河川工学

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 河川工学
科目番号 44237 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「河川工学」 川合 茂、和田 清、神田佳一、鈴木正人(コロナ社) ISBN: 978-4-339-05506-1
担当教員 田中 貴幸

到達目標

(ア)治水・利水・環境保全の観点から河川の管理と整備について説明できる。
(イ)河川とその流域の地形学的特徴および河川の作用と地形の変化について説明できる。
(ウ)水の循環や我が国の降雨特性について説明でき、流出現象と流出モデルについて理解できる。
(エ)河川流解析で頻用される一次元解析、平面二次元解析および河口水理の基礎を理解できる。
(オ)土砂輸送形態と輸送機構および河床波の概要を述べることができる。
(カ)河川計画の基本となる降雨や流量の決定法、様々な水害対策について理解できる。
(キ)河川堤防・護岸・水制といった河川構造物の基本特性とその機能について説明できる。
(ク)港湾法による港湾区分および港湾構造物の特徴を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)治水・利水・環境保全の観点から河川の管理と整備について説明できる。治水・利水・環境保全の観点から河川の管理と整備について理解できる。治水・利水・環境保全の観点から河川の管理と整備について理解できない。
評価項目(イ)河川とその流域の地形学的特徴および河川の作用と地形の変化について理解し、説明できる。河川とその流域の地形学的特徴および河川の作用と地形の変化について理解できる。河川とその流域の地形学的特徴および河川の作用と地形の変化について理解できない。
評価項目(ウ)水の循環や我が国の降雨特性について説明でき、流出現象と流出モデルについて説明できる。水の循環や我が国の降雨特性について説明でき、流出現象と流出モデルについて理解できる。水の循環や我が国の降雨特性について説明でき、流出現象と流出モデルについて理解できない。
評価項目(エ)河川流解析で頻用される一次元解析、平面二次元解析および河口水理の基礎を説明できる。河川流解析で頻用される一次元解析、平面二次元解析および河口水理の基礎を理解する。河川流解析で頻用される一次元解析、平面二次元解析および河口水理の基礎を理解できない。
評価項目(オ)土砂輸送形態と輸送機構および河床波の詳細を述べることができる。土砂輸送形態と輸送機構および河床波の概要を述べることができる。土砂輸送形態と輸送機構および河床波の概要を述べることができない。
評価項目(カ)河川計画の基本となる降雨や流量の決定法、様々な水害対策について理解し、説明できる。河川計画の基本となる降雨や流量の決定法、様々な水害対策について理解できる。河川計画の基本となる降雨や流量の決定法、様々な水害対策について理解できない。
評価項目(キ)河川堤防・護岸・水制といった河川構造物の基本特性とその機能について説明できる。河川堤防・護岸・水制といった河川構造物の基本特性とその機能について理解できる。河川堤防・護岸・水制といった河川構造物の基本特性とその機能について理解できない。
評価項目(ク)港湾法による港湾区分および港湾構造物の特徴を説明できる。港湾法による港湾区分および港湾構造物の特徴を理解できる。港湾法による港湾区分および港湾構造物の特徴を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 工学の基礎理論に裏打ちされた専門知識を身につける
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
河川工学は、生活・農業・工業用水などの必要水量の確保(利水)をしつつ環境保全を考慮した洪水氾濫への対策(治水)といった社会基盤・環境基盤に係る科目である。本講義では、治水・利水・河川環境を追求した流域創生を考える上で不可欠な、地形学と河水循環システム、河川水理学、土砂水理学、河川計画、河川構造物および河川環境の観点から河川工学の基礎事項を学ぶ。また、港湾法や港湾を構成する構造物(防波堤,護岸,係留用岸壁,ドルフィン等)の特徴について解説する。
授業の進め方・方法:
授業は教科書と配布プリントを使用して行う。受講生は予習をしてから受講すること。講義では十分な説明があった後,例題演習を通して理解を深めることができる。
注意点:
水理学IA、IB、IIAおよびIIBの履修を前提として授業を進める。授業には関数電卓を持参すること。(自学自習内容)継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。適宜、授業内容に関する課題(レポート)を課すので、決められた期日までに提出すること。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修5

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 河川工学の役割と河川整備の在り方
(自学自習内容:身近な河川について調べる。)
河川工学の果たす役割と河川整備の在り方について説明できる。
2週 河川の地形:流域の特性、河川の作用
(自学自習内容:身近な地形の特性について調べる。)
河川とその流域の地形学的特徴について説明できる。
3週 河川の地形:流域の特性、河川の作用
(自学自習内容:河川の流域特性や過去の水害について調べる。)
河川の作用と地形の変化について説明できる。
4週 河川の水文学:水文観測、流出現象と解析手法
(自学自習内容:流域平均雨量の求め方について調べる。)
水の循環や我が国の降雨特性について説明できる。降雨量の測定,広域での算定法に習熟する。
5週 河川の水文学:流出現象と解析手法
(自学自習内容:基底流出と直接流出の分離方法の演習に取り組む。)
ハイドログラフにおける基底流出と直接流出の分離方法について説明できる。
6週 河川の水文学:流出現象と解析手法
(自学自習内容:流出モデル(合理式,貯留関数法,タンクモデル)について調べる。)
流出現象と流出モデル(単位図法,合理式,貯留関数法,タンクモデル)について理解できる。
7週 河川の水理特性
(自学自習内容:河川流の解析手法について調べる。)
河川流の解析手法について,その概要を理解する。貯水池や河口の水理も学ぶ。
8週 流砂と河床変動:土砂輸送形態、移動限界、掃流砂、浮遊砂
(自学自習内容:掃流限界の演習に取り組む。)
土砂輸送形態と輸送機構の概要について説明できる。
4thQ
9週 流砂と河床変動:河床変動、河床波
(自学自習内容:土石流発生のメカニズムについて調べる。)
様々な規模の河床変動とその要因について説明できる。
10週 河川治水計画:確率年、基本高水と計画高水、洪水対策
(自学自習内容:確率年の演習に取り組む。)
河川計画の基本となる降雨や流量の決定法、様々な水害対策について理解できる。
11週 河川利水計画:確率年、基本高水と計画高水、洪水対策
(自学自習内容:外水、内水氾濫と洪水対策について調べる。)
外水、内水氾濫の発生要因と洪水対策について説明できる。
12週 河川構造物とその役割:河川堤防、堰、水制
(自学自習内容:伝統的河川工法について調べる。)
河川堤防・護岸・水制といった河川構造物の基本特性とその機能について説明できる。
13週 河川構造物とその役割:堰,ダム,水門,樋門
(自学自習内容:様々な河川構造物について調べる。)
堰,ダム,水門,樋門などの河川構造物の基本特性とその機能について説明できる。
14週 港湾法や港湾を構成する構造物
(自学自習内容:港湾施設や構造物について調べる。)
防波堤,護岸,係留用岸壁,ドルフィンなどの港湾構造物の特徴について理解する。
15週 河川工学の総まとめ
(自学自習内容:河川工学に関する演習に取り組む。)
河川工学に関する様々な演習や総まとめの演習等を実施する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)水の状態変化が説明できる。4後4
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理河川の分類と流域について、説明できる。4後1,後2,後3,後15
河川の管理と整備について、説明できる。4後1,後2,後3,後15
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。4後4,後5,後6
水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。4後4,後5,後6,後15
河道およびダムによる洪水対策を説明できる。4後10,後11
都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。4後10,後11,後15
日本の水資源の現況について、説明できる。4後1,後4
河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。4後12,後13,後15

評価割合

定期試験課題小テスト合計
総合評価割合502030100
専門的能力502030100