エンジニアリングデザインⅡ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 エンジニアリングデザインⅡ
科目番号 34118 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 特に指定しない(実験指針書を配布する)/「基礎からのサーブレット/JSP」宮本信二(ソフトバンククリエイティブ)ISBN:978-4797359282、「SQLの絵本」アンク(翔泳社)ISBN:978-4798106694、「入門Git」Travis Swicegood(オーム社)ISBN: 978-4274067679
担当教員 平野 学,村田 匡輝

到達目標

(ア) サーバシステム、TCP/IPネットワークの基本原理、 MVCモデルに基づいたウェブアプリケーションの動作原理を説明できる。
(イ) SQLを用いて基本的なテーブルの作成、データの問合わせを記述できる。
(ウ) 課題認識、グループでの発想と計画立案、設計、実装、評価の一連の開発プロセスを実践でき、チームの中で担当パートに関するリーダシップを発揮することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安
評価項目(ア)サーバシステム、TCP/IPネットワーク、MVCモデルに基づいたウェブアプリケーションの動作原理と応用事例を説明できる。サーバシステム、TCP/IPネットワーク、MVCモデルに基づいたウェブアプリケーションの動作原理を説明できる。サーバシステム、TCP/IPネットワーク、MVCモデルに基づいたウェブアプリケーションの動作原理を説明できない。
評価項目(イ)SQLを用いて応用的なテーブルの作成、データの問合わせを記述できる。SQLを用いて基本的なテーブルの作成、データの問合わせを記述できる。SQLを用いて基本的なテーブルの作成、データの問合わせを記述できない。
評価項目(ウ)難易度の高い課題に関して、課題認識、グループでの発想と計画立案、設計、実装、評価の一連の開発プロセスを実践でき、チームの中で担当パートに関するリーダシップを発揮することができる。課題認識、グループでの発想と計画立案、設計、実装、評価の一連の開発プロセスを実践でき、チームの中で担当パートに関するリーダシップを発揮することができる。課題認識、グループでの発想と計画立案、設計、実装、評価の一連の開発プロセスを実践でき、チームの中で担当パートに関するリーダシップを発揮することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B1 与えられた問題を分析・モデル化し,解決方法を立案し,その有効性をコンピュータや測定装置を使って確かめることができる.
学習・教育到達度目標 B2 実験・実習で培われる豊かな体験と基礎理論の深い理解との融合により,問題を的確に把握し,問題解決手法を自ら立案・推進できる.
学習・教育到達度目標 B3 社会の多様なニーズに応えるコンピュータシステムを設計・開発するためのデザイン能力を有する.
学習・教育到達度目標 B4 さまざまなデータ(数値・文字・画像・音声・知識など)に対し,コンピュータを用いて実際に解析・処理することができる.
JABEE c 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
JABEE e 種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE g 自主的、継続的に学習する能力
JABEE h 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
JABEE i チームで仕事をするための能力
本校教育目標 ② 基礎学力
本校教育目標 ③ 問題解決能力
本校教育目標 ④ コミュニケーション能力

