建築構造力学ⅠA

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 建築構造力学ⅠA
科目番号 52124 科目区分 専門 / 選択必修5
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「テキスト建築構造力学Ⅰ」阪口 理ほか編著(学芸出版社)/「建築構造の力学Ⅰ」寺本隆幸著(森北出版)
担当教員 今岡 克也

到達目標

(ア)互いに平行な2つ以上の力の釣り合い力を求めることができる。
(イ)平行でない2つ以上の力の釣り合い力を求めることができる。
(ウ)部材や骨組みの不静定次数を求めることができる。
(エ)片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に集中荷重が作用した場合,支点に作用する反力を求めることができる。
(オ)片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に等分布荷重が作用した場合,支点に作用する反力を求めることができる。
(カ)片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁にモーメント荷重が作用した場合,支点に作用する反力を求めることができる。
(キ)片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に集中荷重が作用した場合,せん断力図と曲げモーメント図を求めることができる。
(ク)片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に等分布荷重が作用した場合,せん断力図と曲げモーメント図を求めることができる。
(ケ)片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁にモーメント荷重が作用した場合,せん断力図と曲げモーメント図を求めることができる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)単純梁や片持ち梁に等分布荷重等が作用した場合に、支点に作用する反力を求めることができる単純梁や片持ち梁に集中荷重等が作用した場合に、支点に作用する反力を求めることができる単純梁や片持ち梁に集中荷重等が作用した場合に、支点に作用する反力を求めることができない
評価項目(イ)単純梁等に集中荷重が作用した場合に、梁の変形を説明でき、梁の応力図を描くことができる単純梁等に集中荷重が作用した場合に、梁の応力図を描くことができる単純梁等に集中荷重が作用した場合に、梁の応力図を描くことができない
評価項目(ウ)単純梁等に等分布荷重が作用した場合に、梁の変形を説明でき、梁の応力図を描くことができる単純梁等に等分布荷重が作用した場合に、梁の応力図を描くことができる単純梁等に等分布荷重が作用した場合に、梁の応力図を描くことができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 建築分野の必要な基礎的知識や技術を修得する。
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
建物の安全性を確保するには,建物自身の重さ・積載物・雪などの鉛直力と,地震や風などの水平力によって,部材に生じる応力度を材料の許容値以下に押さえる必要がある。この講義では建築構造力学の初歩として,力とモーメントの釣合い式で解くことのできる静定梁を対象として,支点に作用する反力と部材に作用する応力分布を求めることを目標にしている。対象とする静定梁は,片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁の3種類であり,外力は集中荷重・等分布荷重・モーメント荷重の3種類である。なお,本講義は数学・物理の応用科目である。
授業の進め方・方法:
この授業は,はじめに教科書に沿って概要を説明し,次に例題の問題を黒板に書きながら説明して解き,最後に課題を受講学生に配布して解いてもらう。課題の回答を作成した学生は,教卓にある模範解答と見比べて,必要ならば修正して提出する。
注意点:
斜めの力を分解するために三角関数の知識が必要である。ほとんど全ての授業で課題に相当する演習を実施するので電卓と定規を持参すること

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力とモーメントの釣り合い,互いに平行な2つ以上の力の合力と釣り合い力 :力の3要素 互いに平行な2つ以上の力の釣り合い力を求めることができる
2週 平行でない2つ以上の力の合力と釣り合い力 :斜めの力の分解,sin cos 始点が等しく、平行でない2つ以上の力の釣り合い力を求めることができる
3週 平行でない2つ以上の力の合力と釣り合い力 :斜めの力の分解,sin cos 任意の平行でない2つ以上の力の釣り合い力を求めることができる
4週 支点や反力の種類と不静定次数 :ローラー支点,ピン支点,固定支点,剛節点,ピン節点 梁や構造物の不静定次数を求めて、安定と不安定の区別が付けられる
5週 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に集中荷重が作用した場合の支点に作用する反力 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に集中荷重が作用した場合の支点の反力を求めることができる
6週 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に等分布荷重が作用した場合の支点に作用する反力 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に等分布荷重が作用した場合の支点の反力を求めることができる
7週 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁にモーメント荷重が作用した場合の支点に作用する反力 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁にモーメント荷重が作用した場合の支点の反力を求めることができる
8週 応力の種類と梁の応力図の描き方 :せん断力(Q図),曲げモーメント(M図) 片持ち梁に集中荷重が作用した場合のせん断力図と曲げモーメント図(応力図)を描くことができる
2ndQ
9週 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に集中荷重が作用した場合の応力分布 単純梁に集中荷重が作用した場合の応力図を描くことができる
10週 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に集中荷重が作用した場合の応力分布 跳ね出し梁に集中荷重が作用した場合の応力図を描くことができる
11週 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に等分布荷重が作用した場合の応力分布 片持ち梁・単純梁に等分布荷重が作用した場合の応力図を描くことができる
12週 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁に等分布荷重が作用した場合の応力分布 跳ね出し梁に等分布荷重が作用した場合の応力図を描くことができる
13週 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁にモーメント荷重が作用した場合の応力分布 垂直材のある片持ち梁に集中荷重が作用した場合の応力図を描くことができる
14週 片持ち梁・単純梁・跳ね出し梁にモーメント荷重が作用した場合の応力分布 垂直材のある単純梁に集中荷重が作用した場合の応力図を描くことができる
15週 前期のまとめ 片持ち梁形のゲルバー梁に集中荷重が作用した場合の応力図を描くことができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。4前1
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。4前1,前2,前3
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。4前4
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。4前5,前6,前7
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。4前4
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合254530100
基礎的能力254530100