建築環境工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 建築環境工学Ⅱ
科目番号 53206 科目区分 専門 / 選択必修3
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 「最新建築環境工学」田中俊六 他 著 (井上書院)
担当教員 鈴木 健次

到達目標

(ア)建築物における伝熱プロセスが説明できる。
(イ)総合熱伝達率、熱貫流率、熱貫流量が計算できる。
(ウ)建築物における簡単な定常伝熱計算ができる。
(エ)建物の断熱・気密性能と室温変動との関係が説明できる。
(オ)湿り空気線図の基礎的な利用ができる。
(カ)建築物における簡単な定常透湿計算ができる。
(キ)結露防止および結露水対策の方法を説明できる。
(ク)温熱環境指標を適切に利用できる。

ルーブリック

最低限の到達レベルの目安(優)最低限の到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目(ア)建築物における伝熱プロセスが説明でき、建物の熱特性が説明できる建築物における伝熱プロセスが説明できる建築物における伝熱プロセスが説明できない
評価項目(イ)建築物における簡単な定常伝熱計算ができ、建物の熱負荷について説明できる建築物における簡単な定常伝熱計算ができる建築物における簡単な定常伝熱計算ができない
評価項目(ウ)建築物における簡単な定常透湿計算ができ、結露防止対策を説明できる建築物における簡単な定常透湿計算ができる建築物における簡単な定常透湿計算ができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 建築分野の必要な基礎的知識や技術を修得する。
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
「建築環境工学Ⅰ」に引き続き建築環境全般を解説するシリーズである。本科目では、熱移動の基本的な3つのプロセスである熱伝導、熱対流、熱放射についての基礎事項を学ぶ。次に、建築における伝熱の取り扱いおよび室温変動に関する理論や計算方法を学び、快適な室内温熱環境を提供するための方法を修得する。
授業の進め方・方法:
課題演習を通して、知識だけにとどまらず、ものの見方,考え方を学ぶ。
注意点:
「建築環境工学Ⅰ」を修得していることが望ましい。
関数電卓を毎授業持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 熱力学の法則、伝熱プロセスの基礎:熱量、熱流、温度、オームの法則(予習:伝熱プロセス) 伝熱の基礎について説明できる
2週 熱伝導の理論と計算方法:熱伝導率(予習:伝導熱) 熱伝導について説明及び計算ができる
3週 熱対流の理論と計算方法:温度境界層、対流熱伝達率(予習:対流熱) 熱対流について説明及び計算ができる
4週 熱放射の理論と計算方法:放射熱伝達率(予習:放射熱) 熱放射について説明及び計算ができる
5週 熱貫流の理論と計算:総合熱伝達率、熱貫流率(予習:貫流熱) 熱貫流について説明及び計算ができる
6週 建物への熱授受の理論と計算:SAT、熱負荷(予習:相当外気温、熱負荷) 建物の熱負荷について説明及び計算ができる
7週 断熱・気密性能と建物の熱特性との関係:蓄熱、熱容量、断熱、気密、パッシブシステム(予習:建物熱容量) 室温の形成について説明できる
8週 建物の熱負荷と熱特性:熱流量の計算と建物の熱特性(予習:建物熱特性) 建物の熱負荷計算ができ、熱特性について説明できる
4thQ
9週 湿度の表し方、結露の影響:湿り空気、湿度、結露(予習:湿度) 湿り空気について説明できる
10週 湿り空気線図の使い方:湿り空気線図、潜熱、顕熱、加湿、減湿(予習:湿り空気線図) 湿り空気線図について説明でき、使うことができる
11週 建材の湿気に対する特性、透湿計算の方法:含湿率、吸放湿、表面結露(予習:表面結露) 建材の含湿、表面結露について説明及び計算ができる
12週 透湿計算の方法:内部結露(予習:透湿、内部結露) 透湿計算ができる
13週 結露対策の基本:水蒸気発生量、防湿層、断熱、熱橋、換気(予習:結露の害) 結露対策が説明できる
14週 温熱環境指標の理論:温熱6要素、体温調節機序(予習:温熱要素) 温熱環境要素について説明できる
15週 温熱環境指標の理論と利用方法:SET*、PMV、局所不快感(予習:温熱環境指標) 温熱環境指標について説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野環境・設備風土と建築について説明できる。3後8,後13
気候、気象について説明できる。3後8,後13
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。3後8,後13
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。3後8,後13
伝熱の基礎について説明できる。3後1,後2,後3,後4
熱貫流について説明できる。3後5,後6
室温の形成について理解している。3後6,後7,後8
温熱環境要素について説明できる。3後14
温熱環境指標について説明できる。3後15
湿り空気、空気線図について説明できる。3後9,後10
結露現象について説明できる。3後9,後10,後11,後13
室内環境基準について説明できる。3後9,後14,後15
熱負荷計算法、空気線図、空気の状態値について説明できる。3後9,後10
自然再生可能エネルギー(例えば、風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器など)の特徴について説明できる。3後6,後7,後8
エネルギー削減に関して建築的手法(建築物の外皮(断熱、窓など))を適用することができる。3後6,後7,後8
省エネルギー(コジェネレーション等を含む)について説明できる。3後6,後7,後8
建築設備(配線・管、配線・管スペース、施工法など)を、設備(自然環境・電気・空調・給排水の分野)計画に適用できる。3後6,後7,後8

評価割合

定期試験中間試験小テスト合計
総合評価割合503020100
専門的能力503020100