教育方法等

概要:
情報工学科における工学実験の仕上げとして,学生個人もしくはグループで,それぞれが自由度の高いテーマに対して,システム開発の各工程(要求分析、仕様策定、実装、試験)の一連のプロセスを体験し,「ものづくり」の楽しさを体感しながら,卒業研究を遂行するにあたって必要な実力を身につけることを目的とする。この科目は企業でインターネットサービスを開発していた教員がその経験を生かし、サーバ構築とウェブアプリケーション開発について実験形式で行う授業である。
授業の進め方・方法:
注意点:
4年後学期までのすべての科目を履修していることを前提とした内容の実験を行う。「情報科学」教育プログラムの必修科目である。継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。授業内容について、決められた期日までの課題(レポート)提出を求める。実験テキストの内容を復習し、わからない用語や事柄については自学自習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 サーバシステム: シラバスの説明、プロジェクト実験の進め方。クライアントサーバ方式。サーバシステム特有のハードウェアとソフトウェア(オペレーティングシステム)。 シラバスの説明、プロジェクト実験の進め方を理解する。サーバシステム特有のハードウェアとソフトウェア(オペレーティングシステム)を理解する。
2週 TCP/IPネットワーク: 階層モデル、IPアドレスとポート番号、アプリケーションプロトコル。 階層モデル、IPアドレスとポート番号、アプリケーションプロトコルを理解する。
3週 ウェブアプリケーション(1): Javaで書かれたサーバアプリケーションの動作原理。 Javaで書かれたサーバアプリケーションの動作原理を理解する。
4週 ウェブアプリケーション(2): サーブレットプログラムの仕組み。HTMLの入力フォームとサーブレットの連携の仕組み。 サーブレットプログラムの仕組み、HTMLの入力フォームとサーブレットの連携の仕組みを理解する。
5週 ウェブアプリケーション(3): Model-View-Controller (MVC) モデル。そのためのJSPとJavaBeanの理解。 Model-View-Controller (MVC) モデルを理解する。
6週 ウェブアプリケーション(4): リレーショナルデータベースの仕組み。テーブルの構造(列、行、制約)。SQLの基本。 リレーショナルデータベースの仕組みを理解する。
7週 ウェブアプリケーション(5): ウェブアプリケーション(サーブレット、JSP、JavaBean)とデータベース管理システムの連携。 ウェブアプリケーション(サーブレット、JSP、JavaBean)とデータベース管理システムの連携を理解する。
8週 チーム開発、プロジェクト実習(1): バージョン管理システム Git を用いた共同開発。グループでの課題解決法の発想と計画立案。 バージョン管理システム Git を用いた共同開発を理解し、チーム開発ができる。グループでの課題解決法の発想と計画立案ができる。
2ndQ
9週 プロジェクト実習(2): グループ毎に、企画提案書、基本設計書(ウェブサイトの画面遷移図)、工程表を作成する。実行効率を考慮した設計をする。 企画提案書、基本設計書(ウェブサイトの画面遷移図)、工程表を作成できる。実行効率を考慮した設計ができる。
10週 プロジェクト実習(3): グループ毎に、基本設計に基づいた開発をおこなう。担当パートに関するリーダシップを発揮する。 基本設計に基づいた開発をおこなえる。実行効率を考慮した実装ができる。担当パートに関するリーダシップを発揮できる。
11週 プロジェクト実習(4): グループ毎に、基本設計に基づいた開発をおこなう。担当パートに関するリーダシップを発揮する。 基本設計に基づいた開発をおこなえる。実行効率を考慮した実装ができる。担当パートに関するリーダシップを発揮できる。
12週 プロジェクト実習(5): グループ毎に、基本設計に基づいた開発と試験をおこなう。担当パートに関するリーダシップを発揮する。 基本設計に基づいた開発と試験をおこなえる。実行効率を考慮した実装と試験ができる。担当パートに関するリーダシップを発揮できる。
13週 プロジェクト実習(6): グループ毎に、基本設計に基づいた開発と試験をおこなう。担当パートに関するリーダシップを発揮する。 基本設計に基づいた開発と試験をおこなえる。実行効率を考慮した実装と試験ができる。担当パートに関するリーダシップを発揮できる。
14週 プロジェクト実習(7): プレゼンテーション資料の作成、最終成果報告書の作成。 口頭発表のプレゼンテーション資料、最終成果報告書を作成できる。
15週 成果発表会(口頭でのプレゼンテーション)、総まとめ 口頭でのプレゼンテーションによる成果報告ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。4前9,後14,後15
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。4前9,後14,後15
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。4前10,前11,前12,前13,後14,後15
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。4前10,前11,前12,前13,後14,後15
情報通信ネットワーク主要なサーバの構築方法を説明できる。3後3,後4
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。3後3,後4
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。3後3,後4
その他の学習内容データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。4前6,後12
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。4前6,後12
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。4前3,前4,前5,後3,後4,後7
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。4前3,前4,前5,後3,後4,後7
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。4前9,後7,後8,後9,後10,後13,後14
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。4前8,前13,後14
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4前8,後14
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。4前10,前11,前12,前13,後14
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4前10,前11,前12,前13,後14
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている4前10,前11,前12,前13,後14
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,後14
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,後14
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。4前8,前9,前15,後14

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
専門的能力100100