物理ⅡA

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 物理ⅡA
科目番号 02125 科目区分 一般 / 必履修,選択必修(理)
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「高専テキストシリーズ 物理(上)力学・波動」 潮 秀樹 監修 (森北出版株式会社)     「高専テキストシリーズ 物理(下)熱・電磁気・原子」 潮 秀樹 監修 (森北出版株式会社)/「高専の物理問題集」 田中富士男 編集 (森北出版株式会社),「リードα物理Ⅰ・Ⅱ」(数研出版)
担当教員 榎本 貴志

到達目標

(ア)剛体の回転について,力や力のモーメントのつり合いの式を立てることができる。
(イ)大気圧や水圧の原因を理解し,計算することができる。
(ウ)アルキメデスの原理(浮力と体積の関係)を理解している。
(エ)比熱を使って,物質の熱容量を計算できる。
(オ)熱エネルギ保存則を用いて,固体の比熱測定原理を理解できる。
(カ)ボイル・シャルルの法則を使って,気体の体積・圧力・温度を計算することができる。
(キ)理想気体の状態方程式を使って,気体のモル数を求めることができる。
(ク)気体の温度から,内部エネルギと分子の平均運動エネルギ(平均の速さ)を計算することができる。
(ケ)熱力学の第一法則から,定圧変化・定積変化・等温変化・断熱変化の式を導くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)力や力のモーメントのつり合いの式を立て,剛体の回転についての応用問題を解くことができる。力や力のモーメントのつり合いの式を立て,剛体の回転についての基本問題を解くことができる。力や力のモーメントのつり合いの式を立て,剛体の回転についての基本問題を解くことができない。
評価項目(イ)大気圧や水圧の原因を理解し,これらに関する応用問題を解くことができる。大気圧や水圧の原因を理解し,これらに関する基本問題を解くことができる。大気圧や水圧の原因を理解し,これらに関する基本問題を解くことができない。
評価項目(ウ)アルキメデスの原理(浮力と体積の関係)を理解し、浮力に関する応用問題を解くことができる。アルキメデスの原理(浮力と体積の関係)を理解し、浮力に関する基本問題を解くことができる。アルキメデスの原理(浮力と体積の関係)を理解し、浮力に関する基本問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
我々の身の周りでは,熱の発生・移動・消費が頻繁に見られる。普段の快適な生活が成り立っているのは,人間が熱を制御する方法を知っているためである。本講義では,熱現象を物理的に取り扱う(熱力学)。具体的には,熱の移動を熱エネルギ保存という観点から把握していく。また,物質の熱的な特性についても講義する。さらに,力学的エネルギと熱エネルギの関係についても言及する。なお,講義の前半では,剛体や流体に働く力について学ぶ。
授業の進め方・方法:
注意点:
「高専の物理問題集」は,講義中に演習問題として使うことが多いので,必ず携帯すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 剛体に働く力: 力のモーメントとつり合いの条件 力のモーメントの定義を理解し、剛体の回転との関係を説明できる。
2週 剛体に働く力: 力のモーメントとつり合いの条件 作用線の原理などを用いて、複雑な場合の力のモーメントを計算できる。
3週 剛体に働く力: 力のモーメントとつり合いの条件 力のモーメントや力のつりあいを用いて、剛体のつりあいの条件を計算することができる。
4週 流体に働く力: 空気や液体による圧力,浮力(アルキメデスの原理) 流体にはたらく圧力の仕組みを知り、高低差と圧力差の関係を説明することができる。
5週 流体に働く力: 空気や液体による圧力,浮力(アルキメデスの原理) 浮力が発生する仕組みを知り、浮力がはたらく問題を解くことができる。
6週 温度と熱: 熱平衡,熱の仕事当量,固体の熱膨張 熱とエネルギーの関係を理解し、熱平衡や熱膨張について説明することができる。
7週 熱量: 物質の比熱と熱容量,固体の比熱測定,物質の相変化 物質の比熱について理解し、関連する問題を解くことができる。
8週 熱量: 物質の比熱と熱容量,固体の比熱測定,物質の相変化 物質の相変化や潜熱について理解し、相変化を含む温度変化に関する問題を解くことができる。
2ndQ
9週 理想気体: 理想気体の性質,ボイル・シャルルの法則,理想気体の状態方程式 理想気体の状態方程式について理解し、関連する問題を解くことができる。
10週 気体の分子運動: 分子運動と内部エネルギ,分子の平均運動エネルギ 気体分子の熱運動と圧力の関係について理解し、平均運動エネルギや内部エネルギを説明できる。
11週 気体の分子運動: 分子運動と内部エネルギ,分子の平均運動エネルギ 平均運動エネルギや内部エネルギの式を用いて、気体分子の平均速度と温度が関わる問題を解ける。
12週 熱力学第一法則: 定圧変化,定積変化,等温変化,断熱変化,モル比熱 熱力学第一法則について理解し、気体の定圧変化や定積変化に関わる問題を解くことができる。
13週 熱力学第一法則: 定圧変化,定積変化,等温変化,断熱変化,モル比熱 熱力学第一法則について理解し、機体の等温変化や断熱変化に関わる問題を解くことができる。
14週 熱力学第二法則: 熱機関,熱効率 熱力学第二法則について理解し、熱機関や熱効率について説明することができる。
15週 前期のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
力のモーメントを求めることができる。3前1
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前2,前3
重心に関する計算ができる。3前2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前10
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前6
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前7
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前8
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3前8
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3前9,前10
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前11
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前12,前13
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前14
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3前14
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3前14

評価割合

定期試験小テスト課題合計
総合評価割合503020100
基礎的能力503020100