水域環境

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 水域環境
科目番号 45109 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定しない。/適宜プリントを配布する。
担当教員 山下 清吾

到達目標

(ア)吸着反応過程数理モデルを理解し、着目物質濃度の時間変化データから反応速度係数を求めることができる。
(イ)吸着反応過程数理モデルを理解し、着目物質濃度の時間変化データから反応速度係数を求めることができる。
(ウ)拡散の概念と拡散方程式を理解する。
(エ)湖沼での水温分布と特性について現象過程を説明できる。
(オ)海洋および海岸における特徴的な水質問題について理解し,説明できる。
(カ)淡水魚や底生生物の河川形態や河川構造物との関わりを理解する
(キ)河川環境の創造と保全について,その基本的な考え方を理解する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安実到達レベルの目安
水質変化反応式の基礎水質変化における0次反応式と1次反応式を理解し,その特性を説明できる。反応速度式で着目物質の与時点での濃度を推定できる。水質変化における0次反応式と1次反応式を理解し,その特性を説明できる。水質変化における0次反応式と1次反応式が理解できない。
吸着と酵素基質反応による水質変化吸着反応および酵素・基質反応式で,着目物質濃度の時間変化データから反応速度係数を求めることができる。吸着反応の数理モデルと,酵素・基質反応の数理モデルの導出過程を理解することができる。吸着反応の数理モデルと,酵素・基質反応の数理モデルを理解できない。
水域と生態系水域での植生,魚類,小動物の生態に,河川,港湾での水質や流況がもたらす影響を理解し,他者に説明することができる。水域での植生,魚類,小動物の生態に,河川,港湾での水質や流況がもたらす影響を理解することができる。水域での植生,魚類,小動物の生態に,河川,港湾での水質や流況がもたらす影響を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 工学の基礎理論に裏打ちされた専門知識を身につける
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
地球上で水分のあるところを水圏あるいは水域と言う。 水域は大きく,地下,地表,大気に分けられる。地下水に関する内容は,第4学年での地下環境で履修しているので,本講義では,地表面(河川,湖沼)と海洋の水環境について学ぶ。河川と湖沼においては,水質濃度の数学モデルと密度流を学習する。海洋においては流れによる物質輸送,海域における汚染,汚濁の問題を採りあげる。最後に,河川における動植物が水環境とどのように関わっているかを学び,河川環境の保全について考える。
授業の進め方・方法:
注意点:
予習と復習を欠かさないこと。関数電卓を持参すること。_x000D_ 継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。適宜、授業内容に関する課題を決められた期日までに提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水質を決めるもの:栄養塩,プランクトン,有機汚濁の具体例 河川,港湾などの水域での水質とそれらの指標について基本的な考え方を理解する。
2週 水域での反応機構:化学反応速度と数式モデル 水域での水質変化について,0次反応と1次反応を理解する。
3週 水域での反応機構:吸脱着による水質変化 吸着による浄化を理解し,吸着反応式を使って水質推定計算を行うことができる。
4週 水域での反応機構:酵素・基質反応 酵素・基質による水質変化を理解し、酵素・基質反応による水質浄化の程度を推定できる。
5週 生態系と水質:食物連鎖,水生植物の光合成,水棲生物の機能 淡水魚や底生生物の河川形態や河川構造物との関わりを理解する
6週 水質モデル:河川水質モデル,湖沼水質モデル,湖沼と沿岸海洋の生態系モデル 河川,港湾,湖沼での水質を表す代表的なモデル式を理解する。
7週 拡散現象:拡散方程式,乱流拡散方程式 拡散の概念と拡散方程式を理解する。
8週 拡散現象:拡散方程式,乱流拡散方程式 拡散の概念と拡散方程式を理解する。
2ndQ
9週 湖沼と貯水池の水環境:水温成層,富栄養化問題,湖沼の水質改善 湖沼での水温分布と特性について現象過程を説明できる。
10週 湖沼と貯水池の水環境:水温成層,富栄養化問題,湖沼の水質改善 湖沼での水温分布と特性について現象過程を説明できる。
11週 海洋の水環境:海流,潮汐流,海水生物,閉鎖性内湾の水質 海洋および海岸における特徴的な水質問題について理解し,説明できる。
12週 河川の水環境1:河川の物理環境,河川の化学環境,河川の自浄作用 河川の水質,移動物質による物理的化学的な循環の概要を理解する。
13週 河川の水環境1:河川の物理環境,河川の化学環境,河川の自浄作用 河川の自浄作用減少を理解し,ストリータ・フェルプス式で溶存酸素を与時点与地点で推定できる。
14週 河川の水環境2:河川の植生,河川の魚類と底生生物,河川環境の保全 河川水域における植生,魚類,小動物などの生態を把握する。
15週 河川の水環境2:河川の植生,河川の魚類と底生生物,河川環境の保全 多自然型河川工法を理解し,その内容と環境への効果について他者に説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。3前12,前13
物質循環と微生物の関係を説明できる。3前5
土壌汚染の現状を説明できる。3

評価割合

定期試験小テスト合計
総合評価割合6040100
専門的能力6040100