構造力学ⅢB

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 構造力学ⅢB
科目番号 44232 科目区分 専門 / 選択必修6
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 配布プリント:「構造力学」 後藤芳顯ら(ISBN-13: 978-4765518130)/「構造力学テキスト」 櫻井孝昌 著
担当教員 川西 直樹

到達目標

(ア)単位荷重法と重ね合わせの原理を利用した不静定構造物の解法を理解している。
(イ)3連モーメントの定理から連続ばりを解くことができる。
(ウ)たわみ角法から不静定ラーメン構造物を解くことができる。
(エ)マトリクス法について理解している。
(オ)組み合わされた簡単な構造についての全体系の剛性方程式を自ら組み立て,境界条件に合わせ解くことができる。
(カ)鋼橋の設計法について説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1単位荷重法と重ね合わせの原理による不静定構造物の解法について正しく理解している。単位荷重法と重ね合わせの原理による不静定構造物の解法について理解している。単位荷重法と重ね合わせの原理による不静定構造物の解法について理解していない。
評価項目23連モーメントの定理,たわみ角法により連続ばり,ラーメン構造について正しく解くことができる。3連モーメントの定理,たわみ角法により連続ばり,ラーメン構造について解くことができる。3連モーメントの定理,たわみ角法により連続ばり,ラーメン構造について解くことができない。
評価項目3マトリクス法により簡単な構造について正しく剛性方程式を組み立て解くことができる。マトリクス法について理解している。マトリクス法について理解できていない。
評価項目4鋼橋の設計法について理解し,簡単な鋼橋について設計できる。鋼橋の設計について理解している。鋼橋の設計法について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 工学の基礎理論に裏打ちされた専門知識を身につける
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
古典的な高次不整静定構造物の解法として,単位荷重法と重ね合わせの原理による方法,3連モーメントによる方法,たわみ角法による方法について学ぶ。近年の実務でも用いられるマトリクス法について取り上げる。ここでは簡単な構造に対してマトリクス法による剛性方程式の組み立て方やその解法について学ぶ。さらに,鋼橋の設計法について説明し,簡単な鋼橋について設計できる能力を養う。
この科目は企業で鋼橋の設計を担当していた教員が、その経験を活かし、構造物の設計手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
3連モーメントの定理,たわみ角法,鋼橋の設計については教科書に記載がないため,適宜プリントを配布して説明する。
注意点:
(自学自習内容)授業内容の予習・復習を行うこと。適宜、授業内容に関連する課題(レポート)を課すので、決められた期日までに提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 単位荷重法と重ね合わせの原理を利用した不静定構造物の解法 単位荷重法と重ね合わせの原理を利用した不静定構造物の解法について理解する。
2週 単位荷重法と重ね合わせの原理を利用した不静定構造物の解法の演習 単位荷重法と重ね合わせの原理を利用した不静定構造物の解法により2次不静定のはりについて解くことができる。
3週 単位荷重法と重ね合わせの原理を利用した不静定構造物の解法の演習 単位荷重法と重ね合わせの原理を利用した不静定構造物の解法により2次不静定構造について解くことができる。
4週 3連モーメントの定理 連続ばりに関する3連モーメントの定理を理解する。
5週 3連モーメントの定理の適用 3連モーメントの定理を利用して連続ばりを解くことができる。
6週 たわみ角法 たわみ角法の材端モーメントに関する公式を理解する。
7週 たわみ角法を用いた節点移動のないラーメン構造の解法 たわみ角法を用いて節点移動のないラーメン構造物を解くことができる
8週 簡単な要素(ばね,トラス)の剛性方程式の誘導 簡単な要素の剛性方程式の誘導を理解する
4thQ
9週 全体の剛性方程式の組み方と境界条件の処理 全体の剛性方程式の組み立て方と境界条件の処理方法について学び,マトリクス法による解き方を理解する。
10週 簡単なマトリクス法の例題 簡単な要素によるマトリクス法を用いて未知変位を求めることができる。
11週 マトリクス法の例題 部材座標系表示の剛性方程式を全体座標系に変換して組合せたマトリクス法による例題を解くことができる。
12週 鋼橋の設計:橋の構造形式とその特徴 橋の構造形式の分類ができ,その力学的な特徴が説明できる。
13週 鋼橋の設計:橋に作用する荷重 橋に作用する各種の荷重について説明することができる。
14週 鋼橋の設計:示方書に基づく各種部材の限界値や許容値 道路橋示方書に基づいて限界状態等に基づいた各種部材の限界値や許容値を求めることができる。
15週 鋼橋の設計:鋼材の接合方法とプレートガーダー橋の設計法の概略 高力ボルト,溶接による接合における設計法を理解する。プレートガーダー橋の設計手順について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4後1,後2,後3
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。4後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4後12
橋の構成、分類について、説明できる。4後12
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4後13
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4後14
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4後14
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4後15
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4後15

評価割合

中間試験定期試験課題小テスト合計
総合評価割合30451510100
専門的能力30451510100