到達目標
(ア)信号処理の数学的基礎であるフーリエ変換の解析解を導き、物理的な意味を説明できる。
(イ)各種変調方式(アナログ、ディジタル)の原理を説明できる。
(ウ)各種媒体(有線、無線)の特徴と伝送特性を説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 信号処理の数学的基礎であるフーリエ変換の解析解を導き、物理的な意味を詳細に説明できる。 | 信号処理の数学的基礎であるフーリエ変換の解析解を導き、物理的な意味を説明できる。 | 信号処理の数学的基礎であるフーリエ変換の解析解を導き、物理的な意味を説明できない。 |
評価項目2 | 各種変調方式(アナログ、ディジタル)の原理を詳細に説明できる。 | 各種変調方式(アナログ、ディジタル)の原理を説明できる。 | 各種変調方式(アナログ、ディジタル)の原理を説明できない。 |
評価項目3 | 各種媒体(有線、無線)の特徴と伝送特性を詳細に説明できる。 | 各種媒体(有線、無線)の特徴と伝送特性を説明できる。 | 各種媒体(有線、無線)の特徴と伝送特性を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 A3 コンピュータネットワークの動作を通信理論の観点から数理的に解析できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力
教育方法等
概要:
この講義では通信における信号処理を数式を用いて深く理解することを目的としている。前半では周波数解析の基本的手段であるフーリエ変換の公式を導き、その性質を明らかにする。後半では各種媒体(有線、無線)を用いた伝送路の特性を学び、その後にアナログ信号とディジタル信号のそれぞれについて、前半で学んだ周波数解析手法を用いて、振幅変調、周波数変調、位相変調、多値変調、ならびに多元接続の仕組みを理解する。この科目は民間企業でインターネットサービスを開発していた教員がその経験を生かし、通信工学について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
毎週プリントを配布し、そのプリントに公式、式変形、キーワード、グラフ等を記入していく形式で授業を進める。
注意点:
継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。また、授業内容について、決められた期日までの課題(レポート)提出を求める。適宜、関数電卓またはパソコン使用する。
選択必修の種別・旧カリ科目名
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
シラバスを用いた授業の説明、身のまわりの情報通信、ベースバンド伝送とブロードバンド伝送、通信工学における伝送量と電波受信強度 (自学自習内容)章末問題をレポートとして提出 |
身のまわりの情報通信の例を説明できる。ベースバンド伝送とブロードバンド伝送の違いを説明できる。通信工学における伝送量と電波受信強度を計算できる。
|
2週 |
情報源符号化(データ圧縮)と通信路符号化(信頼性の付与) (自学自習内容)章末問題をレポートとして提出 |
情報源符号化と通信路符号化の違いを説明できる。
|
3週 |
フーリエ変換(1): フーリエ級数展開からフーリエ変換とフーリエ逆変換の公式を導出する (自学自習内容)授業で導いた証明を復習 |
フーリエ級数展開からフーリエ変換とフーリエ逆変換の公式を導出できる。
|
4週 |
フーリエ変換(2): 代表的な信号のフーリエ変換、インパルス関数(ディラックのデルタ関数)、フーリエ変換の性質 (自学自習内容)フーリエ変換の性質の証明をレポートとして提出 |
代表的な信号のフーリエ変換、インパルス関数(ディラックのデルタ関数)、フーリエ変換の性質を説明できる。
|
5週 |
フーリエ変換(3): 線形時不変システムのインパルス応答から、畳込み積分によってシステムの出力を求める (自学自習内容)教科書の例題をレポートにまとめて提出 |
線形時不変システムのインパルス応答から、畳込み積分によってシステムの出力を求めることができる。
|
6週 |
フーリエ変換(4): 畳み込み積分とフーリエ変換の関係、線形時不変システムの伝達関数、周波数フィルタ (自学自習内容)中間試験の対策問題を解く |
畳み込み積分とフーリエ変換の関係、線形時不変システムの伝達関数、周波数フィルタを説明できる。
|
7週 |
中間試験 (自学自習内容)中間試験の復習 |
中間試験
|
8週 |
通信路: 有線(ペアケーブル、同軸ケーブル、光ファイバ)と無線の通信路、通信路容量 (自学自習内容)教科書の章末問題をレポートにまとめて提出 |
有線(ペアケーブル、同軸ケーブル、光ファイバ)と無線の通信路の特徴を説明でき、通信路容量を計算できる。
|
4thQ |
9週 |
アナログ変調(1): 変調の必要性、変調方式の違い、搬送波抑圧両側波帯変調(DSB-SC)と振幅変調(AM)、同期検波と包絡線検波 (自学自習内容)同期検波と搬送波抑圧両側波帯変調(DSB-SC)のレポートを提出 |
変調の必要性、変調方式の違い、搬送波抑圧両側波帯変調(DSB-SC)と振幅変調(AM)、同期検波と包絡線検波を説明できる。
|
10週 |
アナログ変調(2): 角度変調(周波数と位相)、周波数変調と位相変調の関係、周波数変調の解析、カーソンの法則 (自学自習内容)授業で説明した角度変調の解析を復習 |
角度変調(周波数と位相)、周波数変調と位相変調の関係、周波数変調の解析、カーソンの法則を説明できる。
|
11週 |
アナログ変調(3): パルス振幅変調(PAM)、パルス幅変調(PWM)、パルス符号変調(PCM)、サンプリング定理 (自学自習内容)標本化定理の証明をレポートとして提出 |
パルス振幅変調(PAM)、パルス幅変調(PWM)、パルス符号変調(PCM)、サンプリング定理を説明できる。
|
12週 |
ディジタル変調(1): 振幅シフトキーイング(ASK)、位相シフトキーイング(PSK)、差動位相シフトキーイング(DPSK)、周波数シフトキーイング(FSK) (自学自習内容)授業で説明したディジタル変調方式を復習 |
振幅シフトキーイング(ASK)、位相シフトキーイング(PSK)、差動位相シフトキーイング(DPSK)、周波数シフトキーイング(FSK)を説明できる。
|
13週 |
ディジタル変調(2): 多値振幅位相キーイング(M-ary ASK)、多値位相変調(M-ary PSK)、多値直交振幅変調(M-ary QAM) (自学自習内容)多値直交振幅変調(M-ary QAM)の同期検波の証明をレポートにまとめて提出 |
多値振幅位相キーイング(M-ary ASK)、多値位相変調(M-ary PSK)、多値直交振幅変調(M-ary QAM)を説明できる。
|
14週 |
多元接続方式: 周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、スペクトル拡散と符号分割多元接続(CDMA)、マルチパス伝播とフェージング、直交周波数分割多重(OFDM) (自学自習内容)授業で説明した多元接続方式を復習 |
周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、スペクトル拡散と符号分割多元接続(CDMA)、マルチパス伝播とフェージング、直交周波数分割多重(OFDM)を説明できる。
|
15週 |
定期試験対策の演習と総まとめ (自学自習内容)定期試験に向けた復習 |
定期試験対策の演習と総まとめ
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 中間試験 | 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 50 | 20 | 100 |
専門的能力 | 30 | 50 | 20 | 100 |