合わせの理を用いて問題を解くことができる。
(カ)電気回路に関する定理や考え方を利用して問題を解くことができる。
(キ)電源から取り出せる最大電力が計算できる。
(ク)導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)抵抗にかかる電圧、抵抗を流れる電流、抵抗での消費電力やジュール熱を求めることができる。合成抵抗を求めることができる。抵抗にかかる電圧、抵抗を流れる電流、抵抗での消費電力やジュール熱を求めることがほぼできる。合成抵抗を求めることがほぼできる。抵抗にかかる電圧、抵抗を流れる電流、抵抗での消費電力やジュール熱を求めることができない。合成抵抗を求めることができない。
評価項目(イ)オームの法則やキルヒホッフの法則を利用して直流回路の計算ができる。オームの法則やキルヒホッフの法則を利用して直流回路の計算がほぼできる。オームの法則やキルヒホッフの法則を利用して直流回路の計算ができない。
評価項目(ウ)閉路方程式や節点方程式、重ね合わせの理などを用いて電気回路に関する定理や考え方を利用し、問題を解くことができる。閉路方程式や節点方程式、重ね合わせの理などを用いて電気回路に関する定理や考え方を利用し、問題を解くことがほぼできる。閉路方程式や節点方程式、重ね合わせの理などを用いて電気回路に関する定理や考え方を利用し、問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
 高速なディジタル信号の伝送や情報通信に用いられる高周波の伝送線路の性質を理解したり、制御理論やディジタル信号処理について学ぶ上で、電気回路に関する知識は大切である。また、電気回路に出てくるグラフ(graph)の概念は、ネットワークやデータ構造を理解する上で役に立つ。本講義では、直流電源(直流電圧源や直流電流源)と抵抗を含んだ直流回路の各部の電圧や各部を流れる電流の大きさを求める手法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
 2年生の回路理論では直流回路における回路解析ができることを目的として電気回路要素の初歩から応用までを課題とともに理解しながら授業をすすめていく。配布プリント(講義ノートおよび課題)を利用して、主に自宅での自学・自習を行うことにより、じっくり時間をとって考える必要のある電気回路への取り組み時間の絶対量を増加させ、着実に計算力と回路解析力をつけていく。また,対面授業としては、各回の授業と達成目標を提示し、ポイント割り当て部分の要点などの解説や回路変形などのコツ・工学的なパラメータの扱い方指導などを行い、内容の定着を計る。
注意点:
 授業と試験には関数電卓を持参すること。中間試験・期末試験を受験する条件として各授業で課される課題をすべて提出していること。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「ガイダンス」:シラバスを用いた授業説明、電気回路とは (序章) 授業の方針や電気回路を学ぶ意義について理解し、説明できる。
2週 「電気回路とオームの法則」:オームの法則 、式・単位・量記号の種類と表記 オームの法則や単位・量記号の種類と表記の仕方について理解し、回路図や物理量の種類・方向・大きさを示すことができる。
3週 「ジュールの法則と電力・電力量」:ジュールの法則 ・電力と電力量 ・抵抗率 抵抗に流れる電流を導出して、電力・電気料金を算出できる。
4週 「直列・並列接続回路の合成抵抗と電圧降下」:電圧降下・合成抵抗・直列接続・並列接続、直列・並列接続における分圧則・分流則 分圧式、分流式を用いて電圧降下の導出ができ、電圧や電流を導出できる。
5週 「特殊な回路変換 」:・Y-Δ(スター・デルタ)変換 ・ブリッジ回路 直並列回路との知識とY-Δ用いて回路の変形をし、ブリッジ回路の抵抗・電圧・電流等が導出できる。回路の変形について理解する。
6週 「重ね合わせの理」:重ね合わせの理、テブナンの定理、ノートンの定理 重ね合わせの理やテブナンの定理を用いて問題を解くことができる。
7週 「回路シミュレータ」:理論計算とシミュレータによる確認 直並列回路の合成抵抗の導出、直並列回路に分圧・分流を適用し問題が解ける。ブリッジ回路などの特殊な回路についてシミュレータを使って回路を組み、解答を求められる。
8週 「直列回路の総まとめ」:直並列回路に関する応用問題 直並列回路に関する応用問題について種々の計算をもちいて解くことができる。
2ndQ
9週 「電力の整合」:機器の内部抵抗 、電力の最大値 、文字式での表記 微分と回路の最大供給電力について文字式で導出でき、種々の計算ができる。
10週 「キルヒホッフの法則の基礎」:電流則と電圧則 キルヒホッフの第1法則(電流則)と第2法則(電圧則)を適用して、単純な回路の電流や電圧の導出ができる。
11週 「キルヒホッフの法則の基礎」:電流則と電圧則 キルヒホッフの第1法則(電流則)と第2法則(電圧則)を適用して、単純な回路の電流や電圧の導出ができる。
12週 「キルヒホッフの法則の適用」:ループ解析、枝路電流法、閉路電流法、閉路方程式 閉路方程式や節点方程式を利用して問題を解くことができる。電源から取り出せる最大電力が計算できる。
13週 「キルヒホッフの法則の応用」:クラメールの公式、ミルマンの定理 閉路方程式や節点方程式を利用して問題を解くことができる。電源から取り出せる最大電力が計算できる。
14週 「テブナンの定理」:テブナンの定理、ノートンの定理 テブナンの定理を用いて問題を解くことができ、閉路電流法等によって検算ができる。
15週 「直流回路の総まとめ」 これまで学習した内容を用いて回路解析ができることを確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3前1,前2,前3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
ジュール熱や電力を求めることができる。3前3,前9
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

中間試験定期試験合計
総合評価割合4060100
基礎的能力4060100