知能メディア処理

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 知能メディア処理
科目番号 35214 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「自然言語処理(改訂版)」黒橋禎夫、放送大学教育振興会、ISBN:978-4595319587/「Pythonで動かして学ぶ自然言語処理入門」、柳井孝介、庄司美沙、翔泳社、ISBN:978-4798156668
担当教員 村田 匡輝

到達目標

(ア)文内の系列を解析する方法について理解できる。
(イ)文の構文を解析する方法について理解できる。
(ウ)文が表現する意味を解析する方法について理解できる。
(エ)語句間、文間の関係で表される文脈を解析する方法について理解できる。
(オ)コーパスの利用法、コーパスからの情報の抽出方法について理解できる。
(カ)自然言語処理を応用したシステムについてその仕組みを理解できる。
(キ)深層学習を用いた自然言語処理の概要について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安 (優)標準的な到達レベルの目安 (可)未到達レベルの目安 (不可)
評価項目1文内の系列を解析する方法について理解でき、詳細を説明できる。文内の系列を解析する方法について理解できる。文内の系列を解析する方法について理解できない。
評価項目2文の構文を解析する方法について理解でき、詳細を説明できる。文の構文を解析する方法について理解できる。文の構文を解析する方法について理解できない。
評価項目3文が表現する意味を解析する方法について理解でき、詳細を説明できる。文が表現する意味を解析する方法について理解できる。文が表現する意味を解析する方法について理解できない。
評価項目 4語句間、文間の関係で表される文脈のを解析する方法について理解でき、詳細を説明できる。語句間、文間の関係で表される文脈のを解析する方法について理解できる。語句間、文間の関係で表される文脈のを解析する方法について理解できない。
評価項目 5コーパスの利用法、コーパスからの情報の抽出方法について理解でき、それらを関連づけて説明できる。コーパスの利用法、コーパスからの情報の抽出方法について理解できる。コーパスの利用法、コーパスからの情報の抽出方法について理解できない。
評価項目 6自然言語処理を応用したシステムについてその仕組みを理解でき、詳細を説明できる。自然言語処理を応用したシステムについてその仕組みを理解できる。自然言語処理を応用したシステムについてその仕組みを理解できない。
評価項目 7深層学習を用いた自然言語処理の概要について理解でき、詳細を説明できる。深層学習を用いた自然言語処理の概要について理解できる。深層学習を用いた自然言語処理の概要について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A4 現実の問題や未知の問題に対して,問題の本質を数理的に捉え,コンピュータシステムを応用した問題解決方法を多角的視野から検討することができる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
自然言語とは、人間が日常的に話したり書いたりしている言語のことである。自然言語をコンピュータで処理する技術を自然言語処理と呼ぶ。自然言語をコンピュータで処理するためには、文章を解析する必要がある。文章の解析として、最も基本的な単語の情報の解析、文構造の解析、文構造の情報を利用した文が表す意味の解析、関連する文間で表現される文脈の解析が挙げられる。本講義では、これらの解析手法について、その技術的な説明を行い、各手法について理解する。また、適宜プログラミング演習の時間を設け、文章の解析方法を習得する。さらに、自然言語処理技術の発展を支えたコーパスの利用法について説明を行う。後半では、自然言語処理の応用として、情報抽出、情報検索、対話システムを学習する。近年の流行である、深層学習による自然言語処理について、機械翻訳を例に取り上げる。
授業の進め方・方法:
本講義では、自然言語処理について、文章の解析技術を理解することを目的とする。そのため、講義では解析技術の理論を教科書によって習得する。さらに、毎回、講義内容に対応する演習を設け、自然言語処理のプログラミング技法の理解および習得を目指す。
注意点:
ノートパソコンを持参すること。継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。また、授業内容について、決められた期日までの課題(レポート)提出を求める。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバスを用いた授業内容の説明、自然言語処理概論 本講義の内容,進め方について理解する。
2週 系列の解析(1)形態素解析:文の基本的な解析手法である形態素解析について説明する。
(課題)形態素解析手法に関するレポート
形態素解析の方法について理解する。
3週 自然言語処理におけるコーパスの利用:自然言語処理の発展を支えたコーパスの活用について説明する。
(課題)コーパスの活用方法に関するレポート
コーパスの活用方法について理解する。
4週 系列の解析(2)品詞タグ付け:系列を対象とした品詞タグ付け、系列ラベリング手法について説明する。
(課題)品詞タグ付け、系列ラベリング手法に関するレポート
系列ラベリングの方法について理解する。
5週 構文解析(1):構文(文内の語の結びつき)を解析する手法について説明する。
(課題)句構造解析に関するレポート
構文解析の方法について理解する。
6週 構文解析(2):構文解析における構文的曖昧性の解消について、その手法を説明する。
(課題)依存構造解析に関するレポート
構文的曖昧性の解消の方法について理解する。
7週 意味解析(1):辞書やシソーラスにおける語の意味の定義について説明する。また、語の同義性・多義性、分布類似度の計算、語義曖昧性解消について説明する。
(課題)分布類似度の計算、シソーラスの利用等に関するレポート
語の意味の定義について理解する。
8週 中間試験 テキストの解析方法についての知識を確認する。
4thQ
9週 意味解析(2):文の意味を解析する手法として、述語項構造解析、格解析について説明する。
(課題)述語項構造解析、格解析手法に関するレポート
意味解析の方法について理解する。
10週 文脈解析:語句間、文間の関係等で表現される文脈を解析する手法について説明する。
(課題)文脈解析に関するレポート
文脈解析の方法について理解する。
11週 情報抽出:テキストに含まれる情報の抽出手法について説明する。
(課題)情報抽出手法に関するレポート
情報抽出の方法について理解する。
12週 情報検索:ウェブ検索に代表される情報の検索を実現する方法について説明する。
(課題)情報検索手法に関するレポート
情報検索の方法について理解する。
13週 対話システム:人間と自由に対話することができる対話システムについて説明する。
(課題)対話システムに関するレポート
対話システムの仕組みについて理解する。
14週 深層学習(1)単語ベクトル・埋め込み・言語モデル(RNN):単語の埋め込み手法、ニューラル言語モデルについて説明する。
(課題)単語の埋め込み手法、ニューラル言語モデルに関するレポート
言語モデルについて理解する。
15週 深層学習(2)機械翻訳:発展目覚しい深層学習による機械翻訳について説明する。
(課題)ニューラル機械翻訳に関するレポート
深層学習による機械翻訳の方法について理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100