哲学Ⅰ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 哲学Ⅰ
科目番号 04108 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定しない/伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(ちくま新書)ISBN:978-4480062451,伊勢田哲治/戸田山和久/調麻佐志/村上祐子編『科学技術をよく考える―クリティカルシンキング練習帳―』(名古屋大学出版会)ISBN:978-4815807283
担当教員 北野 孝志

到達目標

(ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
(イ)これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、そこでの議論を概念的に分析しつつ理解することができる。
(ウ)様々な価値観を理解し、それぞれの価値問題について合意形成するプロセスを理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、現代社会の問題を主体的に考え、的確な表現を用いて説明することができる。哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができない。
評価項目(イ)これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、そこでの議論を概念的に分析しつつ理解し、主体的に考察することができる。これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、そこでの議論を概念的に分析しつつ理解することができる。これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、そこでの議論を概念的に分析しつつ理解することができない。
評価項目(ウ)様々な価値観を理解し、それぞれの価値問題について合意形成するプロセスを理解し、的確に実践できる。様々な価値観を理解し、それぞれの価値問題について合意形成するプロセスを理解できる。様々な価値観を理解し、それぞれの価値問題について合意形成するプロセスを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 E1 日本や世界の文化や歴史を、地球的な視点から多面的に認識し、建築技術が社会に与える影響を理解する能力を修得する。
JABEE a 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
本校教育目標 ⑤ 技術者倫理

教育方法等

概要:
科学技術が飛躍的に進歩し、複雑化した現代の社会においては、物事を批判的に検討し、問題を的確に分析して判断する能力が要求される。この授業では、哲学的思考を活用して実際の問題を批判的・論理的に考え判断することができるように、クリティカル・シンキングの手法を学ぶ。また、いくつかの事例を通して、現代社会の諸問題を主体的に考え、クリティカル・シンキングを実践しつつ、自分の考えを論理的に表現することができるようになることを目指す。
授業の進め方・方法:
それぞれの授業内容についてパワー・ポイントの資料を使って説明する。理解度の確認のため、練習問題を解いたり課題を実施したりなどもする。
注意点:
あらかじめ資料が提示された場合には、授業前に読んでおくこと。また、継続的に授業内容の復習を行うこと。

選択必修の種別・旧カリ科目名

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業へのイントロダクション:「哲学的思考」とは何か (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
2週 主張と議論:議論とは何か(復習:配布資料,練習問題) (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
3週 主張と議論:議論の流れ(接続と指示)(復習:配布資料,練習問題) (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
4週 主張と議論:議論の再構成(復習:配布資料,課題の完成) (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
5週 科学的思考:「科学的事実」の信頼性(復習:配布資料) (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
6週 科学的思考:反証可能性(復習:配布資料) (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
7週 科学的思考:日常生活における科学的思考法の実践(復習:配布資料) (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
8週 哲学的懐疑主義と文脈主義:デカルトの方法的懐疑(復習:配布資料) (イ)これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、そこでの議論を概念的に分析しつつ理解することができる。
2ndQ
9週 哲学的懐疑主義と文脈主義:論証の形式(根拠と結論)と論理的推論(復習:配布資料,練習問題) (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
10週 哲学的懐疑主義と文脈主義:文脈主義の考え方(復習:配布資料) (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
11週 価値主張のクリティカル・シンキング:価値主張と倫理的懐疑主義(復習:配布資料) (ウ)様々な価値観を理解し、それぞれの価値問題について合意形成するプロセスを理解できる。
12週 価値主張のクリティカル・シンキング:「生きる意味」の哲学的分析(復習:配布資料) (ウ)様々な価値観を理解し、それぞれの価値問題について合意形成するプロセスを理解できる。
13週 不確実性と合意形成:不確実な状況における推論の問題(復習:配布資料,課題の完成) (ウ)様々な価値観を理解し、それぞれの価値問題について合意形成するプロセスを理解できる。
14週 不確実性と合意形成:立場の違いに起因する問題、クリティカル・シンキングの倫理性(復習:配布資料) (ウ)様々な価値観を理解し、それぞれの価値問題について合意形成するプロセスを理解できる。
15週 授業のまとめ (ア)哲学的思考を活用して論理的に考える方法を理解し、的確な表現を用いて説明することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前8,前12,前15
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能合意形成のために会話を成立させることができる。3前13,前14
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前15
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前15
複数の情報を整理・構造化できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前15
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前15

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合5050100
基礎的能力5050100