建築環境工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 建築環境工学Ⅲ
科目番号 54107 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 「最新建築環境工学」田中俊六 他 共著 (井上書院)/「建築環境工学用教材 環境編」日本建築学会 編著 (日本建築学会)
担当教員 森上 伸也

到達目標

(ア)空気汚染物質と汚染物質が人体に与える害について説明できる。
(イ)汚染物質に対する必要換気量が計算でき、風力換気、重力換気の計算ができる。
(ウ)気密性の評価方法、通風率を説明でき、建物の換気、通風の計画ができる。
(エ)音波の性質、音の要素と聴覚との関係を説明でき、音圧レベルの計算ができる。
(オ)残響時間、明瞭度による室内音響評価方法を説明できる。
(カ)室形状による音響特性、音響障害を説明できる。
(キ)透過損失、衝撃音、騒音の評価ができる。
(ク)建物の用途別音響計画を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)空気汚染物質と汚染物質が人体に与える害について説明できる。空気汚染物質について説明できる。空気汚染物質について説明できない。
評価項目(イ)汚染物質に対する必要換気量が計算でき、風力換気、重力換気の計算ができる。汚染物質に対する必要換気量が計算できる。汚染物質に対する必要換気量が計算できない。
評価項目(ウ)気密性の評価方法、通風率を説明でき、建物の換気、通風の計画ができる。気密性の評価方法、通風率を説明できる。気密性の評価方法、通風率を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 建築分野の必要な基礎的知識や技術を修得する。
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
「建築環境工学Ⅱ」に引き続き建築環境全般を解説するシリーズである。本科目では、室内空気質の問題を明らかにするとともに空気質に対する換気の理論や評価方法を学び、室内空気質に対する換気や制御方法が計画できることを目指す。次に、建築計画において良い音のする空間を考える室内音響、好ましくない音を防止する騒音制御に関する理論や計算、評価方法を修得する。また、演習課題を通して,知識だけにとどまらず,ものの見方,考え方を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業開始時に前回の復習、終了前に当日の復習に関する演習を行う。
授業はパワーポイントを使用して、考える時間を多めにとる。
注意点:
「建築環境工学Ⅰ」、「建築環境工学Ⅱ」を修得していることを前提として授業を進める。関数電卓を毎授業持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 空気汚染物質と人体への影響:シックハウス、化学物質過敏症、空気汚染物質など (ア)空気汚染物質と汚染物質が人体に与える害について説明できる。
2週 許容濃度と必要換気量との関係:換気、必要換気量、換気回数 (イ)汚染物質に対する必要換気量が計算でき、風力換気、重力換気の計算ができる。
3週 換気力学の基礎と換気量計算方法:風力換気、重力換気、機械換気、相当開口面積など (イ)汚染物質に対する必要換気量が計算でき、風力換気、重力換気の計算ができる。
(ウ)気密性の評価方法、通風率を説明でき、建物の換気、通風の計画ができる。
4週 換気力学の基礎と換気量計算方法:風力換気、重力換気、機械換気、相当開口面積など (イ)汚染物質に対する必要換気量が計算でき、風力換気、重力換気の計算ができる。
(ウ)気密性の評価方法、通風率を説明でき、建物の換気、通風の計画ができる。
5週 建築における換気の計画と通風の計画:全般換気、局所換気、気圧制御、換気経路など (イ)汚染物質に対する必要換気量が計算でき、風力換気、重力換気の計算ができる。
(ウ)気密性の評価方法、通風率を説明でき、建物の換気、通風の計画ができる。
6週 建築における換気の計画と通風の計画:全般換気、局所換気、気圧制御、換気経路など (イ)汚染物質に対する必要換気量が計算でき、風力換気、重力換気の計算ができる。
(ウ)気密性の評価方法、通風率を説明でき、建物の換気、通風の計画ができる。
7週 音の要素と聴覚との関係:聴覚、音の3属性、等ラウドネス曲線、バンドスペクトル、マスキングなど (エ)音波の性質、音の要素と聴覚との関係を説明でき、音圧レベルの計算ができる。
8週 音響の物理的表現と単位:音圧、伝搬音、距離減衰、指向性、反射・屈折・回折など (エ)音波の性質、音の要素と聴覚との関係を説明でき、音圧レベルの計算ができる。
2ndQ
9週 音響の物理的表現と単位:音圧、伝搬音、距離減衰、指向性、反射・屈折・回折など (エ)音波の性質、音の要素と聴覚との関係を説明でき、音圧レベルの計算ができる。
10週 遮音、振動、騒音の考え方と評価方法:吸音率、吸音機構、透過損失、騒音レベル、NC曲線、遮音等級など (カ)室形状による音響特性、音響障害を説明できる。
(キ)透過損失、衝撃音、騒音の評価ができる。
11週 遮音、振動、騒音の考え方と評価方法:吸音率、吸音機構、透過損失、騒音レベル、NC曲線、遮音等級など (カ)室形状による音響特性、音響障害を説明できる。
(キ)透過損失、衝撃音、騒音の評価ができる。
12週 遮音、振動、騒音の考え方と評価方法:吸音率、吸音機構、透過損失、騒音レベル、NC曲線、遮音等級など (カ)室形状による音響特性、音響障害を説明できる。
(キ)透過損失、衝撃音、騒音の評価ができる。
13週 室内音響特性の評価方法、音響特性と室形状との関係:残響時間、明瞭度、音響障害など (カ)室形状による音響特性、音響障害を説明できる。
(キ)透過損失、衝撃音、騒音の評価ができる。
14週 音響材料と音響設備の種類と特性:電気音響設備、音響シミュレーションなど (ク)建物の用途別音響計画を説明できる。
15週 前期の(総)まとめ (ア)空気汚染物質と汚染物質が人体に与える害について説明できる。
(イ)汚染物質に対する必要換気量が計算でき、風力換気、重力換気の計算ができる。
(ウ)気密性の評価方法、通風率を説明でき、建物の換気、通風の計画ができる。
(エ)音波の性質、音の要素と聴覚との関係を説明でき、音圧レベルの計算ができる。
(オ)残響時間、明瞭度による室内音響評価方法を説明できる。
(カ)室形状による音響特性、音響障害を説明できる。
(キ)透過損失、衝撃音、騒音の評価ができる。
(ク)建物の用途別音響計画を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野環境・設備空気汚染の種類と室内空気環境基準について説明できる。3
必要換気量について計算できる。3
自然換気と機械換気について説明ができる。3
音の単位について説明できる。3
聴覚の仕組みについて説明できる。3
音心理の三大特性、大きさとうるささ、音の伝搬、減衰、回折について説明できる。3
吸音と遮音、残響について説明できる。3
遮音材料の仕組み、音響計画について説明できる。3
必要換気量について計算できる。3

評価割合

定期試験中間試験合計
総合評価割合6040100
専門的能力6040100