建築環境工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 建築環境工学Ⅰ
科目番号 53105 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「最新建築環境工学」田中俊六 他 著 (井上書院)
担当教員 鈴木 健次

到達目標

(ア)建築に関する気候風土および自然・都市環境について説明できる。
(イ)太陽位置や日影位置および簡単な日射量の計算ができる。
(ウ)日影曲線図や日差し曲線図を作成し、建物の日照評価ができる。
(エ)視覚特性と明視条件の関係を説明でき、測光量を利用して光環境を定量的に評価できる。
(オ)色を三属性および表色系で表現でき、一般的な色彩心理や色彩計画を説明できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目1太陽位置および日影位置の計算に基づき,日照・日射の調節計画ができる。太陽位置および日影位置の計算ができる。太陽位置および日影位置の計算ができない。
評価項目2日影曲線や日差し曲線を利用して,日影時間や日照時間を求め,建物の日照評価ができる。日影曲線や日差し曲線を利用して,日影時間や日照時間を求めることができる。日影曲線や日差し曲線を利用して,日影時間や日照時間を求めることができない。
評価項目3照度の計算ができ,採光・照明計画ができる。照度の計算ができる。照度の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 建築分野の必要な基礎的知識や技術を修得する。
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
本科目は「建築環境工学Ⅱ」および「建築環境工学Ⅲ」とシリーズになっており、建築環境全般を熱環境・光環境・空気質環境・音環境の4分野に分けて解説する。本科目では、総論として建築環境工学が建築計画原論と呼ばれていた所以を知り、建築物をとりまく自然環境・地球環境に関する要素の基礎を学ぶ。その後、採光、照明および色彩に関する基礎事項および定量的な評価方法を学び、快適な室内光環境を提供するための方法を修得する。
授業の進め方・方法:
課題を通して、知識だけにとどまらず、物理的な建築の見方、考え方を学ぶ。
注意点:
関数電卓を毎授業持参すること。
(自学自習内容)継続的に授業内容の予習・復習を行い,学習内容の理解を深めること。これを確認するための小テストを実施する。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修3

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 建築環境工学の建築・都市・地球環境における役割:建築計画原論、風土、気候、気象、地球環境など(予習:教科書pp.13-28) 風土と建築について説明できる。気候,気象について説明できる。
2週 日照の計算方法と評価方法:真太陽時、太陽方位角、日照率、日影曲線、日差し曲線など(予習:太陽効果、真太陽時) 太陽の効果について説明できる。真太陽時について説明できる。
3週 日照の計算方法と評価方法:真太陽時、太陽方位角、日照率、日影曲線、日差し曲線など(予習:太陽高度と太陽方位角) 太陽位置について説明できる。
4週 日照の計算方法と評価方法:真太陽時、太陽方位角、日照率、日影曲線、日差し曲線など(予習:隣棟間隔、日影曲線) 日影曲線について説明できる。
5週 日照の計算方法と評価方法:真太陽時、太陽方位角、日照率、日影曲線、日差し曲線など(予習:日照時間、日差し曲線) 日照時間,日差し曲線,日照率について説明できる。
6週 日射の計算と日照・日射の調節方法:直達日射、天空日射、地表面放射、日照特性、日照調整など(予習:日射・長波長放射) 日射量の計算ができる。
7週 日射の計算と日照・日射の調節方法:直達日射、天空日射、地表面放射、日照特性、日照調整など(予習:日照特性、日照調整) 日照および日射の調節方法について説明できる。
8週 日射の計算と日照・日射の調節方法:直達日射、天空日射、地表面放射、日照特性、日照調整など(予習:日照・日射の計算、評価及び調節方法) 日照と日射について説明できる。
2ndQ
9週 視覚と明視条件との関係:視環境、視覚、順応、視感度、色覚、明視条件、グレア、フリッカー、色収差など(予習:視覚、順応、視感度、色覚、明視条件) 視覚と光の関係について説明できる。明視,グレアについて説明できる。
10週 測光量と単位および照度計算方法:光束、光度、光束発散度、照度、輝度、入射法則、直接照度、間接照度など(予習:光束、光度、光束発散度、照度、輝度) 測光量について説明できる。照度計算ができる。
11週 昼光光源の評価方法と採光方式:昼光光源、昼光率、立体角投射率、採光計画など(予習:採光、昼光光源、昼光率、採光計画) 採光および採光計画について説明できる。
12週 人工光源の種類と照明方式:人工光源、照明方式、均斉度、輝度分布、光束法、逐点法など(予習:人工光源、照明方式、均斉度、輝度分布) 人工照明について説明できる。照明計画ができる。
13週 色彩の属性と表現方法:色の3属性、3原色、標準表色、色票、混色など(予習:色の3属性、3原色、標準表色、色票、混色) 表色系について説明できる。
14週 色彩の心理、建築における色彩計画画:対比効果、同化効果、順応、識別効果、機能配色、色彩技法など(予習:対比効果、同化効果、順応、識別効果、配色) 色彩計画の基礎を知っている。
15週 まとめ(復習:日照・日射計画、光環境計画、色彩計画) 光環境分野における建築的手法について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野環境・設備風土と建築について説明できる。3前1
気候、気象について説明できる。3前1
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。3前1
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。3前1
ヒートアイランドの現象について説明できる。3前1
大気汚染の歴史と現象について説明できる。3前1
都市環境における緑の役割について説明できる。3前1
建設地と太陽位置について説明できる。3前2,前3
日照および日射の調節方法について説明できる。3前4,前5,前7,前8
日照時間および日照時間図について説明できる。3前4,前5
日照と日射の使い分けについて説明できる。3前2,前6,前8
紫外線、赤外線、可視光線の効果の違いを説明できる。3前2
視覚と光の関係について説明できる。3前9,前10
明視、グレアの現象について説明できる。3前9
採光および採光計画について説明できる。3前7,前8,前10,前11
人工照明について説明できる。3前10,前12
照明計画および照度の計算ができる。3前10
表色系について説明できる。3前13
色彩計画の概念を知っている。3前14
自然再生可能エネルギー(例えば、風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器など)の特徴について説明できる。3前6,前7,前8,前15
エネルギー削減に関して建築的手法(建築物の外皮(断熱、窓など))を適用することができる。3前7,前8,前15
省エネルギー(コジェネレーション等を含む)について説明できる。3前7,前8,前15
建築設備(配線・管、配線・管スペース、施工法など)を、設備(自然環境・電気・空調・給排水の分野)計画に適用できる。3前15

評価割合

中間試験定期試験小テスト合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100