鋼構造

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 鋼構造
科目番号 45113 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 鋼構造学(原隆ら)
担当教員 川西 直樹

到達目標

本講義は,環境都市工学の分野における鋼構造物として代表的な鋼橋について,特徴,種類,設計法などについて学ぶことで,鋼構造に対する基礎的な知識,技術を身に着けてもらうことを主な目的としている。
さらに,鋼橋の事例として最も多いプレートガーダー橋について,その設計法をより深く,具体的に学ぶことで,実践的な鋼橋の設計,施工に対する技術者を養成することも目的としている。
なお,本講義は,鋼橋の設計・施工について実務経験を有した教員による行われるものである。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:鋼橋の種類,特徴正確な力学的な知見に基づいて鋼橋の種類,特徴について説明することができる鋼橋の種類,特徴について説明することができる鋼橋の種類,特徴について説明することができない
評価項目2:鋼橋の各部材の設計法正確な力学的な知見に基づいて鋼橋の各種部材の設計法を理解し,説明することができる鋼橋の各種部材の設計法を理解し,説明することができる鋼橋の各種部材の設計法を理解していない
評価項目3:プレートガーダー橋の設計法プレートガーダー橋の設計法について理解し,設計することができるプレートガーダー橋の設計法について理解しているプレートガーダー橋の設計法について理解していない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A2 社会システムの技術的な検討や評価を行い、多角的視野からシステムや構造物の設計能力を身につける
JABEE a 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
JABEE e 種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE h 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
前半では,鋼構造物の概論(歴史,種類,力学的な特徴),鋼橋の設計法の流れ,各部材の設計法を学ぶことで,鋼構造物の設計法の基礎を学ぶ。後半では,最も事例の多いプレートガーダー橋に焦点をしぼってその設計法について詳しく学ぶ。最後に鋼橋の製作方法,架設方法についても学ぶことで,鋼構造物についての設計,製作,架設に至るまでの広範にわたる実践的な知識,技術を身に着けることを目的としている。なお,本講義は,鋼橋の設計・施工について実務経験を有した教員による行われるものである。
授業の進め方・方法:
基本的には教科書にそって座学により授業を進める。また,プリントなどの副教材を適宜配布し,視覚的にも分かりやすい授業に努める。
注意点:
講義内容な広範にわたるため,授業進度は早い。このため,本講義の内容を効率的に理解し,身につけるため,次の週の講義内容に関する教科書の箇所を読んで毎週予習しておくことが必要不可欠となる。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修6

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鋼構造の歴史と実構造物への適用(1.1,1.2の予習) 鋼構造の歴史を理解し,実構造物への適用事例を説明できる
2週 鋼構造の特徴,種類と性質(1.3の予習) 鋼構造物の種類,特徴について説明できる
3週 鋼材の種類と性質(1.4,1.5の予習) 鋼材の種類と性質,特徴について理解している
4週 鋼橋の構成と分類(2.1, 2.2の予習) 鋼橋の構成,分類について説明できる。
5週 鋼橋の設計概説(2.3, 2.4, 2.5の予習) 鋼橋の設計法の流れについて説明できる
6週 鋼橋の設計荷重と疲労設計(2.6の予習) 鋼橋に作用する荷重の分類を説明できる
7週 圧縮部材の力学特性(3.1の予習) 圧縮部材の設計法の概要を説明でき,安全率,許容応力度などについて説明できる
8週 引張,曲げ部材の力学特性(3.2,3.3の予習) 引張力,曲げモーメントを受ける部材の設計法を説明できる
2ndQ
9週 部材の接合設計法(溶接接合)(3.4の予習) 部材の接合方法について説明でき,溶接接合について簡単な例に対して計算できる
10週 部材の接合設計法(高力ボルト接合)(3.4の予習) 部材の接合方法について説明でき,高力ボルト接合について簡単な例に対して計算できる
(3.4の予習)
11週 プレートガーダー橋の構造と設計方法の概要(4.1, 4.2, 4.3の予習) プレートガーダー橋の構造と設計方法の流れを説明できる
12週 床版,主桁の設計方法(4.4,4.5の予習) 床版,主桁の設計法について理解している
13週 添接,横桁,対傾構の設計(4.6-4.8の予習) プレートガーダー橋の添接,横桁,対傾構の設計に理解している
14週 鋼橋の製作(5.1の予習) 鋼橋の製作方法の概要について説明することができる
15週 鋼橋の架設(5.2の予習) 鋼橋の架設方法について説明することができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4前1,前2,前3
橋の構成、分類について、説明できる。4前4
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4前6
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4前7
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4前7,前8
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4前9,前10
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4前11,前12,前13

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100