到達目標
(ア)法令の構造や基本的な法令用語を知ることで、具体的な法律の条文の形式的な意味をつかめるようにする。
(イ)刑事事件と民事事件について、それらがどういう目的で作られたことを知ることで、その違いを理解する。
(ウ)近代民法の基本原則について知るとともに、現代社会においてはそれが修正されていることを理解する。
(エ)契約が成立するための条件(成立要件)、契約が無効・取消し可能となる条件(有効要件)について理解する。
(オ)民法上の責任(債務不履行責任・不法行為責任)について、その法律要件と法律効果について理解する。
(カ)(著作権などの)知的財産権と所有権との違いを理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目(A) | 法令の構造や基本的な法令用語を知ることで、具体的な法律の条文の形式的な意味を理解し、説明できる。 | 法令の構造や基本的な法令用語を知ることで、具体的な法律の条文の形式的な意味を理解できる。 | 法令の構造や基本的な法令用語を知ることで、具体的な法律の条文の形式的な意味を理解できない。 |
評価項目(B) | 刑事事件と民事事件について、それらがどういう目的で作られたことを知ることで、その違いを理解し、説明できる。 | 刑事事件と民事事件について、それらがどういう目的で作られたことを知ることで、その違いを理解できる。 | 刑事事件と民事事件について、それらがどういう目的で作られたことを知ることで、その違いを理解できない。 |
評価項目(C) | 近代民法の基本原則について知るとともに、現代社会においてはそれが修正されていることを理解し、説明できる。 | 近代民法の基本原則について知るとともに、現代社会においてはそれが修正されていることを理解できる。 | 近代民法の基本原則について知るとともに、現代社会においてはそれが修正されていることを理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 E2 自らにも社会にも誠実であり、技術者としての誇りと責任感を身につける
JABEE b 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者が社会に対して負っている責任
本校教育目標 ① ものづくり能力
教育方法等
概要:
この科目では、現代社会や法学Ⅰの授業で扱った日本国憲法や政治制度を踏まえ、法令の構造・裁判制度・民法を扱っていく。まず、裁判制度を踏まえて、法律家が何をしているのかを説明する。次に、民法が個人と個人の生活関係についてどのように定めているかを、契約・不法行為・物権(所有権)という視点から説明する。最後に、受講生の所属学科の割合に応じて、時事的な問題または専門分野と法学(とくに民事法)とが学際的に関連する内容を扱っていく。
授業の進め方・方法:
授業内容を理解しているを確認するために、毎回、「小テスト」を実施する。また、「課題」として、やや難易度の高い問題を不定期に出題する。さらに、冬季休業の期間中に「レポート」を出題する。
注意点:
「法学Ⅰ」を履修していると理解が深まるが、その科目の履修を前提としない。受講生の専門分野に応じて、授業の進み具合を変更したり、専門分野に関連する内容に変更することがある。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
法の体系と形式―法の分類、近代民法の三大原則(私的自治の原則・所有権絶対の原則・過失責任主義) |
法律学の体系を把握し、この授業の内容が、その法体系のなかのどの分野に属しているのかを知る。
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2週 |
法令の構成・表現―法令の構成(本則・附則など)・表現(本文・ただし書など) |
法令・条文の構造をつかめるようになる。
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3週 |
法の適用―裁判制度、民事法と刑事法、審級制度、違憲審査制 |
刑事法と民事法について、それらがどういう目的で作られたことを知り、その違いを理解する。
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4週 |
法学における議論の特徴―法的三段論法、法律要件と法律効果 |
基本的な法令用語を知ることで、具体的な法律の条文の形式的な意味をつかめるようになる。
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5週 |
契約の成立要件―債権(債務)とは何か、契約の成立要件(申込みと承諾) |
契約が成立するための条件(成立要件)が理解する。
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6週 |
契約の有効要件―公序良俗違反、意思の欠缺(心裡留保、虚偽表示、錯誤)、瑕疵ある意思表示(詐欺、強迫) |
契約が無効・取消し可能となる条件(有効要件)について理解する。
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7週 |
契約の有効要件―公序良俗違反、意思の欠缺(心裡留保、虚偽表示、錯誤)、瑕疵ある意思表示(詐欺、強迫) |
契約が無効・取消し可能となる条件(有効要件)について理解する。
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8週 |
契約の効力―債務不履行責任(強制履行、解除、損害賠償) |
契約が無効・取消し可能となる条件(有効要件)、債務不履行責任について理解する。
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4thQ |
9週 |
物権法の概観―物・物権とは何か、物権(所有権)の移転、対抗要件 |
物権(所有権)の意味を理解し、日本における所有権ルールを理解する。
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10週 |
不法行為法の重点学習―故意・過失、権利侵害、因果関係、損害 |
民法上の責任(不法行為責任)について、その法律要件と法律効果について理解する。
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11週 |
知的財産法の概観―物権(所有権)との異同、特許法・著作権法の概要 |
(著作権などの)知的財産権と所有権との違いを理解する。
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12週 |
工学分野と密接に関わる特別法―製造物責任・不正競争防止法などから、工学と法学と学際的に絡む問題を扱う |
製造物責任・不正競争防止法などから、工学と法学と学際的に絡む問題を知る。
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13週 |
工学分野と密接に関わる特別法―製造物責任・不正競争防止法などから、工学と法学と学際的に絡む問題を扱う |
製造物責任・不正競争防止法などから、工学と法学と学際的に絡む問題を知る。
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14週 |
総合問題―時事的問題または受講生の専門分野と法学が学際的に絡む問題を扱う |
時事的問題または受講生の専門分野と法学が学際的に絡む問題を知る。
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15週 |
総合問題―時事的問題または受講生の専門分野と法学が学際的に絡む問題を扱う |
時事的問題または受講生の専門分野と法学が学際的に絡む問題を知る。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | 小テスト | 課題 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 65 | 5 | 10 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 65 | 5 | 10 | 20 | 100 |