到達目標
(ア)水の性質と単位に関する基礎用語を学習し、その意味を理解する。
(イ)水の表面張力と毛管現象について理解し、毛管現象による管内水面の上昇量を計算できる。
(ウ)水の粘性に関してニュートンの粘性法則、粘性係数、動粘性係数を理解する。
(エ)静水圧の表し方、静水圧の強さを理解し、任意の水深での水圧と水頭を計算できる。
(オ)水平、鉛直、傾斜、曲面等の多様な条件・形状の平面に作用する水圧計算ができる。
(カ)浮体の重心位置/浮心位置から浮体の安定計算ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 実到達レベルの目安 |
水の性質と単位 | 水の性質と単位に関する基礎用語を理解し,水の表面張力や粘性係数がどのような水理条件下でも推定できる。 | 水の性質と単位に関する基礎用語を理解し,水の表面張力や粘性係数算出ができる。 | 水の性質と単位に関する基礎用語は理解しているが,表面張力や粘性係数に関する計算が十分にできない。 |
静水圧の計算 | 静水圧について十分に理解し,全静水圧の大きさと,その作用点の位置を,水中構造物の傾斜角度,曲面,複合図形についても算出できる。 | 静水圧の求め方を理解し,全静水圧の大きさと,その作用点の位置を算出できる。 | 静水圧の求め方を理解しているが,全静水圧の大きさと,その作用点の位置を正確に算出できない。 |
浮体の安定計算 | 様々な水中構造物の浮体の安定計算ができる。 | 代表的な水中構造物の浮体安定計算ができる。 | 浮体の安定計算法について理解する。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
昔から「水を治めるものは国を治める」と言われる程、治水は我々の生活にとって重要なテーマであり、水の流れのメカニズムを理解するためには、水の運動学的、力学的諸原理を理解する必要がある。水理学ではこれらを学ぶが、その対象や内容が多様で広範囲におよぶため、比較的難易度が高く、理解することが難しいという先入観を持たれている。本講義では、一つ一つの学習項目について本質的な理解に努め、分かりやすい水理学を目指している。まず、水の性質や単位といった基礎を学んだ後に、静水圧や浮力についてよく理解する。後半では水理学の基礎とも言えるベルヌーイの定理について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って授業をすすめる。配布資料も適宜利用する。この講義で扱う内容に関連する数学的,物理学的事項で理解が不十分な内容がある場合は,低学年時に学んだ数学,物理学をよく復習すること。
注意点:
授業には関数電卓を持参すること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
古代,中世の水利用,現代の水理構造物 水理学での重要単位,次元,有効数字 |
古代から現代までの水理構造物とその利用法を把握する。 水の性質と単位について基礎用語を学び,その意味を理解する。
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2週 |
流体の物理的性質1:水の密度と単位重量、水の表面張力と毛管現象 |
水の密度,単位体積重量,表面張力を理解する。
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3週 |
流体の物理的性質2:水の粘性 |
水の粘性について理解する。粘性係数と動粘性係数の違いを理解する。
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4週 |
静水圧1:静水圧の表し方、静水圧の強さ、絶対圧力とゲージ圧力 |
静水圧の表し方,全静水圧の意味,作用点の位置の計算の仕方を理解する。
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5週 |
静水圧2:鉛直平板に働く静水圧、傾斜した平面に作用する静水圧 |
鉛直平板,傾斜平板にかかる静水圧の計算方法を理解し計算することができる。
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6週 |
静水圧3:鉛直平板に働く静水圧、傾斜した平面に作用する静水圧の応用問題 |
鉛直平板,傾斜平板にかかる静水圧の計算方法を使って,水門などの水中構造物にかかる力を計算することができる。
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7週 |
静水圧4:曲面に作用する静水圧 |
曲面にかかる静水圧の計算方法を理解する。
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8週 |
静水圧5:曲面に作用する静水圧の応用問題 |
実際の水中構造物やで曲面を持つ物体にかかる静水圧の計算をすることができる。
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2ndQ |
9週 |
静水圧6:水中の様々な構造物に作用する静水圧の応用問題 |
実際の様々な水中複合構造物で曲面を持つ物体にかかる静水圧の計算をすることができる。
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10週 |
浮力とアルキメデスの原理 |
アルキメデスの原理を理解し,水面に浮かぶ構造物の喫水位置を計算することができる。
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11週 |
圧力の伝達、様々なマノメータとピエゾメータ |
マノメータとピエゾメータによる圧力測定の原理を理解し,測定結果から圧力計算ができる。
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12週 |
マノメータとピエゾメータの応用問題 |
マノメータとピエゾメータを備えた機器の測定結果から圧力計算ができる。
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13週 |
浮力と浮体1:浮力、浮体の釣り合い、浮体の安定 |
浮体の安定計算の方法を理解する。判別する式の導出を理解する。
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14週 |
浮力と浮体2:浮力、浮体の釣り合い、浮体の安定 |
水中にある物体に作用する浮力の大きさを求め,回転力が作用した時の浮体の安定計算ができる。
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15週 |
静水圧と浮体の安定についての総復習 |
水中構造物や浮体についての応用問題を解くことができる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 水理 | 水理学で用いる単位系を説明できる。 | 4 | |
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。 | 4 | |
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。 | 4 | |
浮力と浮体の安定を計算できる。 | 4 | |
連続の式を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 定期試験 | 課題 | 小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 20 | 30 | 100 |
専門的能力 | 50 | 20 | 30 | 100 |