環境都市工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 環境都市工学実験Ⅱ
科目番号 44136 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 土質実験:『土質試験 基本と手引き』(社)地盤工学会編,地盤工学会,ISBN:978-4-88644-127-0
水理実験:適宜資料を配布する。
環境実験:適宜担当教員よりオンラインにて資料が配布される。
担当教員 松本 嘉孝,田中 貴幸,小笠原 明信

到達目標

(ア) 測定水位・変水位透水試験の使い分けができ,透水係数を求めることができる。
(イ) 締め固め試験により,最適含水比を求めることができる。
(ウ) 土の一軸圧縮試験により,強度定数を求めることができる。
(エ) 層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。
(オ) 管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。
(カ) 各種の流量測定の方法を理解するとともに、常流・射流・跳水に関する実験について理解し、その実験ができる。
(キ) 水面波の実験において周期と波速を測定することで、水深、周期と波速、波長の関係について理解できる。
(ク) 代表的な水の物理、化学、生物学的指標について、それらの表す性質を理解し、測定することができる。
(ケ) 有機汚濁指標(BOD、COD)の水質指標としての意味を理解し、測定することができる。
(コ) 実河川での流量の測定ができ,原単位による水質モデル計算ができ,実測値と比較し考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)定水位・変水位透水試験の使い分けができ,透水係数を求めることができる。透水係数を求めることができる。透水係数を求めることができない。
評価項目(イ)締め固め試験により,最大乾燥密度,最適含水比を求めることができ,特徴を説明できる。締め固め試験により,最適含水比を求めることができる。締め固め試験により,最適含水比を求めることができない。
評価項目(ウ)一軸圧縮強度を求めることができ,土の強度特性を説明できる。一軸圧縮強度を求めることができる。一軸圧縮強度を求めることができない。
評価項目(エ)層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出でき、その値について論理的に考察できる。層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できない。
評価項目(オ)管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができ、それについて考察できる。管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算できず、エネルギー線と動水勾配線の作図ができない。
評価項目(カ)各種の流量測定の方法について説明できるとともに、常流・射流・跳水に関する実験について理解し、その判別と現象の説明ができる。各種の流量測定の方法について理解できるとともに、常流・射流・跳水に関する実験について理解し、その判別ができる。各種の流量測定の方法について理解できない。また、常流・射流・跳水に関する実験について理解できない。
評価項目(キ)水面波の実験において周期と波速を測定することで、水深、周期と波速、波長の関係について理論値と比較・考察する。水面波の実験において周期と波速を測定できる。水面波の実験において周期と波速を測定できない。
評価項目(ク)代表的な水の物理、化学、生物学的指標について、それらの表す性質を説明でき、測定することができる。代表的な水の物理、化学、生物学的指標について、それらの表す性質を理解し、測定することができる。代表的な水の物理、化学、生物学的指標について、それらの表す性質が理解できず、測定することができない。
評価項目(ケ)有機汚濁指標(BOD、COD)の水質指標としての意味を説明し、測定することができる。有機汚濁指標(BOD、COD)の水質指標としての意味を理解し、測定することができる。有機汚濁指標(BOD、COD)の水質指標としての意味が理解できず、測定することができない。
評価項目(コ)実河川での流量の測定ができ,原単位による水質モデル計算ができ,実測値と比較し考察し,その違いを説明することができる。実河川での流量の測定ができ,原単位による水質モデル計算ができ,実測値と比較し考察することができる。実河川での流量の測定ができ,原単位による水質モデル計算ができるが,実測値と比較し考察することがでない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B3 実験実習を通して実践的技術者に欠かせない計測技術やデータ解析法を身につける
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
環境都市工学で学んだ専門科目に関して自ら実験し、その結果をまとめる中で現象や理論の内容理解を深めることを目的とする。本実験では、土質実験、水理実験、環境実験を主に実施する。
授業の進め方・方法:
土質実験:1クラスを8班に分け,そのうちの4班が実験を実施している場合は残りの4班はレポート作成の時間とする。なお,レポートの提出は,すべての班が実験を行った翌週の授業日とする。
水理実験:班ごとに実験や演習に取り組む。物理学や水理学で学んだ基礎的な事項について十分に復習した上で実験に取り組むこと。
環境実験:班ごとに河川実習,水質測定を行う。演習については,個別に実験データを用いた計算を行う。
注意点:
関数電卓を毎回持参してくること.靴を履き作業性の良い服装で受講すること.

選択必修の種別・旧カリ科目名

旧カリ科目名:水理実験,環境計測実験, 規制技術に含まれるものはない

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験の概要説明:実験の進め方、計測結果の纏め方、安全教育 測定機器の取り扱い方を理解し、安全を確保して実験を行うことができる。実験報告書を決められた形式で作成できる。
2週 土質実験:土の透水試験:定水位透水試験、変水位透水試験 土の透水試験により,透水係数を求めることができる。
3週 土質実験:土の突き固め試験 土の突き固め試験により,土の締固め特性を求めることができる。
4週 土質実験:土の一軸圧縮試験 土の一軸圧縮試験により,土の強度特性を求めることができる。
5週 水理実験:層流と乱流の実験:限界レイノルズ数と層流・乱流 層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。
6週 水理実験:管水路のエネルギー損失の実験:ベルヌーイの定理と摩擦・形状損失 管水路のエネルギー損失の実験において、管路各点での圧力水頭を計算し、エネルギー線と動水勾配線の作図ができる。
7週 水理実験:水門からの流出実験:水門付近の流れの力学機構、常流、射流、跳水、直角三角堰の検定 水門からの流出実験では、水門での流量係数を計算するとともに、常流、射流、跳水といった流れの力学機構について理解する。また、直角三角堰により流量を計算できる。
8週 水理実験:水面波の実験:波速、波長、周期と水深の関係 水面波の実験において周期と波速を測定することで、水深、周期と波速、波長の関係について理論値と比較・考察する。
2ndQ
9週 水理学演習:実験内容および水理学全体に関する演習、解説 水理学および水理実験に関する演習課題について理解できる。
10週 環境実験:河川に赴き,水質の測定,流量の観測,生息生物の観察 河川での流量の測定法を理解し,測定することができる。
河川での一般的な水質測定手法を理解し,測定することができる。
11週 環境演習:流量および負荷量の算出 河川での流量の測定法を理解し,計算することができる。
河川の水質負荷量を計算することができる。
12週 環境実験:一般水質指標:pH, EC, 濁度,色度の測定 代表的な水の物理、化学、生物学的指標について、それらの表す性質を理解し、測定することができる。
13週 環境実験:一般水質指標:BOD,DOの測定 有機汚濁指標(BOD)とDOの水質指標としての意味を理解し、測定することができる。
14週 環境演習:原単位による水質モデル計算 原単位による水質モデル計算ができ,実測値と比較し考察することができる。
15週 環境都市工学実験Ⅱの総まとめ 環境都市工学実験Ⅱにおける各種実験および演習内容について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4前8,前9
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
安全を確保して、実験を行うことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
実験報告書を決められた形式で作成できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
有効数字を考慮して、データを集計することができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4前8,前9
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13
測定と測定値の取り扱いができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13
ガラス器具の取り扱いができる。4前4,前5,前6,前12,前13
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。4前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13
工学基礎工学実験技術工学実験技術実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野(実験・実習能力)建設系分野(実験・実習能力)透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4前2
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4前3
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4前4
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。4前5
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。4前5,前6,前7
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。4前7
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。4前11,前13
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4前10,前12

評価割合

課題合計
総合評価割合10000100
専門的能力10000100