計画数理

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 計画数理
科目番号 44201 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「社会基盤の計画学-確率統計・数理モデルと経済諸法-」藤田素弘 編著(理工図書)ISBN: 978-4-8446-0807-3/プリント配布
担当教員 山岡 俊一

到達目標

(ア)統計的推定と検定について基礎的事項を理解する。
(イ)相関分析,単回帰分析,クロス分析,重回帰モデルについて理解し、データから傾向を推測することができる。
(ウ)線形計画問題を図解放とシンプレックス法により解くことができる。
(エ)計画作業リストからネットワークを作成し、クリティカルパスを求めることができる。
(オ)費用便益分析手法を用いて土木プロジェクトを評価する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)一般的な仮説検定問題ができ,さらに建設・環境分野でのデータから統計検定することができる。統計的検定について基礎的事項を理解し仮説検定することができる。統計的検定について基礎的事項の理解が十分ではない。
評価項目(イ)単回帰モデルと重回帰モデルを理解し,さらに分析結果を解釈し、評価することができる。単回帰モデルと重回帰モデルについて理解し、最少二乗法を用いて解くことができる。単回帰モデルと重回帰モデルについての理解が不十分である。最少二乗法を十分に扱えない。
評価項目(ウ)線形計画法を定式化し,図解法とシンプレックス法により問題を解くことができ、手法について適切に説明することができる。線形計画法を定式化し,図解法とシンプレックス法により問題を解くことができる。線形計画法の定式化が十分にできない。図解法とシンプレックス法での問題解法の正確性に欠ける。
評価項目(エ)計画作業リストからネットワークを作成し、クリティカルパスを求めることができる。さらに、手法について適切に説明することができる。 計画作業リストからネットワークを作成し、クリティカルパスを求めることができる。計画作業リストからネットワークを作成し、クリティカルパスを求めることができない。
評価項目(オ)費用便益分析手法を用いて土木プロジェクトを評価し、手法について適切に説明することができる。 費用便益分析手法を用いて土木プロジェクトを評価できる。費用便益分析手法を用いて土木プロジェクトを評価することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 工学の基礎理論に裏打ちされた専門知識を身につける
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
現代の社会計画策定,特に建設計画における数理解析的な知識は必要不可欠であり,その利用の重要性は近年ますます増加している。土木計画,交通計画,水資源工学,都市計画などは,数理解析をもっとも必要とする分野である。本講義においては,それら複数の分野にとって共通となる数学,統計学,データ解析,数理計画法,ネットワーク計画の基礎を学び、社会基盤プロジェクトの評価法の概要を理解する。
授業の進め方・方法:
講義形式で進め,各単元ごとに例題演習を通して理解を深めることができる。
注意点:
継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。科目担当教員の提示する演習課題を各自で確実に解くこと。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 土木計画とは:土木計画の定義,種類,手順
(自学自習内容:土木工学における計画学の定義・意義について自分の考えをまとめる)
計画の意義と計画学の考え方を説明できる。
2週 土木計画に必要なデータ整理:データの種類,記述統計,データの基準化
(自学自習内容:土木計画学で扱うデータの種類と特徴についてまとめる)
様々なデータを種類と尺度に応じて様々なグラフにして記述することができる。
3週 統計の基礎:代表値,散布度
(自学自習内容:平均値や中央値等の代表値や分散や標準偏差等の散布度について調べ,まとめる)
代表値や散布度の定義を理解し,算出することができる。
4週 統計的検定:分散分析
(自学自習内容:分散分析に関する演習問題を解く)
統計的検定について基礎的事項を理解し,建設・環境分野でのデータを基に分散分析を行える。
5週 回帰分析とデータ解析1:相関分析,単回帰分析,クロス分析
(自学自習内容:相関分析,単回帰分析,クロス分析とはどのような手法なのかをまとめる)
相関係数を算出することができる。単回帰モデルについて理解し、最少二乗法を用いて解くことができる。
6週 回帰分析とデータ解析2:相関分析,単回帰分析,クロス分析
(自学自習内容:相関分析,単回帰分析,クロス分析に関する演習問題を解く)
相関係数を算出することができる。単回帰モデルについて理解し、最少二乗法を用いて解くことができる。
7週 回帰分析とデータ解析3:重回帰分析と偏回帰係数
(自学自習内容:重回帰分析についてまとめ、分析結果の評価手法、解釈の方法についてまとめる)
重相関係数と偏回帰係数を計算し,重回帰式の検定評価を行うことができる。
8週 回帰分析とデータ解析4:重回帰分析と偏回帰係数
(自学自習内容:重回帰分析の演習問題を解く。また、適用事例を調べる)
重相関係数と偏回帰係数を計算し,重回帰式の検定評価を行うことができる。
4thQ
9週 多変量解析:主成分分析と因子分析
(自学自習内容:主成分分析と因子分析について分析目的と分析事例を調べ、まとめる)
多変量分析の目的から適切な分析方法を選択する手法を理解する。主成分分析と因子分析法を理解する。
10週 数理計画法1:線形計画問題の定式化と図解法
(自学自習内容:線形計画問題の定式化と図解法の演習問題を解く)
線形計画法を定式化し,図解法により問題を解くことができる。
11週 数理計画法2:シンプレックス法による最適解の算出
(自学自習内容:シンプレックス法の演習問題を解く)
線形計画法をシンプレックス法により問題を解くことができる。
12週 ネットワーク計画法1:ネットワーク最適化問題、PERT手法、ネットワーク作成、クリティカルパス
(自学自習内容:ネットワークの基礎、最適化、PERT、クリティカルパスについてまとめる)
作業リストからネットワークを作成することができる。
13週 ネットワーク計画法2:ネットワーク最適化問題、PERT手法、ネットワーク作成、クリティカルパス
(自学自習内容:PERT、クリティカルパスに関する演習問題を解く)
作業リストからネットワーク作成し、クリティカルパスを求めることができる
14週 土木計画の評価:費用便益分析
(自学自習内容:費用便益分析についてまとめ、演習問題を解く)
費用便益分析について考え方を説明でき、これに関する計算ができる。
15週 これまでの学習内容のまとめ
(これまでに学習した数理計画手法の演習問題を解く)
これまでに学習した数理計画手法を解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野計画計画の意義と計画学の考え方を説明できる。4後1
二項分布、ポアソン分布、正規分布(和・差の分布)、ガンベル分布、同時確率密度関数を説明できる。4
重回帰分析を説明できる。4
線形計画法(図解法、シンプレックス法)を説明できる。4
費用便益分析について考え方を説明でき、これに関する計算ができる。4

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合502030100
専門的能力502030100