電気磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気磁気学Ⅰ
科目番号 33215 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 石井良博「電気磁気学」コロナ社,ISBN:978-4-339-00725-1 /「エレクトロニクスのための 電磁気学例題演習 」松森徳衛(コロナ社)
担当教員 都築 啓太

到達目標

(ア)二つ以上の電荷に相互に働くクーロン力を計算でき,クーロン力の働く「場」として,電界の概念を理解する。
(イ)電界と電位の関係について理解し、導体内外を含めた様々な場合における電界および電位の計算ができる。
(ウ)導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。
(エ)コンデンサという導体系について理解し,その静電容量や蓄えられるエネルギーを計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1クーロンの法則を使って,二つ以上の電荷に相互に働くクーロン力に関する応用問題を解くことができる。クーロンの法則を使って,二つ以上の電荷に相互に働くクーロン力に関する基礎的な問題を解くことができる。クーロンの法則を使って,二つ以上の電荷に相互に働くクーロン力に関する基礎的な問題を解くことができない。
評価項目2電界と電位の関係について理解し、導体内外を含めた様々な場合における電界および電位の応用問題を解くことができる。電界と電位の関係について理解し、導体内外を含めた様々な場合における電界および電位の基礎的な問題を解くことができる。電界と電位の関係について理解し、導体内外を含めた様々な場合における電界および電位の基礎的な問題を解くことができない。
評価項目3コンデンサという導体系について理解し,その静電容量や蓄えられるエネルギーに関する応用問題を解くことができる。コンデンサという導体系について理解し,その静電容量や蓄えられるエネルギーに関する基礎的な問題を解くことができる。コンデンサという導体系について理解し,その静電容量や蓄えられるエネルギーに関する基礎的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
電気磁気学は、我々が直接あるいは間接的に接する電気に関する現象の根本法則を明らかにし、それを体系的に把握することを目的とする学問で、情報技術に携わる技術者・研究者にとって必須の知識と言える。本講義では、まず、電荷による電気力線のイメージをつかむため、電荷間に働く力の関係をクーロンの法則に基づき学習する。次に、電気力線が作用する場となる電界の定義、さらには電位の定義を学習し、電荷および電位と電界との関係を理解する。電荷と電界の関係付けを代表するガウスの定理について、各種形状の電荷分布から発生する電界の計算法を通して、基本的物理現象を学習する。加えて、静電容量および静電エネルギーを学習し、静電容量の電気回路学的要素についても学習する。
授業の進め方・方法:
 電気磁気学では電界と電位の理解とその周りのエネルギーの扱い方を理解することを目的として電磁気学要素の初歩から応用までを課題とともに理解しながら授業をすすめていく。配布プリント(講義ノートおよび課題)を利用して、主に自宅での自学・自習を行うことにより、じっくり時間をとって考える必要のある電磁気学への取り組み時間の絶対量を増加させ、着実に大学レベルの計算適用力をつけていく。また,対面授業としては、各回の授業と達成目標を提示し、ポイント割り当て部分の要点などの解説や回路変形などのコツ・工学的なパラメータの扱い方指導などを行い、内容の定着を計る。
注意点:
講義および試験の際には,関数電卓を持参すること。また,三角関数,ベクトル演算および微積分を復習しておくこと。中間試験・期末試験を受験する条件として各授業で課される課題をすべて提出していること。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバスを用いた授業説明 (シラバス説明),電荷の性質 電荷の性質について理解できる。
2週 電荷に働く力(クーロンの法則,複数の点電荷間におけるクーロン力の計算) クーロンの法則を理解し,複数の点電荷間におけるクーロン力を計算できる。
3週 点電荷による電界(電界の概念,複数の点電荷が作る電界の計算) 電界の概念について理解し,複数の点電荷が作る電界を計算できる。
4週 電気力線とガウスの定理 電気力線とガウスの定理について理解できる。
5週 ガウスの定理を用いた分布状電荷が作る電界の計算(導体と不導体,球状,円柱状,面状電荷) ガウスの定理を用いた分布状電荷が作る電界を計算できる。
6週 電位とエネルギー(電荷を動かす仕事,電位の計算) 電位とエネルギーについて理解できる。
7週 電位差と電界1(点電界および球状/円柱状に分布した電荷のまわりの電位) 点電界および球状/円柱状に分布した電荷のまわりの電位を計算できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 電位差と電界2(導体内外の電界の様子,同心球導体における電界と電位) 同心球導体における電界と電位を計算できる。
10週 静電容量の基礎(静電容量の定義,平行平板導体および同心球導体における静電容量の計算) 静電容量の定義,平行平板導体および同心球導体における静電容量を計算できる。
11週 コンデンサの接続と合成容量(直列接続,並列接続) コンデンサの接続と合成容量について理解できる。
12週 コンデンサに蓄えられるエネルギー、電界のエネルギー コンデンサに蓄えられるエネルギーについて理解できる。
13週 電極や誘電体に働く力 電極や誘電体に働く力を計算できる。
14週 静電容量の計算演習(同軸ケーブルおよび平行導線間における静電容量の計算) 同軸ケーブルおよび平行導線間における静電容量が計算できる。
15週 総まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4後1
電場・電位について説明できる。4後6,後7,後9
クーロンの法則が説明できる。4後1,後2
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4後2

評価割合

中間試験定期試験合計
総合評価割合4060100
専門的能力4060100