環境計測実験

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 環境計測実験
科目番号 44231 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定しない。/実験指導にあたっては、適宜担当教員よりプリントが配布される。
担当教員 山下 清吾,松本 嘉孝

到達目標

(ア)代表的な水の物理、化学、生物学的指標について、それらの表す性質を理解し、測定することができる。
(イ)有機汚濁指標(BOD、COD)の水質指標としての意味を理解し、測定することができる。
(ウ)実験で扱う水質指標と採水場所の環境特性との関係を把握し説明することができる。
(エ)代表的な浸透推定式であるホートン式やフィリップ式を理解し、浸透データから導くことができる。
(オ)土壌緩衝能と土壌の性質、種類との関係を実験を通して理解する。
(カ)異なる地表面の状態、植生と蒸発散との関係を計測を通して理解する。
(キ)再生可能エネルギー資源の潜在性調査および観測方法を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1一般的な水質指標の測定手法を習得し,その測定意義を理解する。また,取得したデータを統計学的な処理を用いて整理することができる。一般的な水質指標であるpH, EC, 濁度,大腸菌群数,BOC, COD, TN, TPの測定手法を習得する。一般的な水質指標であるpH, EC, 濁度,大腸菌群数,BOC, COD, TN, TPの測定手法を習得できない。
評価項目2環境水質データについて,適切な参考文献を用いながら,総合科学的に考察を記述することができる。環境水質データの測定意義を理解し,考察を記述することができる。環境水質データの測定意義が理解できず,考察を記述することができない。
評価項目3浸透推定式であるホートンやフィリップ式を理解し,浸透データから推定式を最小二乗法で導くことができる。浸透推定式のパラメータと土壌の性質について分析ができる。浸透推定式であるホートンやフィリップ式を理解し,浸透データから推定式を最小二乗法で導くことができる。浸透推定式であるホートンやフィリップ式を理解せず,浸透データから推定式を最小二乗法で導くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B3 実験実習を通して実践的技術者に欠かせない計測技術やデータ解析法を身につける
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
環境計測実験は水質系,水文学系の基礎的な観測手法の習得と,再生可能エネルギーについての知見習得から成り立っている。
授業の進め方・方法:
水質系では主に自然河川水の代表的な水質指標の測定および分析法を学ぶ。水文学系では,土壌水と蒸発散現象を扱う。エネルギー系では,再生可能エネルギー資源を有効活用するための潜在性調査および観測手法について学ぶ。どの計測実験とも実験結果、周辺知識および結果の考察などをレポートにまとめることで受講者の工学的な実践能力の向上を目的としている。
注意点:
到達目標(ア),(キ)は山下,松本教員が担当する。 授業内容(イ),(ウ)は松本嘉孝が担当する。 
到達目標(エ),(オ),(カ)は山下清吾が担当する。 

関数電卓を毎時間持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 計測実験で用いる機器の説明と実験器具の取扱、薬品の安全、衛生管理について 実験機器の利用法,安全な取扱いについて理解する。薬品の安全管理法をよく理解する。
2週 水の物理的、生物学的水質指標の測定:pH、電気伝導度、濁度、大腸菌群数 代表的な水の物理、化学、生物学的指標について、それらの表す性質を理解し、測定することができる。
3週 水の物理的、生物学的水質指標の測定:pH、電気伝導度、濁度、大腸菌群数 代表的な水の物理、化学、生物学的指標について、それらの表す性質を理解し、測定することができる。
実験で扱う水質指標と採水場所の環境特性との関係を把握し説明することができる。
4週 水の化学的水質指標の測定:化学的酸素要求量(COD)、全窒素濃度、全リン濃度 有機汚濁指標(BOD、COD)の水質指標としての意味を理解し、測定することができる。
5週 水の化学的水質指標の測定:化学的酸素要求量(COD)、全窒素濃度、全リン濃度 有機汚濁指標(BOD、COD)の水質指標としての意味を理解し、測定することができる。
実験で扱う水質指標と採水場所の環境特性との関係を把握し説明することができる。
6週 水の生物化学的酸素要求量(BOD)の測定:自然河川での採水場所の環境特性との関係 有機汚濁指標(BOD、COD)の水質指標としての意味を理解し、測定することができる。
7週 水の生物化学的酸素要求量(BOD)の測定:自然河川での採水場所の環境特性との関係 有機汚濁指標(BOD、COD)の水質指標としての意味を理解し、測定することができる。
実験で扱う水質指標と採水場所の環境特性との関係を把握し説明することができる。
8週 降雨や地表水の浸透実験:浸透率測定と浸透推定式の導出 浸透推定式であるホートンやフィリップ式を理解し,浸透データから推定式を導くことができる。
4thQ
9週 降雨や地表水の浸透実験:浸透率測定と浸透推定式の導出 浸透推定式であるホートンやフィリップ式を理解し,浸透データから推定式を導くことができる。
10週 土壌緩衝能の測定:酸性雨に対して土壌の持つ緩衝能の測定 土壌緩衝能と,土壌の性質との関係を実験を通して理解する。
11週 土壌緩衝能の測定:酸性雨に対して土壌の持つ緩衝能の測定 土壌緩衝能と,土壌の性質との関係を実験を通して理解する。
12週 蒸発散量の測定:地表面から蒸発、蒸散する水分量の測定 異なる地表面の状態,植生と蒸発散との関係を実験を通して理解する。
13週 蒸発散量の測定:地表面から蒸発、蒸散する水分量の測定 異なる地表面の状態,植生と蒸発散との関係を実験を通して理解する。
14週 再生可能エネルギー設置場所の潜在性調査および観測 再生可能エネルギー資源の潜在性調査および観測方法を理解する。
15週 再生可能エネルギー設置場所の潜在性調査および観測 再生可能エネルギー資源の潜在性調査および観測方法を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
安全を確保して、実験を行うことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験報告書を決められた形式で作成できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
測定と測定値の取り扱いができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
ガラス器具の取り扱いができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境騒音の発生源と現状について、説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。3後4,後5,後6,後7
pHに関する実験について理解し、実験ができる。3後2,後3

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
専門的能力100100