水理学ⅠB

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 水理学ⅠB
科目番号 43225 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 土木の基礎固め 「水理学」二瓶泰雄,宮本仁志,横山勝英,仲吉信人 著 (講談社) ISBN978-4-06-156572-2/適宜プリントを配布する。
担当教員 田中 貴幸

到達目標

(ア)ベルヌーイの定理を理解する。
(イ)ベルヌーイの定理を用いて、流体の圧力や流速を計算できる。
(ウ)流体系の運動量保存則について理解する。
(エ)運動量保存則を応用した計算ができる。
(オ)層流と乱流について説明できる。
(カ)管水路流れにおける摩擦損失水頭を計算できる。
(キ)管水路流れにおける形状によるエネルギー損失を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安実到達レベルの目安
評価項目(ア)水の持つエネルギーについて理解し,ベルヌーイの定理を導出できる。ベルヌーイの定理について理解し利用することができる。ベルヌーイの定理への理解が不十分であり,利用することができない。
評価項目(イ)オリフィスや堰、ベンチュリ管といったベルヌーイの定理の応用に関して説明でき、その計算ができる。オリフィスや堰、ベンチュリ管といったベルヌーイの定理の応用に関する計算ができる。オリフィスや堰、ベンチュリ管といったベルヌーイの定理の応用に関する計算ができない。
評価項目(ウ)流体系の運動量保存則について理解し,その計算ができる。流体系の運動量保存則について理解できる。流体系の運動量保存則について理解できない。
評価項目(エ)壁面に衝突する噴流といった運動量保存則を応用した計算ができ,その現象を説明できる。壁面に衝突する噴流といった運動量保存則を応用した計算ができる。壁面に衝突する噴流といった運動量保存則を応用した計算ができない。
評価項目(オ)層流と乱流について説明でき、レイノルズ数を用いてその判別ができる。層流と乱流について説明できる。層流と乱流について説明できない。
評価項目(カ)管水路流れにおける摩擦損失を理解して説明でき、ダルシー・ワイズバッハの式により摩擦損失水頭の計算ができる。管水路流れにおける摩擦損失を理解し、ダルシー・ワイズバッハの式により摩擦損失水頭の計算ができる。管水路流れにおける摩擦損失を理解できず、ダルシー・ワイズバッハの式により摩擦損失水頭の計算ができない。
評価項目(キ)管水路流れにおける形状によるエネルギー損失を理解でき、様々な形状における損失を計算できる。管水路流れにおける形状によるエネルギー損失を理解できる。管水路流れにおける形状によるエネルギー損失を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 工学の基礎理論に裏打ちされた専門知識を身につける
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
昔から「水を治めるものは国を治める」と言われる程、治水は我々の生活にとって重要なテーマであり、水の流れのメカニズムを理解するためには、水の運動学的、力学的諸原理を理解する必要がある。本講義では、流体のエネルギー保存則であるベルヌーイの定理や運動量保存則について学び、様々な水理条件についてその応用を取り扱う。
授業の進め方・方法:
適宜講義プリントを配布する。スライドや教科書により講義を進めていく。ベルヌーイの定理と運動量の法則を応用した演習問題に多く取り組み,理解を促す。
注意点:
授業には関数電卓を持参すること。本講義は水理学IAの受講を前提とする。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修5

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 流体における連続の式,ベルヌーイの定理の導出 流路での連続の式を理解し,未知の流路断面での流速あるいは断面積などを計算できる。ベルヌーイの定理を導出し,異なる断面での全エネルギー水頭を書き出すことができる。
2週 ベルヌーイの定理の応用1:定水位状態におけるオリフィスからの流出 定水位状態におけるオリフィスからの流出において,トリチェリーの式を導出し,利用して計算することができる。
3週 ベルヌーイの定理の応用2:変水位状態におけるオリフィスからの流出 変水位状態におけるオリフィスからの流出において,水位変化量や水位低下時間を計算できる。
4週 ベルヌーイの定理の応用3:堰による流量測定 三角堰と四角堰の流量公式の導出を理解し,流量計算ができる。
5週 ベルヌーイの定理の応用4:水槽底面に設けた鉛直管による排水 水槽底面からの排水管における流速および圧力を計算することができる。また,管に沿って圧力分布を描くことができる。
6週 ベルヌーイの定理の応用5:ピトー管とベンチュリー管 ピトー管,ベンチュリー菅の原理を理解し,計算することができる。
7週 ベルヌーイの定理の応用6:水門(スルースゲート)からの流量 スルースゲートからの排水量について計算することができる。
8週 運動量保存則:運動量方程式、コントロールボリューム 運動量保存則,コントロールボリュームの概念を学習し,理解する。
4thQ
9週 運動量保存則の応用:管水路湾曲部に働く力、壁面に衝突する噴流 運動量保存則を応用して管水路湾曲部の計算ができる。
10週 運動量保存則の応用:管水路湾曲部に働く力、壁面に衝突する噴流 運動量保存則を応用して,平板に衝突する噴流の計算ができる。
11週 層流と乱流、レイノルズ数 レイノルズ数について理解し,層流と乱流の判定ができる。
12週 管水路における摩擦損失:ダルシー・ワイズバッハの式 管水路流れにおける摩擦損失を理解し,ダルシー・ワイズバッハの式により摩擦損失水頭の計算ができる。
13週 管水路における摩擦損失:摩擦損失係数の算定手法、ムーディー図表 ムーディー図表を用いて摩擦損失係数を求めることができる。
14週 管水路の形状損失:流出入、断面変化、曲り、弁による損失 管水路流れにおける形状によるエネルギー損失を理解できる。
15週 水理学ⅠBについての総まとめ 水理学ⅠBについての問題を解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理連続の式を説明できる。4後1,後15
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後15
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4後8,後9,後10,後15
層流と乱流について、説明できる。4後11,後15

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合502030100
専門的能力502030100