水理学Ⅱ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 水理学Ⅱ
科目番号 44106 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 大学土木「水理学」改訂2版 玉井信行・有田正光 共編, 浅枝 隆 他著(オーム社) ISBN 978-4-274-21673-2/適宜プリントを配布する。
担当教員 田中 貴幸

到達目標

(ア)管水路流れにおけるエネルギー損失について理解し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。
(イ)ハーディクロスの計算法を用いて管網(パイプネットワーク)計算ができる。
(ウ)実用流速公式のシェジー式とマニング式を理解し、流量計算ができる。
(エ)比エネルギー曲線を理解し、常流と射流の違いを説明できる。
(オ)一様開水路不等流の基本方程式を理解し、常流、射流の組み合わせのある水路での水面形を描くことができる。
(カ)完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を理解できる。
(キ)流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)管水路流れにおけるエネルギー損失について理解し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができ、サイフォンや水車を有する管水路流れについても説明できる。管水路流れにおけるエネルギー損失について理解し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。管水路流れにおけるエネルギー損失について理解できず、エネルギー線と動水勾配線の作図ができない。
評価項目(イ)ハーディクロスの計算法を用いて管網(パイプネットワーク)計算ができ、露論理的に説明できる。ハーディクロスの計算法を用いて管網(パイプネットワーク)計算ができる。ハーディクロスの計算法を用いて管網(パイプネットワーク)計算ができない。
評価項目(ウ)実用流速公式のシェジー式とマニング式を理解し、流量計算ができるとともにそれぞれの特徴について説明できる。実用流速公式のシェジー式とマニング式を理解し、流量計算ができる。実用流速公式のシェジー式とマニング式を理解できず、流量計算ができない。
評価項目(エ)比エネルギー曲線を理解し、常流と射流の違いを説明でき、跳水、段波現象について理解できる。比エネルギー曲線を理解し、常流と射流の違いを説明できる。比エネルギー曲線を理解できず、常流と射流の違いを説明できない。
評価項目(オ)一様開水路不等流の基本方程式を理解し、常流、射流の組み合わせのある水路での水面形を描くことができる。一様開水路不等流の基本方程式を理解し、常流、射流の組み合わせのある水路での水面形について説明できる。一様開水路不等流の基本方程式を理解できず、常流、射流の組み合わせのある水路での水面形について説明できない。
評価項目(カ)完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を理解できる。完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を理解できない。
評価項目(キ)流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)について説明できる。流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)について理解できる。流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 工学の基礎理論に裏打ちされた専門知識を身につける
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
本講義では3年次の水理学Ⅰで学んだ静水圧、運動量定理、ベルヌーイの定理などの水理学における基礎事項を土台にして、やや複雑な流れを取り扱う。まず、管水路の流れにおけるエネルギーの損失について理解し、様々な単線管水路における水理学的諸量の計算法について学ぶ。また、管水路の分流、合流の計算法を学習し、それらを総合して管網計算法をマスターする。開水路の流れにおいては、常流と射流について学習した後、不等流の基本方程式、水面形とその計算法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
注意点:
関数電卓を毎授業持参のこと。水理学IAとIBの履修を前提として授業を進める。_x000D_(自学自習内容)継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。適宜、授業内容に関する課題(レポート)を課すので、決められた期日までに提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単線管水路の水理:エネルギー線と動水勾配線の作図、サイフォンの原理と計算法、水車、ポンプ 管水路流れにおけるエネルギー損失について理解し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。
2週 単線管水路の水理:エネルギー線と動水勾配線の作図、サイフォンの原理と計算法、水車、ポンプ 管水路流れにおけるエネルギー損失について理解し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。
3週 管水路ネットワーク:枝状(分岐・合流)管路の計算法、管網計算 ハーディクロスの計算法を用いて管網(パイプネットワーク)計算ができる。
4週 管水路ネットワーク:枝状(分岐・合流)管路の計算法、管網計算 ハーディクロスの計算法を用いて管網(パイプネットワーク)計算ができる。
5週 開水路の等流と平均流速計算:シェジー式、マニング式、等流水深の計算、水理特性曲線 実用流速公式のシェジー式とマニング式を理解し、流量計算ができる。
6週 開水路の等流と平均流速計算:シェジー式、マニング式、等流水深の計算、水理特性曲線 実用流速公式のシェジー式とマニング式を理解し、流量計算ができる。
7週 開水路の等流と平均流速計算:シェジー式、マニング式、等流水深の計算、水理特性曲線 実用流速公式を理解し、流量計算ができるとともに、水理特性曲線について理解できる。
8週 常流と射流:比エネルギー、限界水深、限界流速、跳水、段波 比エネルギー曲線を理解し、常流と射流の違いを説明できる。
2ndQ
9週 常流と射流:比エネルギー、限界水深、限界流速、跳水、段波 比エネルギー曲線を理解し、常流と射流の違いを説明できる。
10週 常流と射流:比エネルギー、限界水深、限界流速、跳水、段波 常流と射流の違いを説明でき、跳水、段波現象を理解できる。
11週 開水路の不等流:一様水路不等流、一様水路水面形 一様開水路不等流の基本方程式を理解し、常流、射流の組み合わせのある水路での水面形を描くことができる。
12週 開水路の不等流:一様水路不等流、一様水路水面形 一様開水路不等流の基本方程式を理解し、常流、射流の組み合わせのある水路での水面形を描くことができる。
13週 完全流体の運動方程式:Eulerの運動方程式 完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を理解できる。
14週 流体摩擦:レイノルズ応力、混合距離 流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)について理解できる。
15週 水理学の総まとめ これまでに学んだ水理学の内容について再確認し、理解を深めることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。3前1,前2,前5,前15
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。3前13
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前15
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。3前14
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。3前1,前2,前3,前4
各種の管路の流れが計算できる。3前1,前2,前3,前4,前15
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。3前5,前6,前7,前15
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。3前11,前12

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合502030100
専門的能力502030100