数値解析A

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 数値解析A
科目番号 35122 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 「Cで学ぶ数値計算アルゴリズム」小澤一文著(共立出版)ISBN:978-4320122215/「英語で学ぶ数値解析」陳小君、山本哲朗著(コロナ社)ISBN:978-4339060720、「Cによる数値計算法入門(第2版)新装版」堀之内總一、酒井幸吉、榎園茂著(森北出版)ISBN:978-4627093836
担当教員 江﨑 信行

到達目標

(ア)コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを理解している。
(イ)コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解している。
(ウ)連立一次方程式の直接解法の概要や特徴を説明できる。
(エ)連立一次方程式の反復解法の概要や特徴を説明できる。
(オ)行列の固有値の数値計算法の概要や特徴を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを理解しており、数値実験結果として得られたデータの妥当性を評価できる。コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを理解している。コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを理解できない。
評価項目2コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解しており、数値実験結果として得られたデータの妥当性を評価できる。コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解している。コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解できない。
評価項目3コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明でき、自分でプログラムを作成・実行して妥当な数値データを得ることができる。コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A4 現実の問題や未知の問題に対して,問題の本質を数理的に捉え,コンピュータシステムを応用した問題解決方法を多角的視野から検討することができる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
実際の産業界でものを設計する場合、方程式を用いて記述することが多い。また、物理現象も多くは方程式で表現される。ところが、その方程式は、解析解を持たない場合が多い。そこで、これらの方程式を離散化し、近似的に解を求めることがよく行われている。本講義では、解析的に解けない問題を離散化した際に帰結する連立一次方程式を計算機を用いて数値的に解く方法を学習する。具体的には、ガウスの消去法等の直接解法、大規模疎行列向けの反復法、固有値計算を修得する。プログラミング言語は、数値計算に向いたC言語およびFortran 90を適宜利用する。更に、単にプログラムを書くのではなく、解の精度や計算誤差についても学習する。
授業の進め方・方法:
理論の解説後、関数電卓やプログラミングによって演習を行う。
注意点:
演習のため、適宜ノートパソコンを持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスを用いた授業内容の説明、数値計算における誤差(丸め誤差、打切り誤差、情報落ち、桁落ち) 丸め誤差を説明できる。
2週 シラバスを用いた授業内容の説明、数値計算における誤差(丸め誤差、打切り誤差、情報落ち、桁落ち) 打切り誤差を説明できる。
3週 シラバスを用いた授業内容の説明、数値計算における誤差(丸め誤差、打切り誤差、情報落ち、桁落ち) 情報落ち、桁落ちを説明できる。
4週 連立一次方程式の直接解法(ガウスの消去法、LU分解、枢軸選び) ガウスの消去法を説明できる。
5週 連立一次方程式の直接解法(ガウスの消去法、LU分解、枢軸選び) ガウスの消去法とLU分解の一致点、相違点を説明できる。
6週 連立一次方程式の直接解法(ガウスの消去法、LU分解、枢軸選び) ガウスの消去法における枢軸選びを説明できる。
7週 連立一次方程式の直接解法(ガウスの消去法、LU分解、枢軸選び) 連立一次方程式の直接解法をプログラミングできる。
8週 連立一次方程式の反復解法(ヤコビ法、ガウス・ザイデル法、SOR法) 連立一次方程式の反復解法の原理を説明できる。
2ndQ
9週 連立一次方程式の反復解法(ヤコビ法、ガウス・ザイデル法、SOR法) ヤコビ法を説明できる。
10週 連立一次方程式の反復解法(ヤコビ法、ガウス・ザイデル法、SOR法) ガウス・ザイデル法を説明できる。
11週 連立一次方程式の反復解法(ヤコビ法、ガウス・ザイデル法、SOR法) SOR法を説明できる。
12週 行列の固有値問題(べき乗法、ヤコビ法、QR法) 行列の固有値問題の重要性を説明できる。
13週 行列の固有値問題(べき乗法、ヤコビ法、QR法) べき乗法を説明できる。
14週 行列の固有値問題(べき乗法、ヤコビ法、QR法) ヤコビ法を説明できる。
15週 行列の固有値問題(べき乗法、ヤコビ法、QR法) QR法を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4前1,前2,前3,前7,前8,前12
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。4前2,前3,前7,前8,前12
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。4前4,前5,前6,前9,前10,前11,前13,前14,前15

評価割合

中間試験定期試験合計
総合評価割合4060100
専門的能力4060100