情報回路理論

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 情報回路理論
科目番号 35118 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 新インターユニバーシティー 電気回路Ⅱ 佐藤義久 編著 (オーム社)ISBN978-4-274-20903-1/プリント
担当教員 安藤 浩哉

到達目標

(ア)抵抗,コイル,コンデンサ,交流電源を含んだ回路のループ解析,節点解析ができる。
(イ)RL直列回路,RC直列回路,RLC直列回路,RLC回路網に関するシステム方程式をたて,それを解くことができる。
(ウ)二端子対網の行列(インピーダンス行列,アドミタンス行列,直並列行列,並直列行列,縦続行列)を求めることができる。
(エ)与えられた公称インピーダンス、遮断周波数の集中定数回路によるフィルタが設計できる。
(オ)伝送線路の特性インピーダンスの不連続点における反射係数や透過係数や伝送線路上の定在波比を求めることができる。
(カ)スミスチャートを用いてマッチング回路を設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1二端子対網の行列や,抵抗,コイル,コンデンサ,交流電源を含ん だ回路のループ解析と節点解析に関する説明と計算ができる。抵抗,コイル,コンデンサ,交流電源を含んだ回路のループ解析ま たは節点解析に関する説明と計算ができる。抵抗,コイル,コンデンサ,交流電源を含んだ回路のループ解析や 節点解析に関する説明や計算ができない。
評価項目2RL直列回路,RC直列回路,RLC直列回路,RLC回路網に関するシステム方程式をたて,それを解くことができる。RL直列回路,RC直列回路に関する システム方程式をたて,それを解 くことができる。RL直列回路,RC直列回路に関するシステム方程式をたて,それを解くことができない。
評価項目3伝送線路の特性インピーダンスの不連続点における反射係数や透過 係数や伝送線路上の定在波比を理解しており,スミスチャートを用いてマッチング回路を説明できる。伝送線路の特性インピーダンスの不連続点における反射係数や透過 係数や伝送線路上の定在波比を理解している。伝送線路の特性インピーダンスの不連続点における反射係数や透過 係数や伝送線路上の定在波比を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A3 コンピュータネットワークの動作を通信理論の観点から数理的に解析できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
高速なディジタル信号の伝送や情報通信に用いられる高周波の伝送線路の性質を理解したり、制御理論やディジタル信号処理について学ぶには、回路理論に関する知識は欠かすことができない。本講義では、状態変数、状態方程式、出力方程式を用いて回路の過渡現象を解く方法を学ぶ。また,各種フィルタと従来の集中定数形の回路とは異なる伝送線路(分布定数回路)について学ぶ。
授業の進め方・方法:
本講義では、RLC回路を題材にして、状態変数、状態方程式、出力方程式を導出して、過渡現象を解く方法を学ぶ。また,各種フィルタや伝送線路(分布定数回路)について学び,イミタンスチャートを用いて高周波信号を効率よく伝えたり,処理するために必要な知識や技能を身につける。
注意点:
直流回路,交流回路,信号解析,過渡現象論の講義内容は理解しているものとする。必ず授業と試験には関数電卓を持参すること。継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。また、授業内容について、決められた期日までの課題(レポート)提出を求める。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスを用いた授業説明、_x000D_抵抗、コイル、コンデンサ、交流電源を含んだ回路のループ解析と節点解析(予習:既習内容(ループ解析および節点解析)の確認) シラバスを用いた授業説明、_x000D_抵抗、コイル、コンデンサ、交流電源を含んだ回路のループ解析と節点解析に関する説明や計算ができる。
2週 抵抗、コイル、コンデンサ、交流電源を含んだ回路の供給電力と消費電力(予習:既習内容(交流回路の電力・力率)の確認) 抵抗、コイル、コンデンサ、交流電源を含んだ回路のループ解析と節点解析に関する説明や計算ができる。
3週 過渡現象のラプラス変換による解法,RL直列回路とRC直列回路に関する状態変数と状態方程式(予習:既習内容(ラプラス変換)の確認) 過渡現象のラプラス変換による解法,RL直列回路とRC直列回路に関する状態変数と状態方程式の説明や計算ができる
4週 RL直列回路とRC直列回路に関するシステム方程式(状態方程式,出力方程式)(予習:システム方程式) RL直列回路とRC直列回路に関するシステム方程式(状態方程式,出力方程式)の説明や計算ができる。
5週 RLC 直列回路に関する状態変数(状態ベクトル)とシステム方程式(予習:RLC 直列回路のシステム方程式) RLC 直列回路に関する状態変数(状態ベクトル)とシステム方程式(状態方程式、出力方程式)の説明や計算ができる。
6週 RLC 回路網に関する状態変数(状態ベクトル)とシステム方程式(予習:RLC 回路網のシステム方程式) RLC 回路網に関する状態変数(状態ベクトル)とシステム方程式(状態方程式、出力方程式)の説明や計算ができる
7週 二端子対網の行列とその接続形態(予習:インピーダンス行列,アドミタンス行列,直並列行列,並直列行列,縦続行列) 二端子対網の行列(インピーダンス行列,アドミタンス行列,直並列行列,並直列行列,縦続行列)とその接続形態の説明や計算ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 フィルタの種類(LPF,HPF,BPF,BEF)とその定性的な説明(予習:コイルとコンデンサの電気的特性) フィルタの種類(LPF,HPF,BPF,BEF)定性的な説明ができる。
10週 公称インピーダンス,遮断周波数,LPFとHPFの設計,T 型回路とπ型回路を用いた多段のフィルタ回路(予習:公称インピーダンス) 公称インピーダンス,遮断周波数,LPFとHPFの設計,T 型回路とπ型回路を用いた多段のフィルタ回路の説明や計算ができる。
11週 BPF,BEFの説明と設計(予習:BPF,BEF) BPF,BEFの説明や計算ができる。
12週 分布定数回路と集中定数回路,伝送線路の例とその等価回路,無損失伝送線路と基礎方程式(予習:分布定数回路) 分布定数回路と集中定数回路,伝送線路の例とその等価回路,無損失伝送線路と基礎方程式の説明や計算ができる。
13週 基礎方程式の解,特性インピーダンス,進行波と反射波,定在波比,伝搬定数,減衰定数,位相定数(予習:定在波比) 基礎方程式の解,特性インピーダンス,進行波と反射波,定在波比,伝搬定数,減衰定数,位相定数の説明や計算ができる。
14週 特性インピーダンスが異なる伝送線路接続した場合の反射と透過,反射係数,透過係数_x000D_伝送線路の端に集中インピーダンスを接続した場合の反射係数(予習:反射係数) 特性インピーダンスが異なる伝送線路接続した場合の反射と透過,反射係数,透過係数_x000D_伝送線路の端に集中インピーダンスを接続した場合の反射係数の説明や計算ができる。
15週 イミタンスチャートと反射係数およびマッチング回路の設計(予習:イミタンスチャート) イミタンスチャートと反射係数およびマッチング回路の設計の説明ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100