到達目標
(ア)情報理論と現在使われているコンピュータや通信技術との関係を説明できる。
(イ)情報量・情報エントロピーといった情報理論の基本的概念を理解し,それを基礎として情報源符号化定理,通信路符号化定理までの諸理論を一連の流れとして理解し,説明できる。
(ウ)通信技術を,電気・電波やハードウェア技術からはなれ,その本質を抽象的に説明できる。
ルーブリック
| 最低限の到達レベルの目安(優) | 最低限の到達レベルの目安(良) | 最低限の到達レベルの目安(可) |
評価項目(ア) | 最新ディジタル技術と情報理論の複数の内容との関係を関連づけて説明できる。 | 最新ディジタル技術と情報理論の複数の内容との関係を説明できる。 | 最新ディジタル技術と情報理論の内容との関係を一つ説明できる。 |
評価項目(イ) | 情報理論の全体を一連の流れとして説明できる。 | 情報理論の全体を関連付けられない複数の流れとして説明できる。 | 情報理論の全体を断片的に説明できる。 |
評価項目(ウ) | 情報と通信の本質とはなにか,ハードウェアから離れて,抽象化した説明ができる。また,その抽象論と実際の技術との対応も明確に理解している。 | 情報と通信の本質とはなにか,ハードウェアから離れて,抽象化した説明ができる。その抽象論と実際の技術との対応は一部,明確ではない。 | 情報と通信の本質とはなにか,ハードウェアから離れて,抽象化した説明ができる。その抽象論と実際の技術との対応は明確ではない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 A3 コンピュータネットワークの動作を通信理論の観点から数理的に解析できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力
教育方法等
概要:
情報理論とは聞き慣れない言葉ですが,実は,現代のコンピュータ技術と通信技術はこれなしにはじまらない重要な理論です。その内容は非常に抽象的で,確率をはじめとした各種の理論を駆使して情報や通信について本質を追求していきます。このため,少しむずかしい側面もありますが,同時に,それは数学に裏打ちされた美しい抽象思考の世界でもあります。本講義では,それらの抽象的な理論の導出より,意味・意義,そして現代の最新技術との関係と位置付けを明らかにしながら,情報理論の総合的理解を目指します。
授業の進め方・方法:
情報理論は,それ自体は数学に基づく極めて抽象的な理論です。つまり,現在使われているコンピュータや通信と情報理論の関係は,それ自体からはわかりにくいものとなっています。そこで授業では,Internet of Things (IoT) や第5世代(5G)移動体通信といった最新技術と情報理論,さらには情報理論と社会との関係にも触れながら,世の中全体の中での情報理論の位置付けを明らかにして進めていきます。
注意点:
情報理論の理解は簡単ではありません。予習・復習を必ず行って,「何がわからないのかわかっている」「どこがわからないのかわかる」ようにして授業に臨んでください。また,欠席はもとより遅刻するとわからなくなってしまいますので,そうしたことがないよう注意してください。さらに,私語は絶対に禁止です。どうしても私語をやめられない場合は退出をお願いすることがあります。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ディジタル通信の概観 |
ディジタル通信技術の全体を概観し,情報理論の位置付けと目的を説明できる。
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2週 |
情報量とエントロピーの理論 |
情報量の概念を,確率を通して説明できる。
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3週 |
無記憶情報源とマルコフ情報源 |
「記憶のない情報源」とマルコフ情報源を説明できる。
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4週 |
標本化定理 |
標本化定理と,デジタルシステムへの適用の方を説明できる。
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5週 |
情報源符号化の概念 |
情報源符号化の概念と目指すことを説明できる。
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6週 |
情報源符号化定理 |
情報源符号化定理とその導出を説明できる。
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7週 |
情報源符号化の例 |
いくつかの基本的な情報源符号を構成できる。
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8週 |
中間テスト |
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4thQ |
9週 |
通信路の理論 |
確率を用いた通信路のモデル化について説明できる。
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10週 |
通信路容量 |
通信路容量の概念を理解し,情報理論における通信路の意味を説明できる。
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11週 |
通信路符号化定理 |
通信路符号化定理とその導出を説明できる。
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12週 |
通信路符号の基礎 |
誤り検出・訂正符号の全体像を説明できる。
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13週 |
通信路符号の例 |
巡回符号,BCH符号を構成できる。
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14週 |
情報伝送の理論 |
デジタル変調技術を説明できる。
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15週 |
総まとめ |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。 | 3 | 後2 |
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。 | 3 | 後2 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報数学・情報理論 | 情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。 | 4 | 後2 |
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7 |
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。 | 4 | 後9,後10,後11,後12,後13 |
その他の学習内容 | 情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 中間試験 | 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 50 | 20 | 100 |
専門的能力 | 30 | 50 | 20 | 100 |