電子回路

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子回路
科目番号 34114 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「世界一わかりやすい電気・電子回路 これ1冊で完全マスター!」 薮 哲郎 ISBN-13: 978-4061565739/教材用プリント(講義ノート)配布 //参考図書「よくわかる電子回路の基礎」堀 桂太郎 ISBN-10: 4485300544 「なっとくする電子回路」藤井信生著((株)講談社)ISBN:9784061545045、「アナログ電子回路のキホンのキホン」木村誠聡著(秀和システム)ISBN:978-4-7980-2060-0
担当教員 都築 啓太

到達目標

(ア)半導体素子(受動素子、能動素子)の役割、電圧源と電流源、アースの意味を理解する。
(イ)ノートンの定理、信号源の等価回路などを使って回路を解析できるようにする。
(ウ)トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。
(エ)オペアンプの基本動作、電圧増幅度、入出力抵抗、理想特性について理解をする。
(オ)フィルタ回路の周波数特性、同相除去比について理解をする。
(カ)各回路の等価回路を理解して、増幅器を設計できる。
(キ)特殊な増幅器を、オペアンプを用いて設計できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)半導体素子(受動素子、能動素子)の役割、電圧源と電流源、アースの意味を理解し、ノートンの定理、信号源の等価回路などを使って回路を解析できる。半導体素子(受動素子、能動素子)の役割、電圧源と電流源、アースの意味を理解し、ノートンの定理、信号源の等価回路などを使って回路をほぼ解析できる。半導体素子(受動素子、能動素子)の役割、電圧源と電流源、アースの意味を理解できず、ノートンの定理、信号源の等価回路などを使って回路を解析できない。
評価項目(イ)オペアンプの基本動作、電圧増幅度、入出力抵抗、理想特性について理解しており、)特殊な増幅器を、オペアンプを用いて設計できる。 オペアンプの基本動作、電圧増幅度、入出力抵抗、理想特性についておおむね理解しており、特殊な増幅器を、オペアンプを用いてほぼ設計できる。オペアンプの基本動作、電圧増幅度、入出力抵抗、理想特性についておおむね理解できず、特殊な増幅器を、オペアンプを用いてほぼ設計できない。
評価項目(ウ)電子デバイスの役割と各回路の等価回路を理解して、素子を応用した回路の役割について理解をする。電子デバイスの役割と各回路の等価回路を理解して、素子を応用した回路の役割についてほぼ理解をする。電子デバイスの役割と各回路の等価回路を理解して、素子を応用した回路の役割について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A1 ハードウェアの基本動作を理論面から解析できるとともに,ソフトウェア的手法を利用してハードウェアを設計できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
直流回路、交流回路(2年)、信号解析、過渡現象論(3年)を基礎に行う授業である。電子回路の解析で必要となる基礎的な事項、テブナンの定理、ノートンの定理について学ぶ。まず主要な電子デバイスであるダイオード、トランジスタ、FETの役割と基本的な動作のしくみについて学ぶ。次に卒業研究や工業界などですぐ応用できるオペアンプ(演算増幅器)を使った反転増幅回路、非反転増幅回路、ボルテージフォロワー回路、差動増幅回路、加算回路、積分微分回路などが設計できるようにする。オペアンプの性能を表すパラメータの周波数特性などについても学ぶ。さらにオペアンプを用いた特殊な回路の動作原理と設計法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
 電子回路では電子のふるまいの理解とその周りの応用素子について定性的・定量的に理解することを目的として電子回路の構成要素の初歩から応用までを課題とともに理解しながら授業をすすめていく。配布プリント(講義ノートおよび課題)を利用して、主に自宅での自学・自習を行うことにより、じっくり時間をとって考える必要のある電子回路の諸問題への取り組み時間の絶対量を増加させ、着実に計算適用力をつけていく。また,対面授業としては、各回の授業と達成目標を提示し、ポイント割り当て部分の要点などの解説や回路変形などのコツ・工学的なパラメータの扱い方指導などを行い、内容の定着を計る。
注意点:
直流回路、交流回路(2年)、過渡現象論、信号解析(3年)を修得していることを前提に授業を進める。継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。また、授業内容について、決められた期日までの課題(レポート)提出を求める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「ガイダンス」:シラバスの説明,電子回路の基礎:電子回路とは、電圧源と電流源、アースの働き、電圧源と電流源 半導体素子(受動素子、能動素子)の役割、電圧源と電流源、アースの意味を理解する。
2週 「直流と交流」:直流と交流の表現方法、周期・最大値・実効値・周波数 および講義に関して自学・自習で復習し理解を深めること 直流と交流の表現方法、周期・最大値・実効値・周波数について理解できる。
3週 「電気の基礎」:インピーダンス、テブナンの定理、ノートンの定理および講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること ノートンの定理、信号源の等価回路などを使って回路を解析できる。
4週 「電子デバイス」:ダイオード、トランジスタ、FETおよび講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること 電子デバイスの役割と、素子を応用した回路の役割について理解し、計算できる。
5週 「電子デバイス」:ダイオード、トランジスタ、FETおよび講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること 電子デバイスの役割と、素子を応用した回路の役割について理解し、計算できる。
6週 「トランジスタ増幅回路」:接地方式、バイアス回路の種類、エミッタ接地回路および講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること トランジスタ増幅回路における接地方式、バイアス回路の種類、エミッタ接地回路について理解し、計算できる。
7週 「トランジスタ増幅回路」:接地方式、バイアス回路の種類、エミッタ接地回路および講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること トランジスタ増幅回路における接地方式、バイアス回路の種類、エミッタ接地回路について理解し、計算できる。
8週 「FET増幅回路」:FETの特徴、バイアス回路の種類、等価回路および講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること :FETの特徴、バイアス回路の種類、等価回路について理解し、計算できる。
2ndQ
9週 「各種の増幅回路」:差動増幅回路、フォロワ回路、複数接続回路および講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること トランジスタやFETを用いた種々の増幅回路について理解し、計算できる。
10週 「各種の増幅回路」:差動増幅回路、フォロワ回路、複数接続回路および講義に関して自学・自習で復習し理解を深めること トランジスタやFETを用いた種々の増幅回路について理解し、計算できる。
11週 「オペアンプの基礎」:オペアンプの電圧増幅度、反転回路・非反転回路および講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること オペアンプの基本動作、電圧増幅度、入出力抵抗、理想特性について理解し、計算できる。
12週 「オペアンプ応用回路」:フィルタ回路(HPF、LPF、BPF)および講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること フィルタ回路の周波数特性、同相除去比について理解し、特殊な増幅器を、オペアンプを用いて設計できる。
13週 「発振回路」:RC発信回路、LC発振回路および講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること 各回路の等価回路を理解して、増幅器を設計できる。
14週 「変調と復調」:変調方式、復調方式とそのメカニズムおよび講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること 変調と復調の仕組みについて理解し、説明できる。
15週 「電源回路」:半波整流、全波整流および講義内容に関して自学・自習で復習し理解を深めること 電源回路の仕組みや整流回路および、スイッチングの方式について理解し説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。4

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100