制御工学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 制御工学
科目番号 34216 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「基礎制御工学」松瀨貢規著(数理工学社),ISBN: 978-4-86481-000-5/必要な資料を配布
担当教員 安藤 浩哉

到達目標

(ア)フィードバックの概念を理解し、簡単な物理現象(力学や電気回路)を状態変数モデルとして導出できる。
(イ)ラプラス変換、逆変換を用いた伝達関数と時間応答の変換ができ、伝達関数とブロック線図の変換ができる。
(ウ)周波数伝達関数の概念の説明ができ、簡単なシステムのボード線図、ベクトル軌跡の作図ができる。
(エ)制御系の安定性を判別できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安 (優)標準的な到達レベルの目安 (可)未到達レベルの目安 (不可)
評価項目1ラプラス変換、逆変換を用いた伝達関数と時間応答の変換ができ、伝達関数とブロック線図の変換ができる。伝達関数とブロック線図の変換ができる。伝達関数とブロック線図の変換ができない。
評価項目2周波数伝達関数の概念の説明ができ、簡単なシステムのボード線図、ベクトル軌跡の作図ができる。周波数伝達関数の概念の説明ができる。周波数伝達関数の概念の説明ができない。
評価項目3複数の方法で制御系の安定性を判別できる。制御系の安定性を判別できる。制御系の安定性を判別することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A3 コンピュータネットワークの動作を通信理論の観点から数理的に解析できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
本講義で主として扱う「制御理論」は、多様なシステムに共通する構造的問題、制御・管理問題を取り扱う「制御工学」の問題を、数学的なモデルに基づいて解決する技術である。基本であるフィードバックの概念と、制御の対象とするシステムのモデル表現・構造の理解を目的として、伝達関数に基づく古典制御理論、および、状態方程式に基づく現代制御理論の基礎的な知識を習得する。
授業の進め方・方法:
伝達関数による制御系の表現、制御系の時間応答(過渡応答、定常応答)、正弦波入力の定常応答などの知識を得た後で、制御系の安定判別法などについて学ぶ。
注意点:
情報回路理論の単位を履修している、またラプラス変換(逆変換)法、線形代数など応用数学の基礎知識を習得していることが望ましい。継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。また、授業内容について、決められた期日までの課題(レポート)提出を求める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 制御の3要素、制御の目的、フィードバック制御系、伝達関数(予習:制御の3要素、制御の目的、伝達関数) 制御の3要素と制御の目的と伝達関数が説明でき、フィードバック制御系の構成を理解している。
2週 伝達関数による制御系の表現、インパルス応答と伝達関数、基本的要素の伝達関数、ブロック線図(予習:ブロック線図) インパルス応答、代表的な伝達関数、ブロック線図、ブロック線図の変換について説明できる。
3週 信号流れ線図、ブロック図と信号流れ線図の対応関係(予習:信号流れ線図) 信号流れ線図を理解しており、ブロック図と信号流れ線図の対応関係が説明できる。
4週 基本的要素のベクトル軌跡(ナイキスト線図)(予習:ベクトル軌跡) 基本的要素のベクトル軌跡(ナイキスト線図)を描くことができる。
5週 ゲイン-位相線図とボード線図(予習:ゲイン-位相線図、ボード線図) 基本的要素のゲイン-位相線図とボード線図を描くことができる。
6週 基本的要素のインパルス応答とインディシャル応答 基本的要素のインパルス応答とインディシャル応答を計算できる。
7週 制御系のタイプ、定常偏差(予習:定常偏差) 制御系のタイプと入力のタイプによって定常偏差が生まれることを理解している。
8週 中間試験
4thQ
9週 システム方程式による制御系の表現とブロック線図や信号流れ線図 システム方程式をブロック線図や信号流れ線図で表現ができる。
10週 状態方程式の解き方 状態方程式を解くことができる。
11週 畳込み積分、状態推移行列、状態推移行列を用いた状態方程式の解き方(予習:状態推移行列) 畳込み積分を理解しており、状態推移行列に関する計算ができる。
12週 閉ループ伝達関数、開ループ伝達関数、一巡伝達関数、ニコルズ線図(予習:ニコルズ線図) ニコルズ線図を使うことができる。
13週 ラウスの安定判別法(予習:ラウスの安定判別法) ラウスの方法で安定判別することができる。
14週 フルビッツの安定判別法(予習:フルビッツの安定判別法) フルビッツの方法で安定判別することができる。
15週 ナイキストの安定判別法とボード線図による安定判別とゲイン余有と位相余有(予習:ナイキストの安定判別法、ボード線図による安定判別、ゲイン余有、位相余有) ナイキストの安定判別法とボード線図による安定判別とゲイン余有と位相余有を理解している。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100