水理実験

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 水理実験
科目番号 44108 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「水理実験解説書」土木学会編(土木学会) ISBN:978-4-8106-0828-1/適宜プリントを配布する。
担当教員 田中 貴幸

到達目標

(ア)測定機器の取り扱い方を理解し、安全を確保して実験を行うことができる。
(イ)実験報告書を決められた形式で作成できる。
(ウ)越流水深と流量の関係を確認し、直角三角堰による流量測定法により流量を計算できる。
(エ)層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。
(オ)オリフィスからの流出実験において、定水位および変水位の場合の力学機構を理解する。
(カ)管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。
(キ)水門からの流出実験では、水門での流量係数を計算することで、水門付近の流れの力学機構について理解する。
(ク)水面波の実験において周期と波速を測定することで、水深、周期と波速、波長の関係について理論値と比較・考察する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)測定機器の取り扱い方を理解し、安全を確保して円滑に実験を行うことができる。測定機器の取り扱い方を理解し、安全を確保して実験を行うことができる。測定機器の取り扱い方を理解し、安全を確保して実験を行うことができない。
評価項目(イ)実験報告書を決められた形式で要領よく作成できる。実験報告書を決められた形式で作成できる。実験報告書を決められた形式で作成できない。
評価項目(ウ)越流水深と流量の関係を確認し、直角三角堰による流量測定法により流量を計算でき、その精度について説明できる。越流水深と流量の関係を確認し、直角三角堰による流量測定法により流量を計算できる。越流水深と流量の関係を確認し、直角三角堰による流量測定法により流量を計算できる。
評価項目(エ)層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出でき、その値について論理的に考察できる。層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できない。
評価項目(オ)オリフィスからの流出実験において、定水位および変水位の場合の力学機構を説明できる。オリフィスからの流出実験において、定水位および変水位の場合の力学機構を理解する。オリフィスからの流出実験において、定水位および変水位の場合の力学機構を理解できない。
評価項目(カ)管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができ、それについて考察できる。管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算できず、エネルギー線と動水勾配線の作図ができない。
評価項目(キ)水門からの流出実験では、水門での流量係数を計算することで、水門付近の流れの力学機構について説明できる。水門からの流出実験では、水門での流量係数を計算することで、水門付近の流れの力学機構について理解する。水門からの流出実験では、水門での流量係数を計算することで、水門付近の流れの力学機構について理解できない。
評価項目(ク)水面波の実験において周期と波速を測定することで、水深、周期と波速、波長の関係について理論値と比較・考察する。水面波の実験において周期と波速を測定できる。水面波の実験において周期と波速を測定できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B3 実験実習を通して実践的技術者に欠かせない計測技術やデータ解析法を身につける
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
本実験では、自然界における水理学的現象や理論を模型などを用いて実験し、実験結果と比較検討を行うことで、現象や理論の内容理解を深めることを第1の目的とする。また、本実験を通して、管水路、開水路(河川)、海岸等で水位や流量、波の波高などをどの様に計測するのか、また、その際には何に注意する必要があるのかについて学ぶことを第2の目的とする。
授業の進め方・方法:
注意点:
実験には関数電卓を準備すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験の概要説明:実験の進め方、計測結果の纏め方、安全教育 測定機器の取り扱い方を理解し、安全を確保して実験を行うことができる。実験報告書を決められた形式で作成できる。
2週 直角三角堰の検定の実験:越流水深と流量係数、流量測定 越流水深と流量の関係を確認し、直角三角堰による流量測定法により流量を計算できる。
3週 直角三角堰の検定の実験:越流水深と流量係数、流量測定 越流水深と流量の関係を確認し、直角三角堰による流量測定法により流量を計算できる。
4週 層流と乱流の実験:限界レイノルズ数と層流・乱流 層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。
5週 層流と乱流の実験:限界レイノルズ数と層流・乱流 層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。
6週 オリフィスからの流出実験:オリフィスからの流出に伴う力学機構、流量係数、水面降下に要する時間 オリフィスからの流出実験において、定水位および変水位の場合の力学機構を理解する。
7週 オリフィスからの流出実験:オリフィスからの流出に伴う力学機構、流量係数、水面降下に要する時間 オリフィスからの流出実験において、定水位および変水位の場合の力学機構を理解する。
8週 管水路のエネルギー損失の実験:ベルヌーイの定理と摩擦・形状損失 管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。
2ndQ
9週 管水路のエネルギー損失の実験:ベルヌーイの定理と摩擦・形状損失 管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。
10週 水門からの流出実験:水門付近の流れの力学機構、流量係数 水門からの流出実験では、水門での流量係数を計算することで、水門付近の流れの力学機構について理解する。
11週 水門からの流出実験:水門付近の流れの力学機構、流量係数 水門からの流出実験では、水門での流量係数を計算することで、水門付近の流れの力学機構について理解する。
12週 水面波の実験:波速、波長、周期と水深の関係 水面波の実験において周期と波速を測定することで、水深、周期と波速、波長の関係について理論値と比較・考察する。
13週 水面波の実験:波速、波長、周期と水深の関係 水面波の実験において周期と波速を測定することで、水深、周期と波速、波長の関係について理論値と比較・考察する。
14週 水理学演習:実験内容および水理学全体に関する演習、解説 すべての実験に関してその内容と実験結果について説明できる。
15週 水理学演習:実験内容および水理学全体に関する演習、解説 水理学および水理実験に関する演習課題について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前12,前13,前14,前15
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
安全を確保して、実験を行うことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験報告書を決められた形式で作成できる。3前1,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14,前15
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前1,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14,前15
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
測定と測定値の取り扱いができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前1,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14,前15
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14,前15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14,前15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14,前15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前1,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14,前15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前1,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14,前15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14,前15
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。3前4,前5,前14,前15
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。3前2,前3,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前14,前15
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。3前10,前11,前14,前15

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
専門的能力100100