人工知能A

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 人工知能A
科目番号 35130 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 太原育夫 「新 人工知能の基礎知識」 近代科学社, ISBN:978-4-7649-0356-2/S.Russell and P.Norvig「エージェントアプローチ 人工知能 第2版」共立出版,ISBN:978-4-320-12215-4
担当教員 早坂 太一

到達目標

(ア)命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解する。
(イ)導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解し、自然言語で表現された実際の命題に適用できる。命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解する。命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解できない。
評価項目(イ)導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解し、自然言語で表現された実際の問題を解くことができる。導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解する。導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A4 現実の問題や未知の問題に対して,問題の本質を数理的に捉え,コンピュータシステムを応用した問題解決方法を多角的視野から検討することができる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
人工知能(AI; Artificial Intelligence)という言葉を知らない人はいないだろう。しかしながら,その要素技術については,これまで学んできた情報工学分野の内容では不十分である。本講義では,人工知能研究に必要な基礎的知識の一つとして,「形式論理による問題解決」を取り上げる。本講義を通じて,人間が行っている複雑な思考プロセスをコンピュータ上でシミュレートするために必要な,理論の厳密さの一端を体感してもらいたい。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。まず,知識を形式的に表現する体系の一つで,命題論理や述語論理に代表される「記号論理」についての理解を目標とする。次に,論理型プログラミング言語の代表格であるPrologを例に,「導出原理(融合原理)」による定理証明について学ぶ。
注意点:
1年「情報工学概論」および2年「ディジタル回路」で学んだブール代数の論理演算を理解していることを前提とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 教科書 第1章:人工知能とは(シラバスの説明),人工知能研究におけるアプローチおよび歴史
2週 教科書 第4章:命題論理式の構文および解釈,同値関係 命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解する。
3週 教科書 第4章:命題論理式の標準形,恒真式と恒偽式,決定問題 命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解する。
4週 教科書 第4章:意味木による決定問題の解法,推論と論理的帰結 命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解する。
5週 教科書 第5章:一階述語論理式の構文,限量記号の導入,自然言語文の翻訳 命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解する。
6週 教科書 第5章:述語論理式の解釈,一階述語論理の部分決定可能性 命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解する。
7週 教科書 第5章:冠頭標準形と節形式への変換 命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解する。
8週 教科書 第5章:スコーレム標準形と節集合 命題論理および述語論理を対象とした,記号論理の基本的な概念について理解する。
2ndQ
9週 教科書 第6章:最汎単一化置換 導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解する。
10週 教科書 第6章:基礎節に対する導出原理 導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解する。
11週 教科書 第7章:導出反駁木による解の抽出,フレーム問題 導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解する。
12週 教科書 第8章:ホーン節に対する導出戦略 導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解する。
13週 教科書 第8章:Prolog処理系の実行プロセス,バックトラック 導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解する。
14週 教科書 第8章:プログラミング言語としてのProlog ― 制御構造と否定表現 導出原理による証明をコンピュータで実行する方法の一端を理解する。
15週 総まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。3
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。3
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。3

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100